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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

国際宇宙ステーションステータスレポート #99-10
1999年3月10日(水)午後2時(米国中部標準時間)
1999年3月11日(木)午前5時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター


 国際宇宙ステーション(ISS)はすでに地球を1700周しています。ヒューストンとモスクワの管制チームによれば今週もシステムの状況は良好で、飛行を妨げるような問題は発生していません。

 しかし、先週末になって、ユニティモジュールの外壁に取り付けられている米国の初期通信システム用の2つのアンテナの内のひとつに問題が発見されました。ISSの向きによっては右舷のアンテナの受信能力が15%減少してしまうというものです。この現象が先週金曜日に見つかった際は、右舷のアンテナをオフにして左舷のアンテナのみで通信を継続しました。

 米国の通信システムの通信内容は殆どがダウンリンクと呼ばれる、ISSから地上に送られてくる情報です。この通信には通常1つのアンテナしか使いませんので、日々の運用には殆ど影響はありません。管制官達は今週は問題点追求のため、右舷のアンテナに定期的に切り替えてみることにしています。ザーリャの外壁に取り付けられているテレビカメラでアンテナを観察する準備も進めています。昨年のSTS-88の際取り付けたこの米国の通信システムは、ISSに備えられた2つの通信システムのひとつで、お互いに補完しあうことになっています。他方のシステムはザーリャに搭載した通信システムで、ロシアのコロリョフ管制センターから行う管制作業に使用するものです。

 今週はさらに、小型の充放電電流制御ユニットを18個、モスクワのクルニチェフ宇宙センターからフロリダのケネディ宇宙センターに運ぶことを決定しました。これは5月のシャトルミッションSTS-96の際交換するための準備です。このユニットはロシア語の略号でMIRTと呼ばれ、ザーリャのバッテリの機能を補強するものです。ザーリャのバッテリは今年の初めから必ずしも最適な稼働状況にあるとは言えないと指摘されていました。この携帯電話サイズのユニットは、ザーリャの6基のバッテリの充電レベルを表示するシステムの一部分であり、充電完了時にバッテリへの電力供給を減少させていくよう充電システムに指令する役目を負っています。

 これまではこのバッテリ問題に対応するために、6基のバッテリについて毎週深い充放電を繰り返して最適状態に維持するという作業をしてきました。制御ユニットを交換すればこのような作業を減らし、長期にわたりバッテリの効率を向上させることが期待できますし、またISSに対しバックアップ装置を追加することにもなります。

 STS-96のミッションスペシャリストのジュリー・ペイェット とバレリー・トカレフは、ザーリャ・モジュールのシミュレータでユニット交換の訓練を受けるために、今月末にロシアの星の街にあるガガーリン・宇宙飛行士訓練センターを訪れる予定です。ユニットは各バッテリに3個づつ対応します。ザーリャの床パネルの下に置かれ、サイズは2.5インチ53インチ56インチあります。

 ISSは遠地点256マイル(410km)近地点242マイル(387km)の軌道を92分24秒で1周しています。

最終更新日:1999年 4月 2日

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