国際宇宙ステーションステータスレポート#5
1998年11月23日(月)午前8時(米国東部標準時間)
1998年11月23日(月)午後10時(日本時間)
ロシアのコロリョフ・ミッション・コントロール・センター
国際宇宙ステーション(ISS)の最初のモジュール(ザーリャ)は、本日モスクワから軌道高度を高める制御を2回行い、2週間後のスペースシャトル・エンデバー号とのランデブの予定軌道に、より近づきました。
ザーリャは遠地点高度226マイル(約363km)、近地点156マイル(約251km)の軌道を飛行中に、宇宙での3日目を開始しました。2回に分けて行ったエンジン噴射によりザーリャは遠地点高度248マイル(399km)、近地点高度194マイル(312km)の、より高い軌道に移りました。最後の微調整の軌道制御は火曜日に予定されています。この制御でザーリャの軌道は高度が250マイル(約402km)の円軌道になります。
このままザーリャは2週間ほど飛行を続け、この間に高度は少しずつ減少して、12月6日にはエンデバー号が到着する約242マイル(約389km)になります。
ザーリャの最初のエンジン噴射は11月23日モスクワ時間午前8時26分(米国東部標準時間午前0時26分、日本時間午後2時26分)に実施されました。31秒間の噴射によりザーリャは毎秒21フィート(約6.3m)増速し、その約1時間後の約2分間におよんだ噴射では、毎秒78フィート(約23.4m)増速しました。
この日はいくつかのロシアの地上局と交信可能な時間帯を利用して、システムチェックが引き続き行われました。交信中の各地上局を経由してザーリャコントロールルームやNASAヒューストンの支援室のフライトコントローラーがザーリャに搭載されたコンピュータからのデータをモニタしました。
ザーリャの軌道上チェックアウトで、自由飛行モード下での姿勢制御システムのチェック、ザーリャ内部の温度モニタシステムの機能確認、火災検知器および消火システムのテスト、ガス分析器の停止などが行われました。
ガス分析器は多少高めの湿度を検出していますが、これは単なる誤差であろうと考えられています。製造メーカにその可能性につき問い合わせているところです。
バッテリ1はこれまで同様、他の5基のバッテリよりも高い充電値を示しています。原因究明のためテレメトリデータの分析が行われています。
昨日の状況から、ザーリャのTORU(遠隔制御システム)手動ドッキングシステムの2つの小型アンテナが開いていない可能性が指摘されています。ロシアの専門家によるシステムテストが今週行われ、アンテナシステムのより詳しいデータが得られる予定です。
明日は軌道高度を高くするためのエンジン噴射の他に、ザーリャのマルチプレクサ・デマルチプレクサ(MDM)と、すでに完了しているモニタシステムのテストを予定しています。
システムチェックやその他の作業をしていないときは、燃料の節約のため、および温度を一定に維持するために、ザーリャはゆっくりと回転する状態にされます。現在ザーリャは軌道が高くなっているため、51.6度の傾斜角の軌道を91分の周期で回っています。
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