この5A.1フライトでは、国際宇宙ステーション(ISS)に4ヶ月以上滞在していた3人の第1次長期滞在クルーと、第2次長期滞在クルーの交代が行われることになっています。交代は一人ずつ3回にわたり、飛行3日目、5日目、7日目に行います。
イタリアが開発した多目的補給モジュール(MPLM)1号機の「レオナルド」は、このミッションの最大のペイロードであり、これに実験装置のラックや補給品等を搭載して打ち上げます。この搭載品を前回2月の5Aフライトで打ち上げた米国の実験棟*デスティニーの内部に設置して、ISSでの本格的な実験運用を行うことができるようにします。さらにこのフライトでは、ISSの船外に取り付ける機器等も輸送し、2回の船外活動(EVA)でISSに取り付ける予定です。
これらの作業により、4月に予定されている6Aフライトで、カナダ製のISS用ロボットアームを取り付ける準備が整うことになります。
STS-102のクルーはレオナルドをISSに結合して積み荷をおろし、輸送専用のラックや不要品などを搭載した状態でレオナルドを地球に持ち帰ります。このミッション期間中には船外活動を2回実施し、ISS組立のための作業を行う予定です。
この飛行の結果ISSの状況はおよそ次のようになります。
飛行日 | 主な実施ミッション |
1日目 | 打上げ/軌道投入、通信用Kuバンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御 |
2日目 | シャトル・マニュピレータ(SRMS)、ペイロードベイ(貨物室)状態、宇宙服(EMU)、エアロックなどの点検作業、ランデブー用軌道制御 |
3日目 | ISSとのランデブー、ISS(PMA-2)とのドッキング、ISSへの物資搬入のための1回目の入室(ISS滞在クルーと合流)、滞在クルー1名の交替、ISSからの退室 |
4日目 | 第1回船外活動(PMA-3とユニティ間の配線取り外し、左舷の初期通信(ECOMM)用アンテナ取り外し、デスティニーへの上部結合機構(LCA)、配線トレイ(RU)の設置など)、PMA-3の移設 |
5日目 | MPLMのISSへの取付・起動、ISSへの2回目の入室、物資の搬入、滞在クルー2人目の交替 |
6日目 | 第2回船外活動(ESP, PFCSの取付けなど)、デスティニーへの電力供給系統の切り替え、MPLMからの物資の搬入開始 |
7日目 | 物資の搬入、滞在クルー3人目の交替 |
8日目 | 物資の搬入 |
9日目 | 物資の搬入、不要物のMPLMへの搬出 |
10日目 | MPLM停止/シャトルへの回収 |
11日目 | ISSからの退室、アンドッキングおよびフライアラウンド運用*、STS-102クルーの休息 |
12日目 | 船内の後片づけ、軌道離脱準備、Kuバンドアンテナ収納 |
13日目 | 軌道離脱、着陸 |