国際宇宙ステーションステータスレポート#99-19
1999年5月 13日(木)午後4時(米国中部夏時間)
1999年5月 14日(金)午前6時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
先日、雹(ひょう)を伴った嵐により被害を受けた外部燃料タンクの断熱材修理のために、ディスカバリー号は組立棟に引返すことになり、国際宇宙ステーション(ISS)への今年最初のフライトは少なくとも1週間遅れることになりました。
ヒューストンとモスクワから、ISS全体の状況確認のためにシステムのテストと姿勢変更制御を実施した結果、ディスカバリー号が今年最初の補給フライトで何時到着しても、打上げの遅れがISSの運用に影響をおよぼすことはないことが確認されました。ディスカバリー号は来年早々ISSに搭乗する最初のクルーが使用する、資材や補給物資を運ぶことになっています。
シャトルの到着に備えて今週始めにドッキングの最終リハーサルを実施しました。ISSをユニティが地球方向を向きザーリャが宇宙を向いてゆっくり回転している現在の姿勢から、地表に水平で、ザーリャがISSの進行方向を向く姿勢に変更するという操作です。
ISSは水平の姿勢を約3時間保ち、その間に地平線を基準としてザーリャの誘導システムの校正を実施しました。それから再度ISSの姿勢を、地表に垂直でユニティが宇宙方向を、ザーリャが地球方向を向き、回転はしていない姿勢に変更しました。この姿勢はディスカバリー号とのドッキングの際と同じ姿勢です。
このドッキングテストの後、ユニティが地球方向を向き、1秒間に0.3度回転するという通常の姿勢に戻しました。
一方、「星」と名付けられたサービスモジュールが、モスクワから列車でカザフスタンの射点に輸送されています。東部時間12日(水曜日)の正午にモスクワを出発し、約5日間で到着します。射点であるバイコヌールの宇宙基地に到着すると、この秋の打上げに備えて数ヶ月間のテストを実施します。このモジュールは来年早々到着する最初のクルーが生活する場となるものです。
ユニティの初期通信システムから地上へ送信するための回線故障の原因と見られている電力分配器は結局交換することになりました。ISSへ向けてのコマンド操作は低利得アンテナ経由でうまくいっています。しかし、地上へ向けての回線は依然として故障しているため、交換用機器をディスカバリー号で運ぶことになりました。一方、ロシア地上局とザーリャを経由してのコマンド操作はISSへのコマンド操作の主たる手段ですが、問題なく機能しています。ユニティの通信システムの障害はISSの運用を妨げるものではなく、ディスカバリー号とのドッキングにも支障はありません。
ディスカバリー号はISSに3,600ポンド(約1,630kg)の補給品と機器を運びます。これらは最初のISS滞在クルーが使用するために軌道上に収納されます。
ISSは遠地点252マイル(約405km)、近地点238マイル(約378km)の軌道を92分で周回しています。打上げ以来2,719回以上地球を周回しました。夜明けや夕暮れにISSが頭上を通過するとき地上から肉眼で見ることができますが、ディスカバリー号がドッキングするとより明るくなるので、見易くなります。
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