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STS-97での船外活動

 アメリカは、1965年にジェミニ4号で初めて船外活動(EVA)を行いまし た。その後、35年間で計84回の船外活動を行いました。しかし、ISS組立のためには、これからの5年間でその2倍の約160回の船外活動が必要となり ます。米国の宇宙服を着て行う船外活動だけで約960時間、さらにロシアも 300時間以上の船外活動が必要と見積もられており、ISSの組立、保全には船外活動作業は欠かせないものとなっています。

 STS-97(4A)ミッションでは合計3回の船外活動を、飛行4日目、6日目、8日目に行う予定です。船外活動を実施するのは3回とも同じメンバーで、ミッションスペシャリスト(MS)のジョセフ・タナー、とMSのカルロス・ノリエガの2人です。ジョセフ・タナーはEV1と呼ばれ宇宙服の両脚部分に赤いベルト状のマークがついています。カルロス・ノリエガはEV2と呼ばれ真っ白な宇宙服を着用します。
 エンデバー号内からはカナダの宇宙飛行士マーク・ガーノーがロボットアームを操縦して、Z1トラスの上部にP6トラスを取り付ける作業を行い、その後のロボットアームの操作をパイロットのマイケル・ブルームフィールドが行います。マーク・ガーノーは船外活動全体の指揮をとります。

 以下にSTS-97でのEVA作業内容を示します。

第1回船外活動(飛行4日目)
 P6トラスをZ1トラス上に取り付け、さらに太陽電池パドルを展開する準備をします。

  • ロボットアームによるP6トラスをZ1トラスに移動する作業をZ1トラス上で目視しながら、音声で状況を伝え、ロボットアーム操作を支援する。
  • P6トラスを所定の位置に合わせた後、4隅をボルトで締付けZ1に固定する。
  • 太陽電池パドル展開の準備として9本の電気ケーブルをZ1トラスからP6に接続する。
  • 太陽電池板の収納箱(SABB)を開く準備をしてSABBのボルトを取り外す。
  • ベータ・ジンバル・アセンブリ(BGA)の固定ボルトを取り外す。
  • ラジエータ(PVR)のパネル固定具を取り外す。

第2回船外活動(飛行6日目)
 P6トラスで発電された電力を米国のモジュールに供給するために、電気系の接続経路を変更したり、Sバンドアンテナの位置を変更したりします。
  • 電気ケーブルの接続を変更する。
  • 直流変圧器(DDCU)から熱遮蔽を取り外す。
  • ベースバンド信号処理装置(BSP)から熱遮蔽を取り外す。
  • STS-92の際Z1トラスに仮設置したSバンドアンテナ(SASA)を、P6トラスの上部に移設する。
  • Z1トラスとP6トラス間に温度制御用のケーブルを敷設する。
  • STS-98の5Aフライトの準備作業を行う。

第3回船外活動(飛行8日目)
 この船外活動は打上げの約1ヶ月前に追加されたもので、P6トラスの上にプラズマ測定装置(FPP)と呼ばれる科学目的の装置を取り付けることが主な目的です。プラズマ測定装置はプラズマの電位を測定する装置で、P6トラスの太陽電池パドルで発生するプラズマを測定し、また前回のSTS-92の3Aフライトで取付けたプラズマ発生装置(PCU)の効果を測定するものです。その他、この次のSTS-98ミッションの準備作業を行います。
  • プラズマ測定装置(FPP)のP6トラス上部への取り付け
  • STS-98ミッションの準備作業


最終更新日:2000年 11月 28日

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