飛行9日目(2)
STS-110NASAステータスレポート#17
ジョンソン宇宙センター
2002年 4月 16日(火)午後 6時30分(米国中部夏時間)
2002年 4月 17日(水)午前 8時30分(日本時間)
本日、アトランティス号の宇宙飛行士、ジェリー・ロスとリー・モーリンは6時間37分におよぶEVAを実施し、手すりとなる支柱を取り付ける、将来トラスを拡張していく際に必要となるスイッチをテストする、将来の組立作業で使用する投光器や設備を取り付けるなど、今回のミッションで取り付けたS0(エスゼロ)トラスの艤装を終了しました。
ロスとモーリンは、STS-110ミッションの4回目で最後の、そして国際宇宙ステーション(ISS)組立目的で38回目となる船外活動を、米国中部夏時間4月16日午前9時29分(日本時間4月16日午後11時29分)に開始しました。まず、エアロック・スパーと呼ばれる長さ14フィートの支柱状のものをS0トラスから「クエスト」(エアロック)へ展開して、将来トラス上で船外活動を実施する際の近道として使えるようにしました。
次にロスは、長さ44フィート(約13.4m)のS0トラスに今後トラスを接続する際の接続状態を確認するためにS0トラスの両端に取り付けてあるスイッチをテストしました。完成するとISSのトラスはサッカー競技場くらいの長さになります。
孫を持つ2人の船外活動者は、船外活動用の照明として投光器を「ユニティ」(結合モジュール1)と「デスティニー」(米国実験棟)に取り付けました。
続いてロスとモーリンは、今後の建設作業で使用する作業用のプラットフォームを取付ける、変圧器やブレーカを取付ける、S0トラス上に4個あるGPSアンテナの1個の断熱カバーをきちんと取り付け直す、「モービル・トランスポータ」(MT:ISSロボットアームの台車)にショックアブソーバ(衝撃吸収器)を取り付けるなどの作業をしました。このショックアブソーバは、将来ISSの端から端まで船外活動実施者が移動するのに利用するカートが、万が一衝突した際の衝撃を吸収し、ISSのロボットアームが揺れるのを防ぐためのものです。
実施出来なかったのは、MT用に2個あるアンビリカルシステムの予備側のケーブルの切断装置に付いている固くて外れないボルトを取り外す作業と、不具合のあることが分かったガス分析機をトラスに取り付ける作業です。
MTの上には6月にモービル・ベース・システム(MBS)が取り付けられ、ISSの端から端までISSのロボットアームを移動させる土台となりますが、このボルトはMTの運用には影響はありません。ガス分析機の取り付けは優先度が最も低い作業とされていました。
主要な作業を全て完了したロスとモーリンはクエストに戻り、4月16日午後4時6分(同4月17日午前6時6分)に船外活動を終了しました。
アトランティス号のミッションスペシャリスト(MS:搭乗運用技術者)のエレン・オチョアと第4次長期滞在クルーフライト・エンジニアのダニエル・バーシュは、ISSの「カナダアーム2」(ロボットアーム)を操作して船外活動をするロスを移動させ、一方モーリンはテザーでISSに係留されてロスを支援しました。ロスは米国最長の船外活動経験者で、今回で9回目、これまでの船外活動時間は合計58時間18分となりました。ロスのこの記録を上回るのはロシアの宇宙飛行士アナトリー・ソロビョフだけです。モーリンは今回が2回目の船外活動となりました。レックス・ウォルハイムと第4次長期滞在クルーのカール・ウォルツはアトランティス号後部のフライトデッキから船外活動の指揮をとりました。
船外活動者が作業を進める一方で、アトランティス号とISSのコマンダー、マイケル・ブルームフィールドとユーリー・オヌフリエンコ、パイロットのスティーブ・フリックとスティーブン・スミス宇宙飛行士は、アトランティス号とISS間で荷物を運搬し、またロスとモーリンの写真撮影やテレビ撮影などをおこないました。
S0トラスをISSに取り付け艤装するための全ての目的が達成され、残るのはアトランティス号とISSの両クルーの別れ、そして両宇宙船のアンドッキングとなりました。アンドッキングはアイルランドの真西、北大西洋の244マイル(約393km)上空を通過中の4月17日午後1時31分(同4月18日午前3時31分)を予定しています。アトランティス号は4月19日午後(同4月20日午前)にケネディ宇宙センターに着陸する予定です。
アトランティス号のクルーは4月16日午後7時14分(同4月17日午前9時14分)に就寝し、ISSのクルーはその30分後に就寝する予定です。アトランティス号のクルーは4月17日午前3時14分(同4月17日午後5時14分)に起床してアンドッキングの準備に取りかかり、ISSのクルーはその1時間後に起床する予定です。
この次のステータスレポートは4月17日午前(同4月17日午後)のアトランティス号のクルー起床後、あるいは何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts110/STS-110-17.html
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