エネルギア社のミール運用継続活動に関する情報 源泉:12月4日(土)付モスクワタイムス記事概要
12月4日(土)付のモスクワタイムスによると、ミールの運用を行っているロシアのエネルギア社は、現在、米国企業家(米国のNGOであるSpace Frontiers
FoundationのディレクターWalt Anderson氏、The Foundation for the International Nongovernmental
Development of Space のヘッドRick Tumlinson氏)とミールの運用継続活動について調整を行っているとのこと。
○ 活動の概要 実施目的: 民間投資家からのミール運用資金の獲得に成功するまでの間、ミールを低コストで運用し、軌道上に維持する。
実施方法: ミールに7kmのテザーを取り付け(片方をミールの外壁に取り付け、もう片方をプログレスへ取り付ける。)、地球の磁場内を移動させることで発電を行う。(詳細資料無し)エネルギア社によると、この発電が成功すれば、これまで年間数十tの燃料をプログレスにより運んでいた経費の軽減につながるとのこと。
なお、本発電システムの宇宙での実績は無い。 実施時期: 来年2月〜3月に打上げが予定されているミールデオービット準備のためのクルー打上げ時期を利用する(この際、クルーに対し船外活動が要求されるとのこと。)。
本活動の取りまとめ役であるエネルギア社Vladimir Syromyatnikov氏は、2月〜3月打上げのクルーに、ミールデオービット準備ではなく本システムのテストを行わせ、来年の夏まで滞在させるシナリオも検討中であると述べたとのこと。
○ 交渉状況 - Syromyatnikov氏によると、エネルギア社Yury Semyonov代表と米国企業家は、本年10月に既に公式な合意を済ませ、本年中に正式な契約を交わす予定とのこと。
- Syromyatnikov氏によると、テザーの製造コストは$30Mを想定しており、米国企業家は、既にテザー開発に$200,000を投入しているとのこと。
○ ロシア議会/政府の姿勢 - ロシア下院議会はミール運用継続を支持しており、FY2000予算に1.5bルーブルを割り当てたとのこと。
- 一方、ロシア政府およびロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)は、ミールの運用継続には年間$100Mを要するとしており、民間からの資金獲得ができない限りミールをデオービットし、ISSでのロシアの責任遂行及び通信衛星の補強に集中するという姿勢に変化はない模様。
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