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NASDAデイリーレポート

10月17日(火) 飛行 6日目

PMA-3とユニティの結合
 米国中部夏時間10月16日午後12時45分(日本時間10月17日午前2時45分)頃、若田宇宙飛行士によるロボットアーム操作とピーター(ジェフ)・ワイ ゾフとマイケル・ロペズ-アレグリア両宇宙飛行士による船外活動により与圧結合アダプター3(PMA-3)とユニティの結合が完了しました。
 10月16日午前9時15分(日本時間10月16日午後11時15分)より、ピーター(ジェフ)・ワイ ゾフとマイケル・ロペズ-アレグリア両宇宙飛行士が船外活動を開始し、若田宇宙飛行士が操作するロボットアームの支援を受けながら、PMA-3とユニティをつなぐ電気系ケーブルの接続、Z1トラス上にある結合機構(4AフライトでP6というトラスを取り付ける結合機構)の準備などを実施しました。
 10月16日午後4時22分(日本時間10月17日午前6時22分)、予定していた全ての船外活動を問題なく終了しました。

 なお、今回の飛行で第1回目のリブースト(軌道高度の引き上げ)を実施し、ISSの軌道をおよそ2.7km(約1.7マイル)、引き上げました。

本日の若田宇宙飛行士
メッセージを伝える若田宇宙飛行士(右手前に野球のボール、左後方に相撲の軍配があります)
 若田宇宙飛行士ら7人のクルーは10月16日午前5時17分(同10月16日午後7時17分)に起床しました。
  若田宇宙飛行士は、10月16日午後2時17分(同10月17日午前4時17分)にロボットアーム操作を開始して、PMA-3を把持した後、2人の船外活動クルーによってPMA-3を固定しているボルトを外し、ユニティのZ1トラスが取り付けられている反対側に取り付けました。
 PMA-3は、ペイロードベイ(貨物室)の中のスペースラブパレット(SLP)という取付台に取り付けられています。このSLPとPMA-3の隙間が非常に狭く、通常24インチ(約 61cm)以上必要なところが、6インチ(約15cm)しかありません。そのため船外活動クルーの目視による確認やロボットアームを慎重に操作する必要がありました。

 ひと仕事終えた若田宇宙飛行士から、10月16日午後7時37分(同10月17日午前9時37分)にメッセージが届きました。(ビデオライブラリ[4min29sec])

若田:こんにちは、若田です。先日フライトデイの2日目になりますけれども、森総理、大島大臣それから三宅高校の津村君とお話しできたことをとても嬉しく思っていますけれども、そのときに実はこの野球のボールの動きをお見せしようと思っていたんですけれども、時間がなかったんで今日ちょっとお見せしようと思います。船長のブライアンダフィーさんも実は野球のスラッガーなんですけれども、この微小重力の状態では、野球のボールを投げようとすると持っている方向より上の方に投げてしまうんですね。これはどうしてかっていうと、地上では無意識のうちに重力による降下分を落下分を考慮してボールを投げているんですね。
 ですから、宇宙の無重量の環境でボールをまっすぐ投げようと思うときには地球上の間隔でいえばより下向きに投げることによってボールを思っている方向にまっすぐ投げることができます。それから無重量の状態ではボールにスピンを与えてやれば、僕でももしかしたら鋭いカーブボールやシュートボール、それから浮き上がるような直球、そういうものも投げられるんじゃないかなと思います。ひとつ無重量での野球の問題はバットで打つとそれが全部ホームランになってしまうことですね。きっと無重量の新しい野球のルールが必要になると思います。
 こちらには、お相撲の軍配がありますけれども宇宙ステーションの中に入って、私もしこを踏んでみたいと思います。まだしていないんですけれども、フライトデイの9日目にはできるかなというふうに思います。とても楽しみにしています。
 私、今日、PMA-3という宇宙ステーションのモジュールの取付作業を行いましたけれども、ミッションコントロールセンターの方々や設計者、宇宙ステーションのハードウェアを設計してくださった方々のすばらしいチームワークのおかげでそのミッションを達成することができました。
 本当にこの宇宙ステーションの組立作業に携われることを嬉しく思っています。
 「地球人の世紀へ」というメッセージを持ってこのミッションに私は参加していますけれども、地球の人々みんなが英知を出し合って、力を結集してかけがえのない我々の地球、ふるさと地球の環境を守りながら人間の活動領域を広げていくことによって、私は地球人としての新しい価値観、文化といったものが芽生えて来るんではないかなと思っています。
 国際宇宙ステーションはそのためのとても大切なステップだと思います。
 それではまた、スペースシャトル・ディスカバリー号の方から後ほどお目にかかれることを楽しみにしています。
 おやすみなさい。

本日の若田宇宙飛行士の食事(予定)
 
朝食 昼食 夕食
乾燥杏(IM)
コーンフレーク(R)
カシューナッツ(NF)
オレンジジュース(B)
ココア(B)

マッシュルームスープ(R)
ドライビーフ(IM)
チキンライス(R)
イタリアンベジタブル(R)
アーモンド(NF)
グレープフルーツジュース(B)×2

シュリンプカクテル(R)
チキンヌードル(R)
メキシカンスクランブルエッグ(R)
トルティーヤ(FF)×2
タピオカプリン(T)
グレープジュース(B)×2
出典:http://spaceflight.nasa.gov/shuttle/archives/sts-92/crew/menus/menuwakata6.html

I:放射線照射殺菌済み IM:半乾燥状態 R:(温)水を加えて調理する NF:自然状態でパック B:飲み物 FF:生鮮 T:加熱

ウェイクアップコール*1
 STS-92のクルーはFrancis Cabrelの「Je t'aimais, je t'aime, j 'taimerai」により目覚めて本日の活動を開始しました。この曲は今日の船外活動を担当するマイケル・ロペズ-アレグリア宇宙飛行士のために、妻のダリアさんが愛を込めて選んだものです。

*1 ウェイクアップコール
 このウェイクアップコールは長年続けられている恒例の習慣です。ミッション期間中毎日、クルーは地上から送られる様々な音楽で目覚めます。曲はクルーにちなんだものやクルーの要望に沿ったものが選ばれています。


出典:http://spaceflight.nasa.gov/gallery/audio/shuttle/sts-92/html/ndexpage.html


最終更新日:2000年10月17日

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