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シャトル・ISSフライト情報

国際宇宙ステーションへのソユーズ宇宙船交換/クルー交代ミッション(6S)


フォトライブラリ
6S概要
6S前後のISSの形状
打上げ/回収計画
クルー
ソユーズ宇宙船
帰還した第6次長期滞在クルー
帰還した第6次長期滞在クルー

ロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)と米国航空宇宙局(NASA)によれば、2002年11月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた第6次長期滞在クルー3名が、ISSにドッキングしていたソユーズ宇宙船(5S)にて、日本時間5月4日午前11時7分に、カザフスタン共和国に無事着陸しました。

着陸から約2時間半後、カプセルは予定の着陸地点から約460km離れた地点で発見され、カプセルから姿を現した3人の宇宙飛行士たちの健康状態は非常に良好でした。
なお、米国人宇宙飛行士がソユーズ宇宙船によって帰還したのは今回が初めてでした。

ソユーズ宇宙船の分離から着陸までの模式図
分離コマンド 「ピアース」(ロシアのドッキング室)から分離 ISSからの分離噴射 軌道離脱噴射
(ISSからの)分離:0分後 分離:3分後 分離:6分後 分離:2時間29分後
着陸:3時間23分前 着陸:3時間20分前 着陸:3時間17分前 着陸:54分前
分離コマンド 「ピアース」(ロシアのドッキング室)から分離 ISSからの分離噴射 軌道離脱噴射
モジュールの分離 大気圏再突入 パラシュート開傘コマンド
drogue chute開傘 drogue chute開傘 メインパラシュート開傘
分離:2時間57分後 分離:3時間後 分離:3時間8分後 分離:3時間11分後
着陸:26分前 着陸:23分前 着陸:15分前

着陸:12分前

モジュールの分離 大気圏再突入 パラシュート開傘コマンド
drogue chute開傘
メインパラシュート開傘
垂直下降 軟着陸エンジン噴射 着陸
分離:3時間20分後   分離:3時間23分後
着陸:3分前 着陸:2秒前 軌道離脱噴射から54分後
垂直下降 軟着陸エンジン噴射 着陸

フォトライブラリ
着陸したソユーズ 帰還した第6次長期滞在クルー 帰還した第6次長期滞在クルー 帰還した第6次長期滞在クルー
着陸したソユーズ
帰還した第6次長期滞在クルー
分離の様子(ソユーズTMA-1宇宙船搭載のカメラ映像) 分離の様子(ソユーズTMA-1宇宙船搭載のカメラ映像) 分離の様子(ソユーズTMA-1宇宙船搭載のカメラ映像)
分離の様子(ソユーズTMA-1宇宙船搭載のカメラ映像)
ABCテレビとNBCテレビの取材を受ける第6次、第7次長期滞在クルー
ABCテレビとNBCテレビの取材を受ける第6次、第7次長期滞在クルー
ISSとドッキングしたソユーズ宇宙船 ドッキング時のロシアのミッションコントロールセンター
ISSとドッキングしたソユーズ宇宙船
ドッキング時のロシアのミッションコントロールセンター
ソユーズの打上げ 打上げ直前のソユーズロケット
ソユーズロケットの打上げ
打上げ直前のソユーズロケット



6S概要
打上げ準備中のソユーズTMA-2(6S)宇宙船
打上げ準備中のソユーズTMA-2(6S)宇宙船

6Sフライトは、ロシアのソユーズTMA-2宇宙船を打上げて、国際宇宙ステーション(ISS)の「ザーリャ」(基本機能モジュール)下部にドッキングし、ISSに新しいソユーズ宇宙船を届けると共に、コロンビア号事故のため飛行が延期されているスペースシャトルの代わりとして滞在クルーの交代を行うミッションです。
ISSへ打上げられるソユーズ宇宙船の打上げとしては6回目、ソユーズ宇宙船の交換フライトとしては5回目となります。
ISSには、滞在クルーの緊急帰還船として、ソユーズ宇宙船を常時ドッキングさせておく必要がありますが、ソユーズ宇宙船の軌道上運用寿命は、200日間であるため、半年毎に新しいソユーズ宇宙船と交換する必要があります。

