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ペイロード

 STS-104(7A)では国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)に、ジョイント・エアロック(愛称クエスト)、SLDP*に搭載した高圧ガスタンクを運びます。また、貨物室にIMAX-3Dペイロードベイカメラを搭載していき、高解像度のカラー3D画像(立体映像)の撮影を行います。
*スペースラブ・ロジスティクス・ダブル・パレット(SLDP:Spacelab Logistics Double Pallet)。SLP(Spacelab Logistics Pallet)を2つ接続したもので、打上げ時の積み荷固定用の荷台。



STS-104(7A)貨物室の搭載状況

ペイロードベイ(貨物室)に搭載されたエアロックとSLDPに搭載された高圧ガスタンク


ジョイント・エアロック
 ジョイント・エアロック(愛称クエスト)は、与圧された2つの円筒形の容器(チャンバー)から構成されてます。このエアロックはISSでの船外活動の際の、出入り口となります。船外活動用のエアロックは宇宙服の保管・装着、バッテリの充電、水や酸素の補給に必要な設備を備えています。今回取り付けるジョイント・エアロックは、米国の船外活動宇宙服(EMU)に加え、ロシアのオーラン(Orlan:ロシア語で「わし」を意味する)宇宙服の使用にも対応できるもので、長さが約5.5m、最大直径が約4m、重量は約6,064kgあります。
 このジョイント・エアロック内は、ロシア製の減圧ポンプと手動均圧弁、与圧調整装置があり、エアロック内を加圧/減圧することができます。スペースシャトルのエアロックでは、船外に出るときにエアロック内の空気を全て宇宙空間に放出していますが、ISSに取り付けるジョイント・エアロックは内部の空気の90%を回収することができます。





 ジョイント・エアロックは、装備ロック(Equipment Lock)とクルーロック(Crew Lock)の、2つのチャンバーから構成されています。



  • 装備ロック(Equipment Lock)
     装備ロックは、共通結合機構(CBM)で、ユニティの右舷CBMに取り付けられます。内部には2つのシステムラックと収納スペースがあります。

    装備ロック(Equipment Lock)の外観


     装備ロック内では、宇宙服の脱着や整備が行われるほか、EVA前夜に10.2psia(2/3気圧)に減圧した状態でここに泊り込み、体を慣らすプレブリージングが行われます。
     また、収納スペースには、EVA工具やバッテリ等を保管することができます。



  • クルーロック(Crew Lock)
     クルーロックには、装備ロックとの結合部に1つ(IVAハッチ)、および船外との出入り口に1つ(EVAハッチ)の、合計2つのハッチがあり、これらのハッチにより各部屋の圧力を維持することができます。このクルーロックは主に、船外活動中にクルーや装置類を、船内と船外間でやり取りするために使用されます。このクルーロックを減圧/加圧し、2名の宇宙服を着たクルーが船外へ出たり、船内へ戻ったりすることができるようになっています。


    クルーロック(Crew Lock)の外観

エアロックの外観
( 絵をクリックするとムービーを再生します。


高圧ガスタンク(HPGT:High Pressure Gas Tank)

ジョイント・エアロックと高圧ガスタンク
 高圧ガスタンク(HPGT:High Pressure Gas Tank)は、2つの酸素タンクと、2つの窒素タンクから構成されており、7Aフライトでエアロック(装備ロック)外壁に取りつけられます。これらのタンクは、ISS内の空気制御・供給装置へガスを供給するほか、宇宙服の酸素タンクに圧力900psia(約61気圧)の酸素を充填することができます。

 これらのHPGTは、軌道上交換ユニット(ORU:Orbital Replacement Unit)として設計されており、軌道上で交換することができます。タンク内のガスは、軌道上で再充填することができます。低圧の酸素および窒素を充填する場合は、ISSにドッキングしているスペースシャトルから、与圧部内の配管を通して充填します。高圧の酸素を充填する場合は、エアロック内に設置された酸素充填コンプレッサ(ORCA:Oxygen Recharge Compressor Assembly)で加圧して充填します。
 各タンクは、直径約0.9mの球形で内容積は約0.43立方メートル、その外側にかまぼこ形のデブリ防護用のシールドが取り付けられています。1基あたりの重量は約545kgあります。酸素タンクは最大3000psia(約204気圧)、また窒素タンクは最大3400psia(約231気圧)の圧力に耐えることができます。通常では、酸素と窒素それぞれ2基ずつあるタンクのうち、1基は高圧用、もう1基は低圧用として使用されます。


SLDP上に搭載された高圧ガスタンク
 これら4基のHPGTは、スペースシャトルの貨物室に設置された、スペースラブ・ロジスティクス・ダブル・パレット(SLDP:Spacelab Logistics Double Pallet)上に搭載して、軌道上へ運搬されます。
 SLP(Spacelab Logistics Pallet)は、スペースシャトルの貨物室に機器を搭載するときに使用される、U字型の輸送台です。スペースラブミッションで使われた他、毛利宇宙飛行士の搭乗したSTS-99の地表観測用レーダーシステム(SRTM:Shuttle Radar Topography Mission)を搭載したり、若田宇宙飛行士の搭乗したSTS-92で与圧結合アダプタ(PMA-3)をISSに運搬する時などに使われました。本フライトで使用されるSLDPは、このSLPを2つ連結して使用するものです。

 各HPGTには、ロボットアームで移動できるようにグラプルフィクスチャ(把持部)が取り付けられていますが、HPGTは船外活動クルーの操作で取付け/取外しを行なう機構となっているため、交換の際は船外活動が必要です。


高圧ガスタンク(デブリシールドを取り外した状態)

デブリ防護用のシールドが取り付けられたもの


最終更新日:2001年 7月5日

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