| 研究者 | ： | 小田
順一（教授） |
| 研究機関 | ： | 福井県立大学
大学院
生物資源学研究科 |
 | 実験内容 |
γ-グルタミルシステイン合成酵素（GCS ）は、「グルタチオン」の合成に関与する酵素です。
グルタチオンはさまざまな機能を持つトリペプチドというアミノ酸が３
つ結合したものです。
細胞内のグルタチオン濃度が低下すると、薬剤によって毒性が発現する可能性が高くなってしまいます。しかしながら、ガン細胞などを死滅させたい場合は、逆に、グルタチオンが充分に存在するとガン細胞の薬剤耐性が強くなり、死滅しなくなるため問題となってしまいます。
そのため、抗ガン剤への応用を目的として、GCS
の構造と機能の情報をベースとして、GCS の機能阻害を行うための研究が注目されているのです。
GCS の機能を解明するためには、GCS の構造解析を行なう必要がありますが、重力環境下では結晶成長が充分進行しないため、解析に適した良質な単結晶を得ることができませんでした。
今回の実験では、対流のない微小重力環境下での結晶成長実験を行い、得られた良質なGCS
結晶の構造解析により、ペプチド結合（2 個のアミノ酸の一方のカルボキシル基と、他方のアミノ基が脱水縮合して生じたタンパク質構造の主要な結合様式）生成に関する触媒反応機構を明らかにし、ガン細胞がさまざまな薬剤に対して抗力を発揮する多剤耐性に関与するGCS
の阻害を行なう薬剤開発を目指します。
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| ガン細胞の多剤耐性について |
