国際宇宙ステーションへの補給フライト 17P
プログレス補給船(17P)は、日本時間2005年6月16日午前5時16分に国際宇宙ステーション(ISS)から分離しました。
ドッキング解除後、プログレス補給船(17P)は軌道から離脱され、大気圏に再突入し、太平洋上に安全に投棄されました。
17回目の補給フライト
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射点に運ばれるソユーズロケット |
射点に立つソユーズロケット |
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(左)プログレス補給船にフェアリングを装着(右)ソユーズロケットとの結合 |
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プログレス補給船(17P)を覆うフェアリング(手前) |
打上げ準備中のプログレス補給船(17P) |
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17Pフライトは、ロシアのプログレスM-52補給船を打ち上げて、国際宇宙ステーション(ISS)の「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)後方に無人でドッキングさせるミッションであり、ISSへ向かう17機目のプログレス補給船です。
プログレス補給船(17P)は、2005年3月1日にロシアのソユーズロケットにより、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、その後、2005年3月3日に自動ランデブ・システムを用いてISSにドッキングしました。
今回のフライトでは、スペースシャトルの飛行再開に備えて、 ISS からスペースシャトルの熱防御システムの状態を撮影するためのデジタルカメラが搭載されます。また、機体を改造して酸素を余分に搭載しているほか、水や食糧も従来のプログレス補給船で運搬する量よりもかなり多く運ばれます。
プログレス補給船(17P)は、スペースシャトルの飛行が停止されている状況下では、ISSに滞在しているクルーのための飲料水や酸素、食料、予備品などを補給する重要な役割を持っています。17Pフライトでは主に以下に示す補給品約2,100kgをISSに搬入する予定です。
- 飲料水 計 486kg(今回は66kgを余分に搭載)
- 補給用推進剤
- 酸素 74kg、空気 33kg
- その他、以下に示す積荷など
- 食料(米露の宇宙食 2人で160日間分以上)
- 衣服(下着、衣類、タオル等)、衛生用品(歯ブラシ、カミソリなど)
- 運用手順書
- 実験ペイロード
- ロシア:生医学実験用にカタツムリを約50匹搭載、計12装置
- 米国:下半身の動き及び骨と筋肉の劣化状況調査(FOOT)実験装置
- JAXAのタンパク質結晶成長実験装置(GCF -JAXA)の第5回タンパク質試料
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ESAの7実験装置
- 次期ISS長期滞在クルーがスペースシャトル撮影に使用するデジタルカメラ(DCS760)2台
- Nikon400mm望遠レンズ1台、テレコンバータ1台
- 交換修理品、予備品など
- クエストエアロックのSPCU HX(熱交換器)(さびが発生しているため交換が必要)
- 医薬品、クルー健康管理システム(Crew Health Care System: CHeCS)関連機器
- アルカリ乾電池
- ロシアのASUトイレシステムの予備部品
- エレクトロン(酸素発生装置)の予備品の一部
- ロシアの改良型酸素発生キャンドル(Solid Fuel Oxygen Generator: SFOG)32個
- 新しいSFOGジェネレータ1基(改良型SFOGに対応したタイプ)
- など
17P打上げ計画
17P打上げ計画(2005年3月3日現在)
打上げ日時 |
2005年3月1日午前 4時09分(日本時間) |
2005年3月1日午前 0時09分(バイコヌール標準時間) |
2005年2月28日午後 10時09分(モスクワ標準時間) |
2005年2月28日午後 1時09分(米国中部標準時間) |
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射場 |
カザフスタン共和国 バイコヌール宇宙基地 |
使用ロケット |
ソユーズ-Uロケット |
重量 |
約7.25トン(うち約2.5トンが貨物・推進剤) |
ドッキング日時 |
2005年3月3日午前 5時10分(日本時間) |
2005年3月2日午後 11時10分(モスクワ標準時間) |
2005年3月2日午後 2時10分(米国中部標準時間) |
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17Pのドッキングに備えて、16Pのプログレスは日本時間2月28日午前1時6分に ISS とのドッキングを解除しました。その後10日軌道上に滞在し、姿勢制御方法に関する試験を行った後、同3月10日午前1時13分に軌道離脱噴射を行い、同3月10日午前2時3分に大気圏に再突入し、南太平洋上に安全に投棄されました。
17P前後のISSの形状
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17Pフライト前のISS |
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最終更新日:2005年3月10日
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