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飛行10日目(2)
米国中部夏時間4月28日午後4時2分(日本時間4月29日午前6時2分)、第2次長期滞在クルーのスーザン・ヘルムズが操作する国際宇宙ステーション(ISS)のカナダ製のロボットアームが、自分自身を運んできた輸送用パレットを、カナダ宇宙庁の宇宙飛行士クリス・ハドフィールドが操作するエンデバー号のロボットアームに引き渡しました。カナダ式の「宇宙での握手」です。ISSのロボットアームからスペースシャトルのロボットアームへの引き渡しは、宇宙空間でのロボット間の引き渡しとしては史上初めてのものです。 輸送用パレットの引き渡しはこの飛行で予定していた主要な目的で、最後まで残っていましたがうまくいきました。あとは、ISSのコンピュータを今夜のうちに安定した状態にもっていくことができれば、エンデバー号は日曜日にISSから分離することができます。ミッションマネージャーはエンデバー号を分離する前に済ませるべき3つの条件を設定していました。輸送用パレットをスペースシャトルの貨物室に収容すること、物資搬入出の作業を完了すること、ISSのコマンド・コントロール・コンピュータを安定した状態に設定することの3点です。 輸送用パレットがエンデバー号の貨物室に収容され物資の搬入も完了したので、最後に残っているのはエンデバー号がISSから離れるまでにコンピュータシステムが安定していることを確認することだけです。今夜フライト・コントローラは夜通しで、2台のコンピュータを完全な状態に戻すために準備したコマンドをISSに送信する予定です。コマンド・コントロール・コンピュータ3は、ハードディスクは壊れていますが、使用可能な状態です。ヘルムズとジム・ヴォスが後日このコンピュータの修理作業をおこなう予定です。 エンデバー号をISSから分離するか、交換用のソユーズのドッキングを遅らせるかは今夜遅く(同日曜日の午前)又は日曜日の早朝(日曜日の午後)に最終的に決定する予定です。 ハードディスクにアクセスできないという問題を生じていたISSの主コマンド・コントロール・コンピュータへの入力を最少にするための手順を改善する作業を、本日午前中の大半を費やしておこないました。午後1時27分(同4月29日午前3時27分)にISSのフライト・ダイレクタのマーク・フェリング氏は第2次長期滞在クルーに対し、ロボットアームの操作を開始してもよい旨伝えました。ヘルムズがロボットアーム操作卓に着き、ISSのロボットアームの操作を開始したのは午後3時1分(同4月29日午前5時1分)です。巧妙に準備された一連のコマンドにより、ロボットアームは手渡しの位置まで移動しました。そこでハドフィールドがエンデバー号の50フィート(約15m)のロボットアームをゆっくりと移動させて、午後4時2分(同4月29日午前6時2分)に輸送用パレットを把持させました。輸送用パレットの引渡しはブリティッシュコロンビアの上空で、完了しました。 それから2本のロボットアームはお互いに遠ざかっていきました。ISSのロボットアームは予定ではジム・ヴォスが操作することになっています。ハドフィールドは午後4時51分(同4月29日午前6時51分)に輸送用パレットをエンデバー号の貨物室に収容しました。 本日早くに、ヴォスはフライト・コントローラに、エンデバー号のクルーがTVISと呼ばれているISSのトレッドミルを、新しい部品を使って修理するのを手伝ってくれたので、これを使ってまた運動ができるようになったと伝えました。トレッドミルの歩行面は傷んでおり、クルーは修理ができるまでは使わないようにと言われていました。ヴォスによれば、修理は50%終わっているそうです。 両クルーは一緒に食事を摂ってから午後7時(同4月29日午前9時)過ぎに就寝し、いつもより1時間ほど長く寝て、午前4時(同4月29日午後6時)前に起床する予定です。 明日のスケジュールは立て込んでいるので、4月29日(日)午前6時15分(同4月29日午後8時15分)に予定していた軌道上記者会見は中止されました。 もし明日分離することになれば、クルーは午前9時30分(同4月29日午後11時30分)に互いに別れを告げ、両宇宙船間のハッチを閉鎖する作業にかかります。アンドックは午後12時34分(同4月30日午前2時34分)の予定です。そしてパイロットのジェフリー・アッシュビーはエンデバー号をゆっくりと450フィートまで後退させ、それからISSの周りを4分の3周するフライアラウンドを開始します。それが終了すると、エンデバー号のジェットを最後に噴射してISSから離れていきます。そして、5月1日午前8時4分(同5月1日午後10時4分)にケネディ宇宙センターに着陸して飛行を完了する予定です。 次のステータスレポートは日曜日のクルー起床後に発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts100/STS-100-20.html
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