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2A.2bで実施する船外活動(EVA) |
この2A.2aミッションでは、2人の宇宙飛行士エドワード・ルーとユーリ・マレンチェンコが飛行4日目に船外活動(EVA)を1回実施します。作業時間は約6時間半の予定です。
主要作業は以下の2項目です。
- 磁力計の取付け
現在の国際宇宙ステーションの状態 |
ズヴェズダの左舷の外壁に約1.8mの長さの磁力計とこれを支えるブームを取付けます。約1時間半の作業時間を予定しています。
スペースシャトルの後部フライトデッキからミッションスペシャリストのダニエル・バーバンクの指揮の下に同じくミッションスペシャリストのリック・マストラキオが操作するロボットアームに乗り、2人のEVAクルーはアトランティス号のペイロードベイ(貨物室)の50フィート(約15m)上部まで先ず到達します。ここからはテザー(命綱)とハンドレールを頼りにISSの外壁を移動し、ペイロードベイから100フィート(約30m)離れた地点付近まで到達し、ここで2000年7月に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしたばかりのズヴェズダの外壁に約1.8mの長さの磁力計とこれを支えるブームを取付けます。
ズヴェズダは2001年1月に米国の実験モジュール・デスティニが打上げられるまではISSの姿勢制御を引受けることになっています。今回取付ける磁力計は地球の磁場を検出してISSの姿勢を正確に把握し、姿勢制御を効率的に実施することによって燃料消費を最小限に止めることを目的としています。
シャトルのペイロードベイから30mも離れるのは命綱を使用して実施する船外活動としてはこれまでで最も遠いもので、ストーリー・マスグレイブとジェフ・ホフマン両宇宙飛行士がSTS-61でハッブル宇宙望遠鏡の磁力計交換作業のために離れた距離の2倍になります。
- ズヴェズダとザーリャ間の配線接続
磁力計の取り付けが終了すると、ズヴェズダとザーリャ間に電力ケーブル、ビデオ信号ケーブルなど9本のケーブルを取り付けます。約3時間の作業時間を予定しています。
電力ケーブル(4本):米国の太陽電池パネルからザーリャとズヴェズダに電力が供給されるようにするためのケーブルを敷設します。これはSTS-97で米国の太陽電池パネルを取付けるまでにどうしても済ませておかなければならない作業です。米国の太陽電池パネルがSTS-97でZ1トラス上に取り付けられると、ロシアの太陽電池パネルの一部が日陰になり発電量が低下してしまうので、これを補うために必要となる作業です。
ビデオケーブル(2本):9月末に予定されているプログレス宇宙船による2回目の補給ミッションの際、ザーリャの下部のドッキングポートにプログレスがドッキングするところをモニタするため、ズヴェズダ内のクルーにビデオ画像を送るためのケーブルです。
データ通信ケーブル(2本):ザーリャの太陽電池パネル指向制御装置は停止されているため、ズヴェズダから制御信号を伝送できるようにするためのケーブルを敷設します。このケーブルはその他の信号の伝送にも活用されます。
宇宙服データ送信用光ファイバケーブル(1本):ユニティの左舷のポートにISSのエアロックが取付けられると米国とロシア共同の船外活動が実施されるようになります。その際ロシアの宇宙飛行士の着ているOrlan宇宙服からのデータを伝送できるようにするためにズヴェズダとザーリャの間にケーブルを敷設します。このエアロックが取付けられるまではズヴェズダの移送区画(トランスファ・コンパートメント)がエアロックの代用として使用されます。
今回の船外活動は、スペースシャトルで実施する米国とロシア共同のEVAとしてはSTS-86に次いで2回目になります。
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2A.2bで実施する船内活動 |
次のような船内活動を行います。
- ズヴェズダを打上げ時の状態から飛行状態に変更するために、打上時に固定されていた器具や消火器の固定ボルトを外したり、最初の滞在クルーのためにガスマスクを使えるようにします。
- プログレス補給船から補給物資をISSの中に運び込むと共に、補給物資や水をスペースシャトルからISSに運び込みます。
- ザーリャからTORU(自動ドッキング装置)と船尾ドッキングプローブを取り外します。
- ザーリャの2つのバッテリを交換すると共に、ズヴェズダに3つのバッテリとそれに付随する電圧変換器および充放電装置を取り付けます。
- ズヴェズダ内にトレッドミル(歩行器)と関連設備を設置します。
- ユニティ内の空気チェック、ホルムアルデヒドのチェック、ユニティおよびズヴェズダ内の受動型線量計の交換取り付け、およびズヴェズダ内の騒音測定などを行います。
- ズヴェズダにトイレを搬入します。これは最初の滞在クルーによって取り付けられます。
- ISSと結合した状態で2回のリブースト(軌道高度上昇)を実施した後、フライアラウンド(ISSの外観撮影などのためにISSの周囲を周回する)を実施する。
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