モデル生物を用いた宇宙フライトが及ぼす加齢への影響

公開 2020年3月17日

東谷 篤志 HIGASHITANI Atsushi

東北大学大学院 生命科学研究科 教授

Effect of space environment on aging of the model animal C. elegans

準備中
宇宙利用/実験期間 2020年 ~
研究目的 モデル生物線虫を用いて、宇宙の微小重力環境すなわち力学的な刺激が著しく低下することが加齢に対してどのように影響するのかの遺伝的要因ならびに、ミトコンドリア活性をはじめとする細胞内オルガネラ影響、神経ネットワークの変性と、3つの課題から調べることを通して、力学的刺激が加齢に及ぼす複合的影響の分子基盤を解明し、超高齢化社会での健康維持に役立てます。
宇宙利用/実験内容 地上で準備した線虫の幼虫を「きぼう」の微小重力環境で成虫にまで育て、一部は加齢するまで継続して培養します。実験に用いる線虫は、感覚神経、運動神経、介在神経などを蛍光タンパク質で標識しておき、微小重力環境で培養を完了したのち、化学固定を行って地上にサンプルを帰還させ、これらの観察を行います。また、神経伝達物質の定量や、遺伝子ならびにタンパク質の網羅的な発現解析も行い、分子・生化学的な宇宙ならびに加齢、その複合影響に関する解析も行います。宇宙微小重力ならびに加齢に伴う神経や筋変性に対して、タンパク質分解酵素の阻害による抑制効果や、微小重力環境での線虫の運動状態についても動画を撮影し、定量、数値化することで、線虫の運動能力についても評価します。
期待される利用/研究成果 宇宙の微小重力環境は、寝たきりをはじめ高齢者が抱える骨や筋の萎縮、代謝不全など、様々な問題を類似しているため、その環境を利用することで、加齢に伴う種々の疾患、廃用性萎縮、神経・筋変性疾患、ミトコンドリアの不全などの発症メカニズムの原因などの分子基盤を解明することに繋がると考えられます。本研究の結果は、疾患の克服方法、加齢への対処、健康寿命の増進に不可欠な科学的エビデンスを提供し、次期応用研究を展開する上での礎となり、将来の産業や社会に貢献できるものと考えています。

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タイトル サイズ ID
モデル生物を用いた宇宙フライトが及ぼす加齢への影響 [ pdf: 463.0 KB] 70640
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