飛行4日目(2)
STS-110NASAステータスレポート#7
ミッション・コントロール・センター
2002年 4月11日（木）午後 6時（米国中部夏時間）
2002年 4月12日（木）午前 8時（日本時間）
国際宇宙ステーション（ISS）は、本日、13.5トンのS0（エスゼロ）トラスを軌道上に取り付けることで、また一つ拡大しました。米国中部夏時間4月11日午前5時30分（日本時間4月11日午後7時30分）に、第4次長期滞在クルーフライト・エンジニアのダニエル・バーシュに支援されて、アトランティス号のミッションスペシャリスト（MS:搭乗運用技術者）のエレン･オチョアがS0トラスをシャトルのペイロードベイ(貨物室)から｢カナダアーム2｣（ISSのロボットアーム）を用いてそっと持ち上げ、ISSの｢デスティニー｣(米国実験棟)上の把持機構(LCA：デスティニーへの一時的取付け機構)まで移動させました。この精密な作業は4時間以内に完了しました。
S0トラス取り付けの間、アトランティス号コマンダーのマイケル･ブルームフィールドとパイロットのスティーブ･フリックはシャトルのロボットアームを操作して、デスティニー内のロボットアーム操作卓で作業しているオチョアとバーシュにカメラの映像を提供しました。S0トラスは、将来的にサッカー競技場と同程度の長さになるISSの屋台骨の役割を果たすことになり、ISSに新たな実験棟を追加するのに必要な航法装置、コンピュータ、冷却機能、電力といった、要素を備えています。
デスティニー上にS0トラスが一時的に把持された数分後の4月11日午前9時36分(同4月11日23時36分)に、MSのレックス・ウォルハイムとスティーブ･スミスは、ISSの｢クエスト｣(エアロック)を離れ、4回ある内の第1回目の船外活動、S0トラスをISSに電気的かつ構造的に取り付ける任務を開始しました。
スミスとウォルハイムはS0トラス上に4基ある支柱状の構造物のうち2基を展開して、デスティニーにしっかりと取り付けた後、アビオニクストレイを展開しました。アビオニクストレイには電力、データ通信、流体のラインなどが搭載されています。また、S0トラスの進行方向の面に設置されているモービルトランスポータ(MT：ISSロボットアームの台車)へのS0トラスからのアンビリカルシステムを取り付けました。宇宙初のレール上を移動する台車であるMTは、このアンビリカルシステムによりISS上を端から端まで移動して、カナダアーム2を今後のISS組立における作業現場に運ぶことができるようになります。残る2基のS0トラス上の支柱状の構造物は、4月13日（同4月14日）に、第2回目の船外活動においてデスティニーに取り付けられ、S0トラスを恒久的にデスティニーに固定する予定です。
不可欠な電力配線を慎重につなぐという、本日の作業をウォルハイムはカナダアーム2の先端に乗って行いました。ISSの組み立て作業で今回初めてカナダアーム2が、宇宙飛行士を移動させる手段として使用されました。スミスは、ISS及びS0トラスの周囲のさまざまな作業場所をたどりながら、作業を行いました。アトランティス号クルーのジェリー・ロスとISSフライトエンジニアのカール・ウォルツは、シャトルの後部フライトデッキにおいて、交代で船外活動の指揮を執りました。
2つの作業を残して、すべての作業が無事に完了し、スミスとウォルハイムはクエストに戻り、4月11日5時24分（同4月12日朝7時24分）に7時間48分にわたる船外活動を終了しました。この船外活動は、ISS組み立てにおいては35回目、ISSからの実施としては10回目です。スミスとウォルハイムが作業を終えると共に、フライトコントローラは、S0トラスの起動が開始されたこと及びすべての初期システムが良好な状態であることを報告しました。
時間切れで、スミスとウォルハイムは2個のブレーカをS0トラスに取り付けられませんでしたが、この作業は以降の船外活動において実施される予定です。
長い一日を終えて、シャトルとISSのクルーは4月11日午後7時44分（同4月12日午前9時44分）に8時間の睡眠時間に入り、4月12日午前4時（同4月12日午後6時）少し前に起床する予定です。
この次のステータスレポートは4月12日の午前（同4月12日の夜）、あるいは何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典： http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts110/STS-110-07.html
フォトライブラリ
ビデオライブラリ
| 