ソユーズTMA-2宇宙船で打ち上げられた2名の宇宙飛行士(第7次長期滞在クルー)は、2日後にISSにドッキングします。そしてISSに滞在していた3名の第6次長期滞在クルーは古いソユーズTMA-1宇宙船(5S)に乗り地球に帰還します。ソユーズTMA-2宇宙船はISSに185日間滞在する予定です。

ソユーズ宇宙船によるISS滞在クルーの交代は初めてのことです。

6S飛行計画(2003年5月4日現在)
打上げ日時
2003年 4月26日午前 9時54分 (バイコヌール夏時間)
  4月26日午前 7時54分 (モスクワ夏時間)
  4月25日午後10時54分 (米国中部夏時間)
  4月26日午後 0時54分 (日本時間)
射 場 カザフスタン共和国 バイコヌール宇宙基地
使用ロケット ソユーズ-FGロケット 5号機
搭乗人数 2名(打上げ時)
ドッキング日時
(ソユーズTMA-2)
2003年 4月28日午前 9時56分 (モスクワ夏時間)
  4月28日午前 0時56分 (米国中部夏時間)
  4月28日午後 2時56分 (日本時間)
ISS分離日時
(ソユーズTMA-1)
2003年 5月 4日午前 2時43分 (モスクワ夏時間)
  5月 3日午後 5時43分 (米国中部夏時間)
  5月 4日午前 7時43分 (日本時間)
帰還日時
2003年 5月 4日午前 6時 7分 (モスクワ夏時間)
  5月 3日午後 9時 7分 (米国中部夏時間)
  5月 4日午前11時 7分 (日本時間)



6S前後のISSの形状

6Sミッション後ISSは以下のようになります。
なお、ソユーズ宇宙船用シートライナー(座席シート)は各クルー専用に成形されているため、軌道上で第6次長期滞在クルーと第7次長期滞在クルーのシートライナーを置き換えます。

6Sフライト後(5S帰還前)
6Sフライト後(5S帰還前)
ソユーズTMA-2宇宙船(6S)が米国時間4月28日に、ザーリャのドッキングポートへドッキングします
6Sフライト後(5S帰還後)
6Sフライト後(5S帰還後)
第6次滞在クルーは「ピアース」(ロシアのドッキング室)のドッキングポートに結合している5SのソユーズTMA-1宇宙船に乗り換えて米国時間5月4日にISSから分離します



打上げ/回収計画
6Sでの打上げ物資

6Sでは155kgの補給品をISSに運びます。この中には62kgのロシアの食料、米国の最低限必要な物資約55kg(CHeCS(Crew Health Care System: クルーの健康維持器具:トレッドミル(TVIS)の予備部品、筋力トレーニング装置(IRED)の予備部品)、二酸化炭素除去装置(CDRA)エアセレクタバルブ2台とフィルタ、コンピュータのディスク、宇宙服のEVAグローブ、バッテリ、米国の食料セット4個など)とロシアの荷物が含まれています。
ロシアは環境制御・生命維持系や医学機器、衣服、手順書(ODF)、カメラ器材、消耗品など28品目(9個の科学実験機器を含む)を運びます。

ロシアが運ぶ科学実験機器は以下の通りです。

  • スターメール(日本のIHIエアロスペース社が委託)
  • Intercellular Interaction(無重量環境下での細胞の特性と細胞間の活動の研究)
  • MCK(Mesenchymal Stem Cells)(骨髄の間葉幹細胞の振る舞い)
  • Konyugatsiya(バクテリア接合法を使用した遺伝子導入法のテスト)
  • Gematologia(血液細胞の特性の調査)
  • Flyuorrestsentsiya
  • その他継続される実験機器の一部(Uragan、Diatomeya、Relaksatsiya)


5Sでの回収物資

5Sでは約13kgの機器や物資をISSから回収します。うち米国分は4kgであり、非常に少ないため、内部のTVカメラ/照明装置2台を外し、その分、実験試料などを回収することにしました。



クルー

6Sフライトでは、以下の2名がソユーズ宇宙船に搭乗しISSへ向かい、ISSに滞在していた3名の第6次長期滞在クル-が帰還します。

第7次長期滞在クルー
ユーリ・マレンチェンコ

ISSコマンダー
ユーリ・マレンチェンコ(Yuri Ivanovich Malenchenko)

