飛行5日目(2)
STS-108NASAステータスレポート#9
ジョンソン宇宙センター
2001年 12月 9日(日)午後 7時30分(米国中部標準時間)
2001年 12月10日(月)午前10時30分(日本時間)
軌道上の10名の宇宙飛行士たちは、スペースシャトル・エンデバー号と国際宇宙ステーション(ISS)間での補給品や実験装置の移送作業の手を休め、9月11日に発生したニューヨークとペンタゴン(米国国防総省)への同時多発テロ事件の英雄たち(犠牲者と救助者)に敬意を表しました。
エンデバー号には6,000枚の小さな米国国旗が搭載されており、帰還後にテロ事件の(救助で活躍した)英雄や犠牲者の家族に贈呈されることになっています。またテロ事件後に世界貿易センターの跡地で発見された米国国旗、ペンシルベニア州議事堂上空ではためいていた米国国旗、ペンタゴンから提供された米国海兵隊の旗、ニューヨーク市消防局の旗、テロ事件で命を落とした消防士の写真を掲載したポスターも搭載されています。
エンデバー号のコマンダーのドミニク・ゴーリーは、エンデバー号に搭載している世界貿易センターで見つかった旗に、クルーは特に心を痛めていると述べました。
「この旗はがれきの中から見つかったもので、涙の後がいくつも残っています。未だに灰のにおいがします。我が国の大変なシンボルです。我が国と同じように多少は痛めつけられ、傷つけられはしましたが、ほんの少し手直しすれば、今まで同様に、高く美しくひるがえろうとしています。それは我が国が今まさにしようとしていることそのままです。」とも述べました。
9月11日は軌道上に滞在していたISSの第3次長期滞在クルーコマンダーのフランク・カルバートソンと同僚(ロシア人宇宙飛行士のウラディミール・ジェジューロフとミハイル・チューリン)は、来週ISSを後にするエンデバー号で帰還する予定です。9月11日の朝、ISSはニューヨークの上空を飛行しており、クルーは攻撃された証拠を窓から確認することができました。
「お解りいただけると思いますが、自分の国が攻撃されているのを眺めるというのは、心穏やかなものではありません。あの日私たちは大変なショックを受けました。」とカルバートソンは述べました。
さらに、カルバートソンは次のように述べました。「愛する者を失った全ての人々に、生存者を救出するために身を粉にして働いた全ての人々に、今回のような事態の再発防止に尽力している人々に、幸運を祈ります。私たちはここ3ヶ月間、何度も皆様に思いを馳せました。そして、いつまでも忘れることはないでしょう。ISSが、目的さえ正しければ、人間は素晴らしいことをやり遂げられるという良い見本になってくれることを期待します。私たちは、世界をもっと平和にするためにはどうすれば良いか、いかにして知識を深めることができるか、そしてできることならばどのようにすれば人々を協調させることができるかを考え続けていきます。」
3トンもの新鮮な食料や補給品、実験装置などの荷下ろしが続けられる一方で、カルバートソンと同僚は第4次長期滞在クルー(コマンダーのユーリー・オヌフリェンコ、フライト・エンジニアのダン・バーシュとカール・ウォルツ)にISSでの作業の引継ぎをおこないました。本日はまた、このミッションで初めて、エンデバー号の軌道制御ジェットを1時間にわたり少しずつ噴射して、ISSの高度を約2マイル(約3.2km)上昇させました。これは、このミッションで3回実施することが予定されているリブースト(軌道上昇)制御の、第1回目です。
米国中部標準時間12月10日(日本時間12月11日)にエンデバー号から実施することが予定されている船外活動の準備のために、エンデバー号とISS間のハッチは、本日午後6時43分(同12月10日午前9時43分)に第4次長期滞在クルーのみをISSに残して閉鎖されました。ハッチを閉鎖することによりエンデバー号の内部の気圧をわずかに低くすることができます。これは、純酸素を使用する低圧の宇宙服を着る船外活動作業者を、減圧症から守る手順の一環としておこなうものです。
宇宙飛行士のリンダ・ゴドウィンとダニエル・タニは12月10日午前11時24分(同12月11日午前2時24分)にエアロックから出て4時間におよぶ船外活動を開始し、ISSの太陽電池パドルを回転させる機構に断熱材を取り付ける作業をおこなう予定です。当日の午後、船外活動が完了した後にエンデバー号とISS間のハッチは再度開放されます。
クルーは、本日は午後10時19分(同12月10日午後1時19分)に就寝し、12月10日午前6時19分(同12月10日午後9時19分)に起床する予定です。次のSTS-108ステータスレポートは12月10日午前7時(同12月10日午後10時)頃、あるいは何かイベントが発生した時に発行する予定です。
出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts108/STS-108-09.html.
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最終更新日:2001年 12月 11日
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