研究者 | : | 高妻孝光(助教授) |
研究機関 | : | 茨城大学理学部 |
| 実験内容 |
この研究では、タンパク質の結晶化手法における代表的な方法である「蒸気拡散法」を用いて、結晶を成長させる条件と結晶の品質との関連についての研究を行ないます。
蒸気拡散法では、タンパク質溶液中の水蒸気が蒸発することにより、タンパク質の濃度が徐々に上昇し結晶ができてきますが、実験条件を工夫することによって、蒸発速度を変え、早く結晶を作ることが可能です。蒸発が早いと小さな微結晶が多数でき、また、結晶成長が早すぎるために結晶の品質が良好ではないことがすでに予備実験によって明らかにされています。
しかし宇宙実験では、結晶周囲の濃度勾配が維持され、緩やかな条件下でゆっくりと成長すると考えられるため、品質が向上すると予想しています。
本研究では、初期のタンパク質濃度や水蒸気蒸発の速度を制御し、得られる結晶について、タンパク質結晶化条件と結晶品質(回折分解能、温度因子、均質性等)との関係を明らかにします。
また、モルフォロジー(結晶の形)の変化の有無、および得られた結晶の個数等を解析し、微小重力下での結晶成長のしくみを検討します。