1961年12月22日 ウクライナ生まれ。
ロシア空軍大佐。ロシアテスト宇宙飛行士。1987年から1989年にかけて宇宙飛行全般の訓練を受ける。
1994年7月1日~11月4日までミールに126日間滞在(この間、プログレスM-24のドッキング失敗、クバントモジュールへの軽い衝突などの緊急事態も経験済み)。STS-106(2A.2b、2000年9月)でも飛行。3度のEVA経験有り(STS-106でもEVAを実施)。
宇宙滞在日数は合計137日間にのぼる。今回が3回目の宇宙飛行となる。

エドワード・ルー

エドワード・ルー(Edward Tsang Lu)

1963年7月1日 マサチューセッツ州生まれ。
応用物理学博士。 1994年12月にNASA宇宙飛行士として選抜され、1年後に宇宙飛行士として認定された。STS-84(1997年5月)でミッションスペシャリスト、STS-106(2A.2b:2000年9月)でミッションスペシャリスト、ペイロード・コマンダーとして飛行。宇宙滞在時間は合計504時間。STS-106ではEVAを担当し、ズヴェズダとISS間の配線接続等を行った。
今回が3回目の宇宙飛行となる。



第6次長期滞在クルー(帰還)
ケネス・バウアーソックス

ISSコマンダー
ケネス・バウアーソックス(Kenneth D. Bowersox)

1956年11月14日 バージニア州生まれ。
米海軍大佐、機械工学修士。
1987年に宇宙飛行士候補に選抜され、1年後に宇宙飛行士となる。STS-50 (1992年6~7月)とSTS-61(1993年12月)でパイロットとして飛行。STS-73(1995年10~11月)とSTS-82(1997年2月)でコマンダーとして飛行。
滞在中にEVAを2回実施した。

ニコライ・ブダーリン

フライトエンジニア1
ニコライ・ブダーリン(Nikolai Mikhailovich Budarin)

1953年4月29日 ロシア生まれ。
RSCエネルギア社の技術者を経て、1989年に宇宙飛行士候補となる。1989~1991年にかけて基礎訓練を受けた後、国家試験に合格。テスト宇宙飛行士にも認定される。1995年6月27日から9月11日まで第19次滞在クルーとしてミールに滞在。1998年1月28日から8月25日まで第25次滞在クルーとしてミールに滞在した。

ドナルド・ペティット

フライトエンジニア2
ドナルド・ペティット(Donald Pettit)

1955年4月20日 オレゴン州生まれ。化学技術博士、ロスアラモス国立研究所在職時に化学・物理学分野の宇宙実験等に関与。
1996年から約2年間の訓練を経て宇宙飛行士となる。第6次長期滞在クルーのバックアップクルーとして訓練を受けていた。
STS-113は、初めての宇宙飛行であった。ISSサイエンスオフィサーに任命された。滞在中にEVAを2回実施した。

STS-113(11A)で打ち上げられた第6次長期滞在クルーは、約5ヶ月間ISSに滞在し、合計2回のEVAを行いました。
コロンビア号事故の影響により、予定していたSTS-114での帰還からソユーズ宇宙船による帰還に変更されました。
なお、ソユーズ宇宙船で宇宙から米国人が帰還するのは民間人のチトー氏を除いて今回が初めてです。




ソユーズ宇宙船

6Sフライトでは、ソユーズTMAの2号機が飛行します。
ソユーズTMA宇宙船は、米国の宇宙飛行士も利用できるようにクルーの身長制限、体重制限などを緩和(より大柄な飛行士や小柄な宇宙飛行士に対応)するため1999年後半から改造に着手した新しい宇宙船であり、アメリカの予算を使用して改造が行われ、2002年10月の5Sフライトで初飛行しました。
ソユーズTMA宇宙船は内部が改造されたのみであり、外観はソユーズTMと同じです。
ソユーズTMAは、以下のように改良されています。

  • 身長体重制限の緩和
      ソユーズTM 身長164cm~182cm以内、体重56~85kg
      ソユーズTMA 身長150cm~190cm以内、体重50~90kg
  • クルーの座席構造の変更、衝撃吸収ダンパーの改造
  • 着陸時の重量制限を変更するため、ソフトランディング・システム(着地数秒前に噴射する衝撃緩和用固体ロケットモータ)の改造
  • カプセルをより正確な場所に着地させるなど、運用性を向上させるため、オンボードコンピュータやソフトウエアのアップグレード
ソユーズTMA宇宙船
ソユーズTMA宇宙船
最終更新日:2003年5月9日

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