3.6 打上げ時の気象条件

 STS-87ミッションの打上げ可能時間帯(ローンチウインドウ)は約150 分間となっています。

以下は、打上げ時に適用される気象条件です。

(1)温度

 ・燃料充填前24時間の平均気温が5℃(41°F)以上であること。

 ・充填後カウントダウンを進めるには、気温が37℃(99°F)以下であること。

(2)風速

 ・射点での風向が300 度から60度の場合、最大許容風速は17.5m/sec 以下であること。

 ・射点での風向が、150 度から200 度の場合、最大許容風速は10.3m/sec 以下であること。

 ・瞬間最大許容風速は、風向が60度から150 度の間では17.5m/sec から10.3/secへ減少していき、200 度から300 度の間では10.3m/sec から17.5m/sec へ増加していく。

 ・上層大気に関する最終的な勧告は、JSCからKSCに対して打上げ30分前に行われる。

 ・上空の風がシャトルの飛行に悪影響を及ぼすという決定がなされてから30分以内は、打上げが行われることはない。

(3)降雨

 射点またはシャトルの予定飛行経路に降雨がないこと。

(4)稲妻(および電場)

 ・稲妻が射点から18.5km以内に無いこと。

 ・稲妻源が、打上げ前30分以内に射点及びシャトルの予定飛行経路より18.5km以内に存在しないこと。ただし、稲妻源が18.5km/hの速度で遠ざかっている場合は除く。

 ・打上げ前15分以内において、射点より9.3km 以内で電界測定ネットワークの1分間の平気値が±1kv/m を越えないこと。しかし、18.5km以内に雲がなかったり、スモッグ等で読値が異常であると決定された場合は、上記の条件は適用されない。

(5)(危険な電場を持っていると考えられる雲の種類)

 ・シャトルの予定飛行経路に、温度が0°から−20℃で雲厚が1350m 以上の雲が存在しないこと。

 ・予定飛行経路より9.3km 以内に於いて、温度が0°から−20℃になるような乱れた雲が無いこと。

 ・予定飛行経路に打上げ前3時間以内に、雷雲より分かれた黒い雲、もしくは予定飛行経路から9.3km 以内に雷雲より分かれたような雲が無いこと。またはレーダにより雨影が見つからないこと。

 

 なお、緊急着陸地の気象条件としては、緊急着陸地(KSC,DFRC,WSTF,大西洋横断着陸地)の気象条件が所定の要求を満たしていることが要求され、固体ロケットブースタ(SRB)回収域の気象条件としては、SRBの回収域の高波が2.4mを越えないことがNASAにより制約条件として明示されています。