−ロシア宇宙関連企業評議会Council of Chief Designersがミールデオービットを決定−
(源泉:10月3日付Space com、10月3日付モスクワAP電(Florida Today経由)、 10月3日付 SpaceFlight Now、10月3日付asahi.
com等) 10月3日付インターネット各News Webの報道によると、ロシア宇宙関連企業のリーダーにより構成される評議会Council
of Chief Designersはミールの今後の運用について、来年2月にもミールをデオービットすることで意見が一致したとのことです。またロシア副首相のクレバノフ氏も報道機関に対し、本決定を支持するコメントをしたとのことです。
記事概要は以下のとおりです。 ◎ Council of Chief Designersの決定内容 - 同評議会は来年2月頃にミールをデオービットすることで合意し、ロシア政府に対しミール軌道維持のための資金(約$200M)を支払うか、来年2月頃のデオービットを決定するかの選択をするよう要求したとのこと。
- また同評議会は、ミールへの燃料等の補給物資を搭載したプログレス輸送機の打上げ(10月16日予定)については承認したとのこと。
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Space comの報道によると、本プログレス打上げにロシア政府の決定が反映される見込みとしている。 - ミールの軌道維持決定の場合→プログレスによりミールの軌道上昇。
- ミールデオービット決定の場合→プログレスによりミールの軌道引き下げ。
また、来年早々に予定されているミールの一般人滞在ミッション(米国人投資家Dennis
Tito氏)は予定通り実施され、その後にミールをデオービットする可能性が高いとしている。 ◎ クレバノフ ロシア副首相のコメント
- ミールにはもはや科学的及び技術的な価値は残っておらず、運用維持にはコストがかかり過ぎる。
- ミールデオービットの最終決定には、なおロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)およびロシア政府の承認が必要。
- ミールデオービットの最終決定がなされれば、ミールは来年2月頃に太平洋上の安全な地域に落下させることになる。
◎ エネルギア社の姿勢
- エネルギア社セミヨノフ代表はCouncil of Chief Designersの決定に対して明確に反対の意向を示し、民間からの運用資金獲得に成功すれば、ミールの運用を継続していくとしているものの、運用資金の獲得に失敗した場合は来年2月頃にミールをデオービットするとしている。
※ 本判断時期について9月24日付Interfax通信は、Mir Corp社の資金獲得状況が明確になる10月または11月頃に決定されるとしている。
また同紙はMir Corp社のミール運用資金獲得状況について、今年分の運用資金しか獲得できていない状況としている。 - また一方でエネルギア社は、ロシア政府に対しミール運用の負債(約$21.5M)を支払うよう求めているとのこと。
◎ 安全なミールのデオービットについて - エネルギア社によると、ミールを安全にデオービットするためには、プログレス輸送機が更に2機必要とのこと。
- 9月18日に開催されたロシア議会によるヒアリングにおいてエネルギア社セミヨノフ代表は、政府から600Mルーブル(約$22M)の資金提供がなければミールをコントロールできないまま大気圏に突入させてしまう危険性があると警告している。
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