飛行11日目(2)
STS-110NASAステータスレポート#21
ジョンソン宇宙センター
2002年 4月 18日(木)午後 5時(米国中部夏時間)
2001年 4月 19日(金)午前 7時(日本時間)
本日、宇宙飛行士たちはアトランティス号の各システムをテストし、荷物を片づけて、4月19日(日本時間4月20日未明)のケネディ宇宙センターへの着陸の準備をしました。アトランティス号は450万マイルにおよぶ飛行で、屋台骨となる巨大なトラス構造体を国際宇宙ステーション(ISS)に運びました。
コマンダーのマイケル・ブルームフィールドとパイロットのスティーブ・フリック、そしてフライト・エンジニア(MS:搭乗運用技術者)のエレン・オチョアは、アトランティス号の3基ある油圧システムのひとつを起動して全ての昇降舵/方向舵をテストし、4月19日午前(同4月20日未明)に大気圏に高速度で再突入する際にも完全にコントロールできることを確認しました。
また、ブルームフィールドとフリック、そしてオチョアはレックス・ウォルハイム、リー・モーリン、ジェリー・ロス、スティーブン・スミスとともに、この10日間に使用した装置などを収容し、さらに4月19日の早朝(同4月19日午後)に貨物室のドアを閉鎖する準備としてKUバンドアンテナを収納しました。
アトランティス号が4月19日にケネディ宇宙センターに着陸する機会は2回あります。1回目は午前10時20分(同4月20日午前0時20分)にアトランティス号にブレーキをかける軌道離脱噴射を実施し、1時間かかって降下した後、午前11時26分(同4月20日午前1時26分)に長さ3マイル(約5km)のスペースシャトル用滑走路に着陸します。ほとんどあり得ないケースですが、悪天候のために2回目の機会に帰還することになった場合は、午前11時59分(同4月20日午前1時59分)に軌道制御システムエンジンを噴射して軌道を離脱し、午後1時3分(同4月20日午前3時3分)にケネディ宇宙センターに着陸します。
当日の天候は所々に雲があり弱い風は見込まれるものの、ケネディ宇宙センターへの着陸には良好な条件であると予報されています。このため、代替着陸地点であるカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に対しては4月19日の支援は要請されていません。アトランティス号には4月22日までは宇宙に留まることができるだけの消耗品が用意されています。
さて、国際宇宙ステーション(ISS)では、アトランティス号のクルーとの1週間におよぶ共同作業を終了して一夜明けた本日、第4次長期滞在クルーコマンダーのユーリー・オヌフリエンコとフライト・エンジニアのカール・ウォルツとダニエル・バーシュが、比較的静かな1日を過ごしました。この共同作業では、ISSにS0(エスゼロ)トラスと「モービル・トランスポータ」(MT:ISSロボットアームの台車)を取り付けて始動させました。これらの新しい要素は引き続きテストがおこなわれており、状況は良好であると伝えられています。
オヌフリエンコとウォルツとバーシュは4月19日にISSの一部のシステムを停止させて、4月20日午前(同4月20日午後)に帰還用のソユーズ宇宙船に乗り込み、このソユーズが現在結合している「ザーリャ」(基本機能モジュール)の地球側のドッキングポートから「ピアース」(ロシアのドッキング室)に移動するための準備をします。所要時間35分と予想されるこのソユーズの移動は、4月20日の午前4時2分(同4月20日午後6時2分)のアンドッキングに始まる予定です。NASAテレビはこの模様を4月20日午前3時(同4月20日午後5時)から放送します。
ソユーズ3宇宙船(3S)をザーリャからピアースに移動させることで、タクシークルーと呼ばれる3人の飛行士を乗せたソユーズ4宇宙船(4S)が、4月27日にザーリャのドッキングポートに結合できるようになります。タクシークルーは、ISSの第一次長期滞在クルーの一人であったコマンダーのユーリー・ギドゼンコとフライト・エンジニアでヨーロッパ宇宙機関(ESA)に所属するロベルト・ビットーリ、南アフリカ人の宇宙旅行者であるマーク・シャトルワース氏から構成されます。この3人は4月25日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約1週間第4次長期滞在クルーと共同作業をした後、5月4日にピアースに結合しているソユーズ3に乗って帰還する予定です。
アトランティス号のクルーは4月18日午後6時14分(同4月19日午前8時14分)に就寝し、4月19日午前2時(同4月19日午後4時)過ぎに起床して、大気圏再突入と着陸の準備に取りかかる予定です。アトランティス号とISSのシステムは正常に稼働しています。
アトランティス号が4月19日(同4月20日)に着陸した場合STS-110の宇宙飛行士たちは、ジョンソン宇宙センターに近いヒューストンのエリントン・フィールド(空港)に、4月20日午後1時(同4月21日午前3時)頃に戻る予定です。
この次のステータスレポートは4月19日午前(同4月19日午後)クルーの起床後、または何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典:
http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts110/STS-110-21.html
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