国際宇宙ステーションステータスレポート #99-12
1999年3月24日(水)午後2時(米国中部標準時間)
1999年3月25日(木)午前5時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
国際宇宙ステーション(ISS)は米国の通信システムの2つのアンテナのひとつに見られた若干の問題点につき分析を継続していますが、今週は標準の運用に戻しています。
米国の初期通信システムで使用する2つのアンテナのひとつはユニティモジュールの外壁、右舷に取り付けられています。今月の初めになって、そのアンテナを使っての通信はISSがある方向を向いているとき、想定されるよりも受信信号が15%低いことが分かりました。この問題が発見されたときはこのアンテナの使用を中止し、左舷のアンテナのみを使ってきましたが、先週末に右舷のアンテナを再び使用してみたところ、多少の能力低下はあるものの正常に作動することが分かりました。多少の通信能力低下は実質的には日常の運用に影響はありません。状況の分析と問題点の原因分析を継続しているところです。
米国のこの通信システムは昨年STS-88の際取りつけられたものでISSの2つの通信システムのひとつです。ザーリャに搭載しているもう1つの、ロシアの通信システムと補完し合うものです。
5月にディスカバリー号がSTS-96ミッションで到着するための準備の一環として、来週ISSの電力システムの試験を行います。このテストでは色々な手順でいくつかのヒーターを通電して行き、ユニティモジュールで消費する電力を徐々に増加させていきます。得られた情報は、ディスカバリーがISSとドッキングするのに先立ち、ユニティモジュールをウォームアップしておく最良の方法を検討するために役立てられます。この電力システム試験はまだ検討中ですが、ISSの軌道環境がディスカバリーの到着するころと同じようになる来週初めには開始できる見込みです。
ISSは遠地点256マイル(409.6km)近地点242マイル(387.2km)の軌道を92分24秒の周期で周回しており、打ち上げ以来すでに地球を1900回以上周回しています。
スペースシャトル・ディスカバリー号によるミッションSTS-96はISSへの次回のミッションで、打ち上げの目標を5月20日としています。宇宙船内にとりつける装備や、外部に取付ける米国とロシアのクレーンを運搬する予定です。
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