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NASAステータスレポート #02 1998年10月29日(木)9:00pm米国中部標準時間(10月30日12:00pm日本時間) 今日の午後、軌道上へこぎ出したディスカバリー号のクルーは、予定よりも速いペースで、9日間で実施する80件以上の実験の準備作業を行いました。 飛行開始から3時間10分経過したころ、ディスカバリー号のペイロードスペシャリスト2(PS2)のジョン・グレン宇宙飛行士は、ハワイの342マイル(約550km)上空から初めて、ミッションコントロールセンターに連絡をとりました。 グレン:「ハローヒューストン。こちらはPS2です。ミッドデッキから、つかの間ですが飛び出してきました。いまちょうどハワイの上空です。本当にすばらしい眺めです。」 ミッションコントロール:「了解。眺めを楽しんで下さい。」 グレン:「もちろんです。これは美しい。でも一番すごいのは……ありふれた言い方ですが、無重力ですね。気分は爽快です。」 この報告から2時間弱経った頃カーティス・ブラウン船長が、このミッションは4時間55分23秒という1962年のフレンドシップ7でのグレンさんの飛行をすでに追い越している旨告げてきました。ディスカバリー号の飛行時間は8日21時間50分の予定です。最初の1日が終わりに近づく頃、ブラウン船長はグレン、向井、ロビンソンが映ったビデオテープにナレーションを入れました。このビデオはシャトルの上昇中にシャトルのミッドデッキに固定したカメラで撮影されたものです。このビデオには、リフトオフからシャトルのメインエンジン停止までの3人の様子が写っています。 クルーは夕方には、早くもスペースハブ内の実験装置で研究活動を開始し、また同時にペイロードベイに据え付けられた様々な設備に電源を入れました。実験の種類はハッブル宇宙望遠鏡に関する技術試験から、魚を使ってのバランス感覚の研究、あるいは紫外線放射環境の調査などにおよびます。 クルーが眠っている間も実験は続きます。睡眠実験の一環としてグレンさんは、ベッドに入る前に特別な温度計カプセルを呑み込み、寝ている間の体の内部の温度を記録します。 ディスカバリー号の状態は良好で、クルーあるいは飛行管制官から報告された問題点は殆どありませんし、飛行継続に重大な影響を及ぼすような問題点は全くありません。 打上げ数秒前に、シャトル着陸時に使う減速用のパラシュートを格納する容器のドア(縦46cm、横56cm)が外れました。約5kgの重さのこのドアは、無くても飛行やクルーの安全に影響を及ぼすことはありません。また、軌道上での実験装置の準備時に、試験のために今回搭載された、シャトルの飲み水からヨウ素を除去する新しい装置のホースから水が若干漏れているのが見つかりました。このため飛行管制官は、この装置は使わないように指示し、代わりに性能が確認されている従来使用していた装置を使うことにしました。 ディスカバリー号の軌道は遠地点558km、近地点544kmで、地球を1時間35分54秒で1周しています。
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