地上で作成した2次元ナノテンプレートの顕微鏡写真
最近よく「ナノ」という言葉を耳にしますね。
ナノとは、10億分の1という意味で、ここでは長さを表しています。ナノメートルは10億分の1メートルで、例えば、1ナノメートルをピンポン球に例えると、1メートルは地球程の大きさになります。
この実験では、宇宙を利用して表面がナノレベルの凹凸構造になっている型(ナノテンプレート)を作製します。それを炭化ケイ素のプレートの表面にスタンプのように転写することで、電子材料である炭化ケイ素基板が作られます。
地上でナノテンプレートを作成した場合、重力の影響により、不規則な配列が発生してしまいます(詳しくはこちら)。微小重力環境を利用して欠陥の少ない高品質なナノテンプレートを作る事ができれば、それを基に高品質な基板をたくさん作り出す事ができます。
この実験でナノレベルの凹凸を作るには、ペプチド-PEGという物質を基板の上に規則正しく並べる必要があります。ペプチドとは、三大栄養素の1つであるたんぱく質を更に分解したもので、様々な種類があり、栄養食品にも使用されています。また、PEGとは、ポリエチレングリコール(Poly Ethylene Glycol)という高分子の有機物で、医薬品や化学繊維等の材料になっています。
本実験をJAXAと共同して進めている名古屋工業大学では、ある条件の下でペプチド-PEGが基板上に配列する性質があることを発見しました。
そのペプチドを、対流や沈降の無い微小重力環境で、基板上に規則正しく配列させます。そのようにして得られた基板を地上に持ち帰り、量産用の高品質基板を作製するのです。
軌道上で作成した鋳型を基に、地上で大量生産できる
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