2. スペースシャトルシステムについて

 

2.1 スペースシャトル開発の経緯

 NASAはアポロ計画の末期に次期宇宙輸送システムの開発をスタートさせることになり、1972年よりスペースシャトルの開発に取り組み始めました。その結果、NASAにとっては、スペースシャトルの開発費と運用費をいかに低下させるかが大きな課題となりました。

 宇宙輸送システム(STS)の開発費用を抑えると言っても極端に抑えることは非常に困難と思われましたが、一度開発した物を何回でも使用できれば、一回の飛行当たりに割り振った制作費は当然安くなります。そこで、NASAはシャトルは反復使用が可能だという点を強調して議会の説得に当たりました。しかし、これだけでは議会を説得できず、具体的なイメージを示しながら、デルタ翼(三角翼)で帰還時に自由に操縦でき、かつ貨物搭載量がこれまでになく大きいという点を強調することにより議会を通過させました。

 NASAは1970年頃から徐々に構想を固め、民間会社に基本設計を委託しました。そこから受け取った報告書の内容は、ジャンボなみの有翼ロケットに中距離飛行機なみの軌道船(オービタ)を乗せ、途中で切り離された後の有翼ロケットも有人で操縦され、地上に帰還するという合理的なものでした。

 しかしながら、このシステムの開発費は余りにも高額であったため議会の承認が得られませんでした。結果として、初段の有人有翼ロケットは放棄せざるをえず、現シャトルの構想に変更し、ようやく1972年に大統領の承認を得ることができました。

 1981年4年12日、宇宙輸送システム1号機のコロンビア号は、米国のフロリダ州にあるNASAケネディ宇宙センターより2人の飛行士を乗せ3日間にわたる第一回目の宇宙滞在を終え、無事カリフォルニア州のドライデン飛行研究施設に着陸しました。

 耐熱タイルが、飛行中に剥がれるなど多少のトラブルは発生しましたが、上記の初飛行はどうにか成功することが出来ました。この成功によって、宇宙飛行は新しい時代を迎えることになりました。つまり、宇宙飛行体の回収や有人宇宙実験など今まで不可能と思われていたことが可能となったのです。

 注)STS:Space Transportation System

 

2.2スペースシャトルの概要

 スペースシャトルの全体図を図2-1 に示します。また、その形状及び主要諸元を図2-2 に示します。

 

図2-1 スペースシャトルの全体図

 

図2-2 スペースシャトルの形状及び主要諸元