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ミッション結果の要約

実施結果

 8月から国際宇宙ステーション(ISS)に約4ヶ月間滞在していた第3次長期滞在クルー第4次長期滞在クルーと交代し、エンデバー号で地球に帰還しました。第4次長期滞在クルーは約5ヶ月以上におよぶISSでの生活を始めました。

 多目的補給モジュール「ラファエロ」で3トンに及ぶ機材、第4次長期滞在クルーの食料や補給品などを運び、ISSに搬入しました。

 船外活動を1回実施し、P6トラス頂部の太陽電池パドル回転機構の周囲に断熱カバーを取り付けました。こうして激しい温度変化を緩和することにより、同機構内モータに検出されていた異常電流が回避されて回転機構が正常に作動できるようになり、ひいては発電能率が向上されるものと期待されています。

 宇宙環境の人間への影響を研究する国際共同研究「有人研究(HRF:Human Research Facility)プロジェクト」の一環として宇宙開発事業団が開発し、2001年3月に国際宇宙ステーションに搭載した、船内中性子環境の基礎データを取得できる中性子モニタ装置(BBND)が、約8ヶ月間にわたる計測を終了し、今回のUF1フライトで回収されました。

 

飛行概要
飛行の概略は以下のとおりです。 詳細はステータスレポートをご覧下さい。
  • 打上げと帰還日時
    打上げ日時 2001年12月 5日 午後 5時19分(米国東部標準時間)
    2001年12月 6日 午前 7時19分(日本時間)
    帰還日時 2001年12月17日午後 0時55分(米国東部標準時間)
    2001年12月18日午前 2時55分(日本時間)
    ミッション期間 11日19時間36分
     STS-108の打上げ予定日(11月29日)直前におこなわれた、11月28日のプログレス補給船(6P)のドッキングは、トラブルで完全な結合ができない状態となったため、ISSから予定外の船外活動を実施して、その原因となった障害物を除去しました。このためSTS-108の打ち上げは5日間延期されました。さらにケネディ宇宙センターの悪天候のため打上げは1日延期され、結局、当初の予定から6日遅れて打ち上げられました。
     また、軌道上作業に時間的余裕がないことから、ミッションを1日延長することが飛行7日目に決定されました。

  • ISSとのドッキングおよびアンドッキング日時
    ドッキング日時 2001年12月 7日午後 2時 3分(米国中部標準時間)
    2001年12月 8日午前 5時 3分(日本時間)
    アンドッキング日時 2001年12月15日午前11時28分(米国中部標準時間)
    2001年12月16日午前 2時28分(日本時間)
    ドッキング期間 7日21時間25分

  • 船外活動(EVA)
    この飛行では船外活動が1回行われました。ISSの組立ておよび修理をおこなう船外活動としては、ISSから実施したものも含め、通算31回となります。
    第1回船外活動(飛行6日目)
    開始時刻 2001年12月10日午前11時52分(米国中部標準時間)
    2001年12月11日午前 2時52分(日本時間)
    終了時刻 2001年12月10日午後 4時 4分(米国中部標準時間)
    2001年12月11日午前 7時 4分(日本時間)
    作業時間 4時間12分
    作業者 リンダ・ゴドウィン、ダニエル・タニ
    主要作業内容

    1.10階建ての高さに相当するISSのP6トラス頂部に取り付けられた2個の太陽電池パドル回転機構の周囲に、断熱カバーを取り付けました。これにより回転機構のモータの温度環境が緩和され、これまでに検出されていたモータ電流の異常を直すことができると考えられています。

    2.Z1トラスの収納部に保管していたSバンドアンテナ(SASA)の断熱材を回収しました。これは地上に持ち帰り、再利用されます。

    3.さらに、前倒しの作業として、8Aフライト(STS-110)で取り付ける予定の電気スイッチを2個、ISSの外部に置いておきました。

    4.8Aフライトの船外活動に備えて、前もってZ1トラスの工具箱から工具8個を回収しました。

    5.デブリ衝突痕などのISS外部の写真撮影をおこないました。


  • 船内活動
     4ヶ月以上ISSに滞在していた第3次長期滞在クルーと、今回交代した第4次長期滞在クルー、それにエンデバー号クルーの、計10名宇宙飛行士は、船内で次のような作業を行いました。

    • 第3次長期滞在クルーと第4次長期滞在クルーの引継ぎ作業
    • 多目的補給モジュール「ラファエロ」とエンデバー号からISSへの3トン以上の機材や補給品の搬入
    • 船外活動クルーを移動させたり作業用の足場を提供したりするためのスペースシャトルのロボットアームの操作
    • 実験モジュール「デスティニー」内部の実験装置の(シャトル-ISS間の)交換作業
    • ランニングマシン(TVIS)の修理
    • ロシアの空調装置SKVの修理
    • ISSで不要となった物品の多目的補給モジュール「ラファエロ」への搬入
    • TVとのインタビューなどの広報活動
    • エンデバー号の貨物室に搭載した実験装置の運用(学生が製作したSTARSHINE-2(ミラーボール衛星)の放出など)


    • リブースト(軌道高度を上昇させる軌道制御)
       リブーストとは軌道高度を上昇させるための軌道制御のことです。ISSは、空気抵抗で高度が日々下がります。そこで、その次の便が到着するまでの高度低下を見込んで、シャトルをISSから分離する前に、スペースシャトルのスラスタによりISSの軌道高度を上昇させる軌道制御(リブースト)を実施しています。

       STS-108ではエンデバー号のスラスタによりリブーストを 3回実施し、ISSの高度を合計約9マイル(約14.5km)上昇させました。

       また、ISSから分離する直前に、予定外のリブーストを1回実施しました。(以下の不具合などの記述を参照ください。)

     


    不具合など
     STS-108の期間中には次のような状況が発生しました。
    • エンデバー号がISSにドッキングした際、当初完全な結合ができず、少し手間取りましたが、再度ドッキング機構を動かすことにより、すぐに正常な結合ができるようになりました。

    • エンデバー号に3台装備されている管制測定装置(IMU)のうち1台に不具合が発生しましたが、残りの2台を使用して正常な運用が継続されました。

    • 1970年代にロシアが打ち上げたロケットの上段がISSの3マイル(約4.8km)以内に接近することが予測されたので、エンデバー号のスラスタを約20分程(間欠的に)噴射して、ISSの軌道を3/4マイル(約1.2km)上昇させました。これによりISSはこのデブリと約64kmの距離を保つことができました。

     

    最終更新日:2002年 1月 11日

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