このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 
ミッション内容


6Aフライト終了時のISSのイメージ


ISSのロボットアーム

ロボットアームの取り付け
  STS-100ミッション(6Aフライト)はカナダの製作した、国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)用のロボットアーム(SSRMS:Space Station Remote Manipulator System))をISSに取り付けることが大きな特徴といえます。SSRMSは、スペースシャトルのロボットアームよりも優れた機能を備え、将来はISSのトラスに沿ってレールの上を移動しながら作業をしたり、腕の先端にさらに2つの手を備えた小さな腕を取り付けて、細かな作業をさせることもできます。SSRMSは「カナダアーム2」とも呼ばれています。今後のISSの組立作業には不可欠な装備です。


UHFアンテナの取り付け
 またこのミッションではUHFアンテナをデスティニーの外部に取り付け、ISSと宇宙機との無線通信ができるようにします。前回の5A.1フライトまではISSと宇宙機との無線通信は、地上の追跡施設を経由するかISSと結合中のスペースシャトルの有線ケーブルを経由しておこなってきました。スペースシャトルが滞在していない期間でもISSで船外活動をおこなうためにはUHF通信設備が必要です。このミッションでアンテナを取り付けると、UHF通信設備が使用可能となります。 


ラファエロによる物資の補給
 イタリアは多目的補給モジュールを3機製作しました。前回の5A.1フライトでは1号機のレオナルドを使用したのに続き、今回の6Aフライトでは2号機のラファエロを搭載し、実験装置や補給品をISSに届ける予定です。このフライトでは2台の実験装置のラックEXPRESSラック-1とEXPRESSラック-2と、他に機器や補給品を搭載した8台のラックがデスティニーに搬入されます。補給品には各種部品のスペア、第2次長期滞在クルーの2ヶ月分の食料、消耗品、衣服などが含まれています。

*ラック:デスティニーや日本の船内実験室、ESAのコロンバス棟は内部の機器が故障したり、また実験装置などを新しいものと入れ替える場合に軌道上で容易に交換できるように、装置類を収納する電話ボックス大の箱(ラック)がISSの共通規格として用意されています。これにより、クルーの訓練なども行いやすくなっています。


その他
 この6Aフライトの期間中にISSの軌道を上昇させる軌道制御(リブースト)をおこないます。ISSは軌道上にわずかに存在する空気の抵抗により少しずつ軌道高度が低くなりますので、定期的に軌道を上昇させなければなりません。スペースシャトルが結合している間にスペースシャトルの燃料を使ってこの制御を実施するのはISSに搭載している燃料を節約するためです。
 またこのミッションはクルーの国籍が多彩であることも特筆されます。7人のクルーは米国、カナダ、ESA(イタリア)、ロシアの4ヶ国の宇宙飛行士から構成されています。


STS-100前後のISSの構成の変化
 4月の中旬まではISSにはプログレス補給船(3P)と、第1次長期滞在クルーを軌道上に運んだソユーズ宇宙船(1S)が結合しています。この6Aフライトの前、フライト中、フライト後にISSの構成は次のように変化します。


6A前後のISS構成の変化
(絵をクリックすると、ムービーを再生します。)
  • ズヴェズダの後部に結合しているプログレス補給船(3P)を切り離します。(4月16日に完了)

  • ザーリャの下部(地球側)に結合しているソユーズ(1S)を3Pを切り離した後に移動させます。(4月18日に完了)

  • スペースシャトルエンデバー号が1Sと反対側に結合します。(ISSと結合しての6A作業の開始)(4月21日に完了)

  • デスティニーにロボットアーム(SSRMS)が取り付けられます。(4月22日に完了)

  • スペースシャトルがISSから離れていきます。(ISSと結合しての6A作業の終了)(4月29日に完了)

  • ソユーズ(2S)がザーリャの下部(地球側)ポートに結合します。(4月30日に完了)

  • 2Sに乗ってきた宇宙飛行士が1Sに搭乗してズヴェズダから分離し、地球へ帰還します。(5月6日に完了)

  • 次のプログレス補給船(4P)がズヴェズダ後方にドッキングします。(5月22時に完了)

ミッション終了後
 このミッションの結果、ISSの状況は次のように変化します。
  • SSRMSが使えるようになることにより、スペースシャトルのロボットアームに頼ることなくISSを構成するモジュールを移動させることができるようになります。またスペースシャトルのロボットアームとの間で手渡しすることにより、スペースシャトルから届かない場所へもモジュールを取り付けることができるようになります。(この次の7Aフライトのエアロック取り付けには、SSRMSが必要です。)
  • UHFアンテナが取り付けられてUHF通信システムが使えるようになると、次の7Aフライト以降は、ISS単独での船外活動が実施できるようになります。
  • 実験ラックEXPRESS 2台がISSに搭載され9種類の実験装置が稼働することになり、実験運用の幅を広げることができるようになります。



作業計画
  軌道上での毎日の作業計画は次のとおりです。

                                 (STS-100 Flight Plan Summary(3/16 Final版)より)

飛行日主な実施ミッション
1日目打上げ/軌道投入、Kuバンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御
2日目スペースシャトル・マニュピレータ(RMS:Remote Manipulator System)、ペイロードベイ(貨物室)状態、宇宙服、エアロック等の点検作業、ランデブー用軌道制御
3日目ISSとのランデブー、ISSとのドッキング
4日目SSRMSを搭載した輸送用キャリア(SLP:Spacelab pallet)をRMSで持ち上げ、デスティニーへ取り付ける第1回船外活動(SSRMSへの電力・通信配線の結合、UHFアンテナのデスティニーへの取り付け、SSRMSのロンチロック・断熱カバー取り外し、SSRMSの展開)
5日目RMSによるラファエロのISSへの取付、ISSへの入室、ラファエロ起動、SLPからデスティニー上の把持台座(PDGF:Power and Data Grapple Fixture)へのSSRMSの移動
6日目

第2回船外活動(SLPからSSRMSへ接続していた配線を取り外し、PDGF側へ配線をつなぎかえる。ユニティの右舷の初期通信アンテナの取り外し、船外保管プラットフォーム(ESP:External Stowage Platform)への直流切り替えユニット(DCSU:Direct Curren Switching Unit)の保管、ラファエロからISSへ実験ラック等を搬入

7日目SSRMSでSLPを持ち上げてアームの動きを確認する。その後SLPをRMSへ手渡しし、貨物室に回収する。ラファエロからISSへの物資の搬入
8日目ラファエロからISSへの物資の搬入/搬出、第3回船外活動(必要であれば)。
9日目SSRMSの動作点検、ラファエロへの不要品などの積み込み、ラファエロ停止/スペースシャトルへの回収、軌道上共同記者会見
10日目ISSからの退室、アンドッキング及びフライアラウンド運用
11日目船内の後片づけ、軌道離脱準備、Kuバンドアンテナ収納、STS-100クルーの休息
12日目軌道離脱、着陸



5A.1フライト終了時のISS

6Aフライト終了時のISS


最終更新日:2002年11月29日

JAXAトップページへサイトポリシー