飛行8日目(2)
STS-110NASAステータスレポート#15
ミッション・コントロール・センター
2002年 4月 15日(月)午後 6時30分(米国中部夏時間)
2002年 4月 16日(火)午前 8時30分(日本時間)
本日は、国際宇宙ステーション(ISS)に新たに取り付けられたトラス構造体のレールに沿って、宇宙初の台車がゆっくりと移動しました。これにより、将来この台車にISSのロボットアームを搭載してISSの端から端まで移動するという用途への道が拓かれました。
第4次長期滞在クルーのフライト・エンジニアのカール・ウォルツがラップトップコンピュータから「モービル・トランスポータ」(MT:ISSロボットアームの台車)に対し、S0(エスゼロ)トラスの進行方向側の面の打上げ時に固定されていた位置から移動を開始するコマンドを送信しました。米国中部夏時間4月15日午前7時22分(日本時間4月15日午後9時22分)に、MTは全長44フィート(13.4m)のレール上を、17フィート(5.2m)離れた最初の作業場所に向かってゆっくりと移動を開始しました。
この距離を移動するのには30分程度しかかかりませんでしたが、MTに搭載されているコンピュータのソフトウェアの判定規準が厳密であるため目的の作業場所に自動的に固定することができず、地上のコントローラが手順に従ってコマンドを送信してMTを固定しました。
微小重力下でMTがレールから僅かに浮き上がり、この現象が作業場所とMTとの位置関係を検出する磁気センサに影響を与えたのが原因であろうと技術者たちは考えています。トラスに取り付けられた位置検出用の磁気片をセンサが検出できなかったために、MTを自動的に固定することができなかったということです。しかし、MTを固定する手動コマンドは有効であり、システムは良好に作動していると言えます。
MTのソフトウェアはおよそ20個のモーターを制御して、MTが別の場所に移動し、トラス上で固定し、電源に接続するように指示します。MTが「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)を取り付けるしっかりとした土台となるためには、約3トンの力で固定する必要があります。6月に予定しているスペースシャトルによるこの次のISS組立フライトでは、「モービル・ベース・システム」(MBS)と呼ばれる台座がMTの上に取り付けられ、その上にカナダアーム2が取り付けられて、将来はサッカー競技場と同じ長さを移動して、ISSの構成要素を取り付けていく作業に使用されることになります。
本日はさらに、MTは2つ目の作業場所へと移動し、ここでもMTを固定する手動コマンドが必要になりました。ここから最初の作業場所へとゆっくり戻り、午後5時40分(同4月16日午前7時40分)に所定の位置に手動で最終的に固定され、この次のSTS-111ミッションでMBSが到着するのを待つことになりました。MTは毎秒1インチ(約2.54cm)のゆっくりとした速さで、作業場所間を合計72フィート(約21.9m)にわたり移動したことになります。
技術者たちは、ソフトウェアを若干変更すればMTが任意の作業場所に自動的に固定出来るようになるものと考えています。本日の初試験の間、MTのその他のシステムは完全に作動していました。
アトランティス号コマンダーのマイケル・ブルームフィールド、パイロットのスティーブ・フリック、ミッションスペシャリスト(MS:搭乗運用技術者)のエレン・オチョア、レックス・ウォルハイム、リー・モーリン、ジェリー・ロス、そしてスティーブン・スミス、それに第4次長期滞在クルーコマンダーのユーリー・オヌフリエンコ、フライト・エンジニアのウォルツとダニエル・バーシュはMTの試験の模様をモニタしたり、引き続きアトランティス号からISSへ機材や補給品を搬入したりしました。
さらに、船外活動用に約100ポンド(約45kg)の酸素と30ポンド(約13.5kg)窒素がアトランティス号から「クエスト」(ISSのエアロック)上の高圧タンクに移送されました。
このフライトの4回目で最後となる船外活動は、ロスとモーリンが4月16日午前9時30分(同4月16日午後11時30分)頃に開始する予定です。この船外活動は6時間半を予定していますが、開始早々にロスとモーリンは、長さ14フィート(約4.3m)のエアロック・スパーをS0トラスから旋回させて外し「クエスト」(ISSのエアロック)に取り付け、将来の船外活動実施者が移動する際の近道となるようにします。続いて、「ユニティ」(与圧結合モジュール1)にライトを取り付け、将来トラスを結合する際に接続状況を確認するためにS0トラスの両側面についているマイクロスイッチをテストし、緊急時にMTのケーブルを切断する装置上のボルトが外せない原因を調査し、S0トラス上の4個のGPSアンテナの1つにかぶさっている断熱カバーを引き下げるなどの作業をおこないます。
アトランティス号とISSの10人の宇宙飛行士たちは、4月15日午後7時44分(同4月16日午前9時44分)頃に就寝し午前4時(同4月16日午後6時)前に起床して船外活動の準備をする予定です。
この次のステータスレポートは4月16日午前(同4月16日午後)のクルー起床後、または何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts110/STS-110-15.html
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