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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

国際宇宙ステーションステータスレポート#8
1998年11月27日(金)午前11時30分(米国東部標準時間)
1998年11月28日(土)午前1時30分(日本時間)
ロシアのコロリョフ・ミッション・コントロール・センター

 モスクワとヒューストンのフライトコントローラーはザーリャの機器の点検を終了し、スペースシャトル・エンデバー号と国際宇宙ステーション(ISS)の次の構成要素であるユニティ結合モジュールの到着を待ち受ける準備が整いました。

 軌道上での最初の1週間を経過したところで金曜日にドッキングテストを実施し、ザーリャの主要システムの最終チェックを行ないました。このチェックでは1週間後に予定されている、エンデバー号とのランデブに先立ち行われる一連の作業を実施しました。このドッキングテストの中で行われたドライラン(机上訓練の一種)のコマンド、これらはランデブの最後の数時間に地上から送信される予定です、としては以下のものを想定しました。
  • 太陽電池パネルを結合運用時の位置に固定する。
  • グラプル・フィクスチャ(シャトルのロボットアームで掴むところ)の電気試験を行う。
  • シャトルとのランデブ中にジェットが噴射したりすることのないよう特定のジェットを作動不可とする。
  • ザーリャをシャトルのロボットアームで捕まえるときの姿勢にする。
  • ザーリャの外壁に取り付けた3台のカメラに電源を入れて動作を確認する。
  • ザーリャの外部の照明に電源を入れ、点灯させる。

 この試験をもって来週の火曜日のシャトルの打上げ前のシステムチェックを完了したことになります。

 また管制官達は、修正した室内の空気監視センサの地上ソフトウエアの検証も行いました。モジュール内の湿度は3周回の間連続して高めに検出されていましたが、最終チェックにより正常値の範囲にあるとロシアのフライトディレクターから報告されました。

 一方、ザーリャに搭載した6基のバッテリの内1基が充放電の不具合を生じるかも知れないので、エンデバーで交換用ハードウエアを運ぶことを、ISSのプログラム・マネジャーはロシアの担当官と検討しています。バッテリはザーリャが地球の陰に入る夜の期間にシステムを運用するための電力を蓄積するためのものです。バッテリ1は、充電されたエネルギーを自動的にはうまく供給することができない状態です。

 このバッテリは地上からの指令により操作することはできますが、交換用の充電装置とバッテリコントローラーをエンデバー号に搭載し、ロシアの宇宙飛行士セルゲイ・クリカレフがSTS-88の期間中にザーリャ内での作業の中で交換することになるかも知れません。クリカレフ宇宙飛行士は以前同じようなハードウエアをミール宇宙ステーションで交換したことがあります。

 木曜日にはTORUマニュアル・ドッキングシステムのさらに詳細なテストを行い、ザーリャの外部に取付けた2基の小型アンテナからの信号レベルをチェックしました。現時点ではアンテナが完全に開いているとは確認できませんが、このテストのデータによれば受信した信号レベルは開いたアンテナからのものであることを示していると、ロシアのフライトコントローラーは述べています。STS-88シャトルミッションまでにはこれ以上のテストは予定されていませんが、アンテナの展開状況を目で確認するため、FGBへの接近時及び、結合(バーシング)作業時、および3回の船外活動のうちのいずれか1回の機会にクルーが写真撮影を行うことが要求されるでしょう。

 TORUシステムはマニュアル操作が可能なドッキングシステムであり、1999年夏にサービスモジュールが到着した際に使用するクルス自動ドッキングシステムのバックアップの役割を果たします。

 全ての予定された試験は完了していますので、週末はヘルスチェックが主たる作業となります。エンデバー号の打上げまではその他には特に作業は予定されていません。

 ザーリャは、システムの点検あるいは、他の運用を行っていない期間は、燃料の消費を抑え、衛星の温度を一定に保つために、ゆっくりと回転させた状態のままにされます。

 ザーリャは、高度250×240マイル(約402×386km)の軌道を92分の周期で周回しています。

 次のNASAステータスレポートは月曜日に発行される予定です。




最終更新日:1998年 12月 9日

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