宇宙ステーションの構成 −Flight 1A/R
コントロール・モジュール(FGB)詳細−
(NASA Facts 1998.10月より)
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Flight 1A/R コントロール・モジュール(FGB)概観図 |
ザーリャ・コントロール・モジュールはロシア語の略称でFGB(英語ではFunctional
Cargo Blockに相当)と呼ばれるモジュールであり、国際宇宙ステーション(ISS)の最初の構成要素として打ち上げられ、宇宙ステーションの初期段階での推進機能及び電力供給機能を提供します。42,600ポンドの与圧モジュールは、ロシアのプロトンロケットで1998年11月に打ち上げられる予定です。
アメリカが資金を出し、ロシアによって製作されたザーリャ(ロシア語の「日の出」を意味する)は、ロシアで製作されますが、宇宙ステーションのアメリカのコンポーネントです。このモジュールは、モスクワにあるフルニチェフ国立研究生産宇宙センター(KhSC)が、ボーイング社の契約下でNASAのために製造したものです。このモジュールの打上げは、ロシアの予算を使って行われます。ザーリャが軌道に投入された1週間後には、スペースシャトル・エンデバー号がランデブーして、アメリカが製作したノード1と呼ばれる接続用のモジュールを連結する予定です。宇宙ステーションの3番目の構成要素であり、ロシアが製造するサービス・モジュールと呼ばれる、クルーが生活したり、初期段階の宇宙ステーションの中心となるモジュールが結合するまで、ザーリャ・モジュールは受動的なモジュールであるノード1に対して、姿勢制御、通信、電力等の機能を提供します。サービス・モジュールは、ザーリャの多くの機能を強化したり、その機能に代わって使用される予定です。宇宙ステーションの組立シーケンスの後期段階では、ザーリャ・モジュールは、主に荷物の保管機能、あるいは、推進剤
の保管タンクとして使用されることになります。
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モスクワから射場への輸送準備が完了した
ザーリャ・モジュール |
ザーリャ・モジュールは、全長41.2ft(約12.5m)、一番大きな所で幅13.5ft(約4.1m)です。運用寿命は、15年以上。太陽電池パドルと、6個のニッケル・カドミウム電池により平均で3kwの電力を供給できます。ロシアのクルス(kurs)システムを使用することにより、ザーリャは、軌道上でサービス・モジュールと自動的に、またリモート制御によりランデブー、ドッキングすることができます。側面に設置されたドッキング・ポートには、ロシアのソユーズ宇宙船、及び無人のプログレス補給船がドッキングすることができます。2枚の太陽電池パドルはそれぞれ、長さ35ft(約10.7m)、幅11ft(約3.3m)あります。モジュールの16個の燃料タンクには、合計で6t以上の推進剤を保管することができます。このモジュールの姿勢制御システムとしては、24基の大型スラスターと12基の小型スラスターを使用します。2基の大型のエンジンは、リブースト(軌道高度の引き上げ)時や大きな軌道変更時に使用されます。
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コントロールモジュール(FGB)を搭載したロシアのプロトンロケット |
ザーリャ・モジュールの製造は、1994年12月にKhSCで開始されました。そして、1998年1月に射点での打上げ準備のため、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ輸送されました。3段式のプロトンロケットは、このモジュールを約220×339kmの軌道に投入する予定です。打上げ時には、このモジュールのシステムはバッテリの消費を押さえるため、アイドルモードとされます。初期の長円軌道に到達し、プロトンロケットの3段から分離した後は、事前にプログラムしておいたコマンドにより自動的にモジュールのシステムが起動され、太陽電池パドルと通信用のアンテナが展開されます。数日間の運用試験の後、モジュールは、エンジン点火の指令を受け、エンデバー号とランデブーし、アメリカが製作した接続モジュール・ユニティ(ノード1)と結合する高度約386kmの円軌道に投入されます。
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