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飛行5日目(2)
エンデバー号の宇宙飛行士とISSの第2次長期滞在クルーが一日中働いた結果、国際宇宙ステーション(ISS)はロボット技術を活用して独立して活動できる状態に1歩近づき、2ヶ国により製作された2つの構成要素がISSに取り付けられて彩りを添えています。 カナダの製作した長さ57フィート(約17.6m)のロボットアーム「カナダアーム2」は今朝、デスティニーに取り付けられた輸送用のキャリア(パレット)から第1歩を踏みだし(walking off)、デスティニー上の台座(PDGF:Power and Data Grapple Fixture)を把持しました。このPDGFを経由してISS側から制御信号、電力を、多様な機能を持つカナダアーム2に供給し、テレメトリデータを受信することができます。 米国中部夏時間4月23日午前6時13分(日本時間4月23日午後8時13分)に、第2次長期滞在クルーのスーザン・ヘルムズがデスティニー内のワークステーションからコマンドを送信すると、ロボットアームはパレットから1歩を踏み出しました。その3時間後、全ての関節の機能の点検が終了してからロボットアームはデスティニー上の把持ポイント(台座)をつかみました。その状態で一晩過ごし、火曜日には初めて荷物(打上げ時に自らが固定されていたパレット)を反対側の腕でつかむ予定です。 カナダアーム2関連の本日の作業が終了してから、ミッションスペシャリスト(MS:搭乗運用技術者)のスコット・パラジンスキーは、カナダアームより少し小さいエンデバー号のロボットアームで、エンデバー号の貨物室内のイタリアが製作したラファエロ補給モジュールをつかみました。ラファエロは貨物室から持ち上げられ、午前11時(同4月24日午前1時)にISSのユニティのドッキングポートに取り付けられました。これにより、第2次長期滞在クルーのコマンダーのユーリー・ウサチェフとフライト・エンジニアのジム・ヴォスとスーザン・ヘルムズが、明日ラファエロ内の3トンにおよぶ補給品の荷下ろしを始めることができるようになりました。パラジンスキーはこの移動作業をヨーロッパ宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士ウンベルト・ギドーニに手伝ってもらいました。ウンベルト・ギドーニはISSのクルーがラファエロから荷下ろししたり、今週後半に不要品をラファエロに積み込むのを支援する作業をとりまとめる予定です。 パラジンスキーとカナダ宇宙庁の宇宙飛行士クリス・ハドフィールドは、工具や宇宙服の点検をして明日の第2回目の船外活動の準備をしました。2人は4月24日(火)午前8時(同4月24日午後10時)頃にエアロックを出て、6時間半の船外活動を開始する予定です。この船外活動では取り付けたばかりのカナダアーム2の基部の配線を接続し直してデスティニーから操縦できるようにしたり、不要となった通信アンテナをユニティから取り外す、あるいは予備の電力変換装置をデスティニーの船外保管プラットフォームに保管したりする予定です。 本日早く、午前4時25分(同4月23日午後6時25分)にエンデバー号とISS間のハッチが開くと、コマンダーのケント・ロミンガー、パイロットのジェフリー・アッシュビー、MSのジョン・フィリップス、ロシアのユーリー・ロンチャコフが先になってISSに入り、10人のメンバーが、この飛行で初めて一緒になって互いに挨拶を交わしました。共同で10時間の作業をし、午後2時26分(同4月24日午前4時26分)にハッチを再び閉鎖するまでに、エンデバー号で輸送した補給品が1日間がかりでISSに搬入されました。ハッチが閉鎖されると、明日の船外活動の準備としてエンデバー号の船室の気圧が減圧されました。 この日の終わり頃、ロミンガーとアッシュビーはエンデバー号のジェットを1時間ほど噴射して、ISSの軌道高度を237.8マイル(約383km)から240.3マイル(約387km)まで約2.5マイル(約4km)上昇させました。水曜日と木曜日にあと2回のリブーストが予定されています。リブーストを実施することにより、ロシアの新しい帰還用のソユーズ宇宙船が来週到着するときに、ISSがちょうど良い高度になっているようにしておきます。 ISSとエンデバー号のクルーは午後6時30分(同4月24日午前8時30分)に就寝し、火曜日の早朝起床する予定です。両宇宙船の状態は良好で92分で地球を周回しています。 この次のステータスレポートは明朝クルーの起床後に発行する予定です。
出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts100/STS-100-09.html
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