国際宇宙ステーションステータスレポート#99-17
1999年4月 29日(木)午後 4時(米国中部夏時間)
1999年4月 30日(金)午前 6時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
スペースシャトル・ディスカバリー号は、今年初の国際宇宙ステーション(ISS)への飛行に向けて、今週射点に移動しました。現在ISSはヒューストンとモスクワからほぼ24時間体制でモニタされています。ユニティモジュールの通信システムのダウンリンクに関する問題については引き続き調査中ですが、ISS全体に影響を及ぼすことはありません。
シャトルの準備が続く中、ユニティモジュールの初期通信システムのダウンリンクに関する問題についての解析が行われています。この初期通信システムはロシアの地上局を経由するコマンドシステムを補完するものです。その一方、このシステムを完全に回復するために部品交換が必要になった場合に備えて、いくつかの部品をディスカバリー号で運ぶことも検討しています。先週実施したISSの2つの高利得アンテナのテスト中に、この障害が検出されました。このテストは長期間の信号強度の変化を測定したり校正する際に、将来必要となるデータを蓄積するために定期的に実施しています。
ディスカバリー号の到着前に実施するよう計画されていた3回のテストの内、最後のテストを今週末実施しました。これはザーリャのコンピュータに、小型のジェットしか使えなくするように変更したソフトウエアを送信し、テストするというものです。シャトルがISSの近くにいるときは、ザーリャの推力40kgのジェットを噴射できないようにするためにこの変更を行いました。
4月2日のテスト1では、ディスカバリーとドッキングするまでにISSを保温しておくための最適な手順を検討するためのものでした。テスト2は4月16日に完了しましたが、ザーリャからユニティに1,500ワットの電力が供給できることを確認しました。
ISSが252マイルの(約405km)の軌道を周回している一方、地上では、米国のスペースシャトルとロシアのロケットで機材を宇宙に運び上げる準備が続いています。
ISS計画のためにロシアが初めて単独に製作し、次に打上げられるISSの構成要素であるサービスモジュールが、月曜日に工場から出荷(ロールアウト)されました。出荷の式典の際、RSCエネルギア・コーポレーションから、カザフスタンにあるバイコヌールの宇宙基地の打上げ作業チームへとサービスモジュールを公式に引き渡すため、飛行準備完了証明書に調印が行われました。サービスモジュールは、製造工場であるフルニチェフ社から鉄道で5月11日までに射点に運ばれる予定です。公式の打上げ日は、モジュールがバイコヌールに到着して、残りのテストが完了する見通しが立ってから決定される予定です。
米国ではケネディ宇宙センターにおいて、ディスカバリー号が今週射点に移動し、今年初のシャトル飛行の最終準備が行われています。このミッションでは米国製とロシア製の2基のクレーンをISSの外壁に取付けるための船外活動を1回予定しています。これらのクレーンは将来の組立飛行の際使用されます。打上げは5月20日の予定です。
ISSは遠地点252マイル(約405km)近地点238マイル(約382km)の軌道を92分で周回しています。打上げ以来地球を2,504周回しています。
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