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国際宇宙ステーションステータスレポート#99-14 1999年4月 7日(水)午後2時(米国中部標準時間) 1999年4月 8日(木)午前5時(日本時間) ヒューストンのミッション・コントロール・センター ヒューストンとモスクワの飛行管制官達は、国際宇宙ステーション(ISS)のユニティモジュールは、次回のスペースシャトルの到着までに十分保温しておくことができるとしています。この決定は先週の金曜日に完了した電力関連試験の結果に基くものです。 技術者達は、各種モニタ作業をする中で、5月下旬にディスカバリー号がSTS-96ミッションでISSに向けて打ち上げられるまでに完了しておかなければならない3つの試験の内、最初の試験を実施しました。ユニティの外壁を温めるというこのテストを実施してみて、現在のシステム構成でより多くの電力を消費しても、ザーリャモジュールのバッテリには十分な余裕があることが判りました。これはシャトルがISSとドッキングし、クルーが入室するまでに確認しておくべき事項です。 試験1は複数のヒーターに通電してユニティで消費される電力を徐々に増加させて行き、ディスカバリーとのドッキングまでにユニティを暖めておく最良の手順を検討するための材料を収集するというものです。この試験はISSの軌道上環境が、来月ディスカバリー号が到着する時と似ている期間に実施しています。 最初の試験結果により、ザーリャは現在のISSの姿勢の状態で、少なくとも900ワットの電力をユニティに連続して供給することができることが判りました。この条件ですと検討中のシャトル飛行の運用計画をよりやりやすいものにすることができます。2つ目の試験は4月14日に開始しますが、この時は電力試験をさらに押し進めるために、ISSの姿勢を変更します。この試験はシャトルがドッキングする時の姿勢で、ザーリャがユニティに1,500ワットの電力を供給できることを確認するのを主たる目的としています。 3つ目の試験は、ディスカバリーのミッション開始直前に実施される予定で、ザーリャのコンピュータのソフトウエアを入れ替えて、ザーリャの小型の制御用ジェットだけしか利用できないようにするというものです。 一方、ユニティの右舷に設置されたオムニ・アンテナの信号強度が相変わらず低い値を示しているという現象の解析も継続して行われています。このアンテナは、米国の初期通信システム用の2基のアンテナのひとつですが、ISSの向きによっては地上からの信号の受信強度が低下するという現象を示していました。 STS-96ミッションの飛行計画の担当者達は、ミッション中、タミー・ジャーニンガン宇宙飛行士とダン・バリー宇宙飛行士による船外活動を実施する前に、このアンテナをシャトルのロボットアームで調査することを計画しています。通信能力が多少低下していても運用上の影響はあまりないので、修理用の機材をディスカバリーに搭載することは予定していません。 昨年のシャトルミッションSTS-88で設置されたこの米国の通信システムは、ISSの2つの通信システムのひとつであり、ザーリャに搭載したもう1つの通信システムと補完して稼働します。 ISSは遠地点251マイル(約404km)、近地点240マイル(約386km)の軌道を92分の周期で周回しています。打上げ以来すでに地球を2,150周しています。 ISSを肉眼で観測するには次のURLをご覧下さい。 http://spaceflight.nasa.gov/realdata/sightings/ ディスカバリー号によるSTS-96ミッションは現在5月24日に打ち上げを予定しています。このミッションは米国とロシア双方のモジュールへ物資を輸送したり、両国のクレーンを運ぶこと等を目的としています。
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