11月16日Space Flight Nowが伝えるところによると、ロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)がミールデオービットのためのクルー(ロシア人飛行士2名)を打ち上げるシナリオは以下の2つとのこと。
1. ミールのフライト制御システムが故障した場合 2. デオービットのためのプログレスがミールとのドッキングに失敗した場合
◎ ミールのフライト制御システムの問題 - ミールを大気圏に突入させる最終マヌーバー点火時には、ミールに搭載されて いる30基のコンピュータが正確に動作することが要求されるとのこと。
- しかしながら、ミールのフライト制御システムは、デオービットのための正確な動作要求を満たしていないとの報告もあり、エネルギア社では来年1月中旬にミー
ルのフライト制御システムのテストを予定しているとのこと。 その際に何らかの問題が発生した場合は、2名のロシア人クルーをトラブルシュ ーティングのために打ち上げる手続きを行う予定とのこと。
※ ソユーズの打上げ準備は約2週間で整うとしている。 ◎ プログレスがミールとのドッキングに失敗した場合 - ミールデオービットのためのプログレス輸送機の打上げは、来年1月28日にカ
ザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地より予定されているとのこと。
- プログレス輸送機がミールとのドッキングに失敗した場合、2週間以内にクルーの打上げが行われ、クルーはミールへ搭乗しtele−operatedシステムによりプログレスをミールにドッキングさせる予定とのこと。
◎ ミールデオービット最終マヌーバのタイミング - ミールのデオービットは、ミールコアモジュールのエンジンを連続的に噴射する
ことにより開始され、ミールがアフリカ西岸沖の大西洋上空(高度約200km)に達した時点で、プログレス輸送機のメインエンジンによる最終マヌーバが行われ、大気圏突入により燃え尽きなかった部品などが、オーストラリア東方の太平洋上に落下するとされている。
- ミールのデオービットは来年2月27日または28日とされているが、正確な落下時期は大気の状態などに左右されるとのこと。
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