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NASDAデイリーレポート

打上げ前

ターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テスト(TCDT) 3日目

日時:2000年 9月14日(米国東部夏時間)
場所:NASAケネディ宇宙センター

STS-92クルー
バンカー(手前)
 本日は、打上げ時の射場でのシャトルからの緊急脱出訓練が行われました。午後1時45分頃(米国東部夏時間)、STS-92のクルーが射点から緊急脱出用ロープの降り場にあるバンカー(窪地)に到着。そこでクルーとプレスとの質疑応答が実施されました。クルーへの質疑応答には、全部で35名程度が集まりました。クルーへの質疑応答は約30分程度行われ、若田宇宙飛行士も、プレスからの質問に対し、日本語と英語の両方で答えていました。

若田宇宙飛行士へのQ&A要旨:

Q:今回2回目の飛行では、「宇宙に行く」ということが目的ではなく、「宇宙で何をするか」がとても大事であると思いますが、若田さんの宇宙飛行士として目指すものと、その点から見て今回のミッションの持つ意味を教えてください。

若田宇宙飛行士:今回のフライトは宇宙ステーションの組み立てですが、私が1992年に宇宙開発事業団からNASAに派遣されたもともとの理由は、国際宇宙ステーション(ISS)の建設に日本人搭乗員が必要だということで訓練を開始しました。そういう意味で、今回STS-92という組み立てミッションに割り当てられ、参加できることをとても嬉しく思っています。これまで学んできたことや、訓練やフライトを通して学んでいくことを、近い将来、「きぼう」日本実験モジュールの組み立てに生かしていきたいと思います。「きぼう」は日本として初めて開発する有人施設で、宇宙有人飛行における重要なステップです。そのためにも、今回のフライトでよい経験をして日本の将来の有人宇宙活動に生かしていきたいと思います。そしてその先には、月、そして火星と夢が広がっていきます。国際宇宙ステーションを成功させるために、私も頑張っていきたい。それがゴールです。

Q:ディスカバリー号の打上げ準備がすぐそこで進んでいますが、打上げ台の前に立って、あらためて今の気持ちを聞かせてください。

若田宇宙飛行士:打上げまで3週間に迫りましたが、このフライトの準備を3年間ぐらいかけてやってきました。そういう意味で、ミッションで想定される色々な状況に対応できるよう訓練してきました。それは私だけに限ることではなく、クルー全員に言えることで、準備は順調に、かつ万端に進んでいます。オービタの前に立ってみると、時間もわずかで、いよいよだなと感じています。健康に注意して、宇宙でいい仕事ができるよう頑張りたいと思います。

Q:NASA、ISS、そして世界に対して、今回のスペースシャトルの飛行が100回目であるということがどういう意味をもっているか説明してください。

若田宇宙飛行士:この素晴らしいクルーと一緒に仕事をしていることを非常に嬉しく思っています。また、Z1トラス等の取り付けという役割を果たすことのみならず、16ヶ国もの国が参加するISSというプログラムに携われることを非常に楽しみにしています。ISSは1ヶ国だけでなく、多くの国が参加するプロジェクトです。ISSは人類の英知、努力を集約して宇宙へのフロンティアを築くための重要なステップです。新しい文化や新しい価値観を創造し、共有することになるでしょう。そういう点で、国際的なこういったプログラムに参加できることを非常に楽しみにしています。
 本ミッションでの私の任務は、ロボットアームを使ってZ1トラスとPMA-3の取り付けを行うことです。その取り付けにあたっては、非常に視界がよくないこともあり、宇宙視覚システム(SVS:Space Vision System)というシステムを使うこととなります。ユニティに取り付けられたSVSターゲットをテレビカメラで撮影し、コンピュータで画像解析して構成要素の位置を測定しながら、これら構成要素をユニティに取り付けます。これらをきちんとした位置にもっていくことは、共通結合機構(CBM)で構成要素を結合する上でも非常に重要です。CBMは、ISSで初めて運用されるものであり、メルロイ宇宙飛行士が担当します。ロボットアーム、CBM、SVSといった本フライトの多くの側面は非常にやりがいがあります。



最終更新日:2000年 9月 19日

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