|
||||||
STS-98 NASAステータスレポート#8
アトランティス号の宇宙飛行士たちは映画「2001年宇宙の旅」の中で使われた「美しき青きドナウ」で目覚め、国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けたばかりの実験棟デスティニーへの、初めての入室準備にかかりました。 コマンダーのケネス・コックレル、パイロットのマ-ク・ポランスキー、ミッションスペシャリストのボブ・カービーム、マーシャ・アイビンス、トム・ジョーンズ、そして第1次長期滞在クルーのコマンダーであるビル・シェパード、パイロットのユーリ・ギドゼンコ、フライトエンジニアのセルゲイ・クリカレフは、土曜日の夜遅くまでデスティニーの主要システムを起動する作業をしていたので、予定よりも遅く起床しました。米国中部標準時間2月11日午前5時(日本時間2月11日午後8時)過ぎにアトランティス号の宇宙飛行士たちが目覚めた頃には、デスティニーの温度制御システムが正常に作動した結果、内部の気温は快適な華氏75度(約24℃)に下がっていました。 8人のメンバーは午前8時13分(同2月11日午後11時13分)頃ユニティとデスティニー間のハッチを初めて開き、取り付けたばかりのデスティニー内部の整備作業を、丸1日掛かりで行う予定です。最初に空調システム、コンピュータ、船内通信システム、電気のコンセント、換気システム、警報システムを起動し、消火器をセットアップすると共に、空気浄化装置のラックを設置し、ズヴェズダに設置されている二酸化炭素除去用のロシアのヴォズドゥクシステムを整備するなどの作業を行います。 道具や実験装置などをしまっておくためのラックも取り付けます。重量の制限があるために、デスティニーは24個のラックのうち5個だけを搭載して打上げられました。ラックの入っていない区画が8個あり、ここには約300立方フィート(約8.5立方メートル)の収容能力があります。「人体研究施設(Human Research Facility)」と呼ばれるデスティニーの最初の実験ラックは、来月打上げられる予定です。このときは第2次長期滞在クルーのユーリ・ウサチェフ、ジム・ヴォス、スーザン・ヘルムスがディスカバリー号で打ち上げられ、シェパード、ギドゼンコ、クリカレフと交代する予定です。 Z1トラスに設置された4基の大きなジャイロスコープのスピンアップは、月曜日にジョーンズとカービームによる2回目の船外活動が終了した後で、デスティニーのコンピュータを使って実施される予定です。これらのいわゆるコントロールモーメントジャイロと呼ばれる装置は、来週1週間を通してテストし、デスティニーがISSの主要機能に対し適切なコマンドコントロールを実施できること、そしてISSの姿勢の変化を予測できることを確認する予定です。 本日遅く、コックレルとポランスキーがアトランティス号のスラスタを噴射してISSの軌道高度を高くした後で、ジョーンズとカービームは月曜日の2回目の船外活動で使用する工具や装置を準備します。この2回目の船外活動ではZ1トラスに仮置きしているISSのドッキングアダプタをデスティニーの前方に取り付け、シャトルによる将来の組み立て飛行の際にドッキングポートとして使えるようにします。さらに、ジョーンズとカービームは、4月にISSの初めてのロボットアーム(SSRMS)を取り付ける準備として、デスティニーの外壁にSSRMS を取り付けるための装置(PDGF)とビデオ変換ユニットを取り付けます。 アトランティス号とISSは現在228マイルの高度を周回しており、全システムは良好に稼動しています。本日のミッション状況説明は、NASATVで午後3時(同2月12日午前6時)からご覧いただけます。次のステータスレポートは午後7時(同2月12日午前10時)または必要に応じて発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts98/STS-98-08.html
|