植物細胞の重力受容の形成とその分子機構の研究

公開 2020年3月17日

辰巳 仁史 TATSUMI Hitoshi

金沢工業大学 応用バイオ学科 教授

Plant Gravity SensingMolecular mechanisms of differentiation and formation of the gravity sensing system in plant cells

解析中
宇宙利用/実験期間 2014年 ~
研究目的 植物が重力方向に根を伸ばす反応(重力屈性)は良く知られていますが、その重力感知の分子機構については未だ不明の点が多くあります。本研究では、シロイヌナズナを重力のない宇宙で生育させ、宇宙における重力応答を調べます。また、一部の植物標本を持ち帰り解析することで、その仕組みに迫ります。
宇宙利用/実験内容 遺伝子型の異なる4種類のシロイヌナズナの種子を宇宙で発芽させ、10日間育てます。宇宙で育てた植物体でも、地上と同様に重力を感じて応答するかどうかを確認します。「きぼう」船内の遠心機で植物を回転させると、遠心力が植物に掛かります。この遠心力と重力はほぼ同じように植物に作用します。このようにして”重力刺激“を与えて、植物の重力応答を調べます。重力刺激を与えると植物細胞内部カルシウムイオン濃度の上昇が起きます。カルシウムイオン濃度の上昇に従って植物から光が放出されるように植物に工夫がしてあります。宇宙では植物に重力刺激を与えて植物から出てくる光の強さを測定します。また、宇宙で生育した植物を地上に持ち帰り、イオンチャネルの細胞膜での分布や遺伝子発現量の変化を調べます。
期待される利用/研究成果 植物の重力応答のメカニズムを調べることで、宇宙環境に適応する植物の開発や、転倒しても転倒から立ち直るのが早い植物の開発が可能となるかもしれません。もし、植物の種ごとに特別な重力受容分子を使っているならば、その特別な重力受容分子を薬物の標的にすることで、雑草などの有害植物の重力感受装置を特異的に阻害する農薬の開発が可能になるかもしれません。このようにこの研究の波及効果は計り知れません。また、もし植物で解明された重力受容の分子機構やその動作原理がヒトを含めて広く生命界で共通であるならば、宇宙飛行士が体験する重力依存的な現象(骨の現象や免疫機能の低下)の原因を突き止め解決する糸口が得られる可能性があります。
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