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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

国際宇宙ステーションステータスレポート#3
1998年11月20日(金)午前5時30分(米国東部標準時間)
1998年11月20日(金)午後7時30分(日本時間)
ロシアのコロリョフ・ミッション・コントロール・センター

 曇り空の下、人類として初めてユーリ・ガガーリンが宇宙へ飛び立った地点にほど近い射点から、ロシア語で日の出を意味するザーリャと名付けられた宇宙船が、国際宇宙ステーション時代の先導役として本日宇宙へ飛び発ちました。

 ロシアのプロトンロケットの先端部には国際宇宙ステーション(ISS)の基本機能モジュール(ザーリャ)が搭載されていました。ザーリャは現地時間11月20日午前11時40分(日本時間午後3時40分、米国東部標準時間午前1時40分、モスクワ時間午前9時40分)にアジア大陸に位置するカザフスタン共和国の大草原のバイコヌール宇宙基地から打上げられました。ザーリャは5つの国際パートナーと10数カ国が共同で宇宙に製作する建造物の最初のコンポーネントです。

 NASAのダニエル・ゴールディン長官、ロシア航空宇宙局のユーリ・コプチェフ長官、そしてその他の国際パートナーの責任者が宇宙ステーション計画の担当官と共に、自らの目で打上げを確認しました。

 カウントダウンは順調に進み、180フィート(約54m)のプロトンロケットはザーリャを載せて、遠地点220マイル(約354km)、近地点115マイル(約185km)の初期軌道に向けて轟音と共に飛び発ちました。打上げ約10分後にプロトンの第3段からザーリャは切放され、緊急通信用とランデブ用のアンテナを伸展する一連のコマンド(指令)が起動されました。さらに3分後には80フィート(約24m)の太陽電池パネルが広げられ、太陽光発電を開始しました。ドッキングプローブも伸展され、来年の夏に打ち上げられるロシアのサービス・モジュールとの結合に備えました。

 打上げ約3時間後、ザーリャが均等に太陽輻射熱の影響を受けるように姿勢を制御するコマンドがロシアのフライトコントローラーによりザーリャに向けて送信されました。

 その他の本日の主な作業としては、ザーリャが地球を周回しながら太陽電池パネルが常に太陽の方向を向くようにする試験などが行われ、正常に終了しました。

 明日はザーリャの2基の大型の軌道制御エンジンをテスト噴射し、軌道制御ができることを確認します。その後、近地点を115マイル(約185km)から157マイル(約253マイル)へと高くする制御を行います。そして、さらに3回の軌道制御を行い、来週の火曜日ころには遠地点243マイル(約391km)、近地点233マイル(約375km)のほぼ円に近い軌道に投入されます。

 モスクワ郊外のロシア・ミッション・コントロール・センター内の米ロ両国のフライトコントローラーと、ヒューストンのジョンソン宇宙センターの国際宇宙ステーション飛行管制室内の米国の管制官たちはこの歴史的打上げに立会った後、現在はザーリャのシステムを立ち上げる作業を行っています。管制官たちは今後ISSが運用される期間中ずっと、24時間体制でISSのシステムを監視していくことになります。

 ザーリャの打上げが成功したことにより、米国時間12月3日に予定されているSTS-88ミッション、スペース・シャトルエンデバー号の打上げの準備が整いました。このミッションでは、ISSの次のコンポーネントであるユニティと呼ばれるノード(結合部)を軌道に運びます。この飛行期間中にナンシー・カリー宇宙飛行士がザーリャをエンデバー号のロボットアームでつかみ、シャトルのペイロードベイ(貨物室)内のユニティモジュールに結合させる作業を行います。 

 飛行管制官の報告では、打上げ後数時間のザーリャのシステムの状態は正常です。


最終更新日:1998年 12月 9日

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