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新機能抗体創製のための動物レクチン(コンジェリン)の微小重力環境を利用した高品質結晶化

研究者山根 隆(教授)
研究機関名古屋大学大学院工学研究科

実験内容
レクチンは動植物や細菌で見出される糖結合性タンパク質です。動物レクチンは、発生・分化・形態形成、免疫などさまざまな生命現象に関係するタンパク質です。細胞表面の糖鎖(糖分子が2つ以上あつまったもの)と結合し、細胞を凝集させ、寄生生物の受精後の繁殖作用(胚発生)を妨げる機能があるなど、生体防御機能が備わっているとされています。

例えば、アナゴの体表の粘膜から抽出されるコンジェリンは、バクテリアを凝集させる作用があり、アナゴの生体防御に役立つ自然免疫性を示します。(下図a )

本研究では、アナゴコンジェリンの糖鎖認識機構の原子レベルでの解明と、コンジェリンの生体防御に関する機能向上に向けた分子設計を目的として、高品質な結晶育成を行います。(下図b )

また今回の微小重力実験で得られた結晶を用いて、1Å(オングストローム)分解能レベルの構造解析を目指しており、コンジェリンの糖鎖認識機構に関与する水分子や水素原子についての詳細な情報を取得します。

その結果、ガン細胞などの特有な糖鎖だけを認識し、生体防御を行なう新機能抗体等の開発に役立てることができます。

図a
図b :コンジェリンII のタンパク質濃度(縦軸)−沈殿剤(横軸)
の組み合わせに対する結晶成長(上7 日後、下15 日後)


最終更新日:2002年12月11日

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