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NASAステータスレポート #03 1998年10月30日(金)9:00am米国中部標準時間(10月31日0:00am日本時間) ディスカバリー号の宇宙飛行士は、宇宙での初めての丸一日を過ごします。そして、小さな通信衛星の放出から原子レベルでの材料の振るまいの研究まで、幅広い活動をサポートしていきます。 コマンダー(船長)のカーティス・ブラウン、パイロットのスティーブン・リンゼイ、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)のスコット・パラジンスキーは、PANSAT(小型アマチュア無線通信衛星)を今日の午後早くに放出します。 PANSATはカルフォルニアのモントレイの米国海軍大学院が開発した小さな非回収型の衛星です。衛星の開発から宇宙での衛星運用までを通して実施することにより、教育の一環となることを意図しています。PANSATは、もとの信号が非常に弱いか、干渉が強すぎるため通常は捕まえられないレベルの信号を受信し、送信することができます。 ミッションスペシャリストのスティーブン・ロビンソンとスコット・パラジンスキーは、日曜日に放出され2日間の飛行を行う予定のSPARTAN衛星の放出前の確認のため、ディスカバリー号のロボットアームの動作確認を本日実施します。 この動作確認の間に、彼らはペイロードベイ(貨物室)内を調査し、昨夜ブラウン船長によって報告された、軌道制御システム(Orbital Maneuvering System:OMS)の左側のエンジンポッド上ではがれた可能性のあるタイルを調査します。 ESAの宇宙飛行士ペドロ・デュークとNASDAの宇宙飛行士向井千秋は、ミッドデッキグローブボックスの点検と準備を行いました。この密閉された研究装置はこのミッション期間中に多数の研究をサポートします。 このグローブボックスはMGBXと呼ばれ、電子レンジほどのサイズの研究装置で、制御された環境下で、宇宙飛行士達に実践的な実験機会を与えることができます。 今日の午後早く、ペイロードスペシャリストのジョン・グレンはMEPS実験装置の起動を行います。MEPSとは、マイクロカプセル静電処理システムのことで、2種類の抗ガン剤を含んだカプセルを作る実験を行います。これは、腫瘍に対して薬剤を直接投与することができ、化学療法に応用することができます。 さらに、日課のエクササイズとハウスキーピング作業等の雑用により軌道上の最初の丸一日の作業は目一杯となり、STS-95のクルー全員は忙しい1日を過ごすことでしょう。 本日の米国中部標準時間の午前7時45分にクルー達は、ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」の音楽で目覚め、飛行2日目が始まりました。この音楽は、ミッションスペシャリストのパラジンスキーの奥さん、ガイルがリクエストしたものです。 ディスカバリー号は高度349マイル(約555km)から340マイル(約544km)の円軌道を飛行し、1時間35分54秒毎に地球を1周しています。
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