STS-88 ステータスレポート #10
1998年12月 7日(月)午後12時00分(米国中部標準時間)
1998年12月 8日(火)午前 3時00分(日本時間)
米国中部時間午前11時41分(日本時間8日午前2時41分)エンデバー号の6人の宇宙飛行士はミッションコントロールからのウェイクアップコールで予定されている3回の船外活動の第1回目の準備を開始しました。ウェイクアップコールの曲は「Jerry
the Rigger」で、今回の飛行で仲間のミッションスペシャリスト、ジム・ニューマンと18時間以上の船外活動を実施することになっているジェリー・ロスの希望曲でした。
本日の船外活動は、米国中部時間午後4時30分(日本時間8日午前7時30分)に開始することになっていますが、ロスとニューマンがエンデバー号の外部エアロックの減圧を予定よりも早く実施できるのであれば早めに開始するかも知れません。6時間半にわたるこの船外活動で、ユニティとその両端に結合されている2個の結合アダプター(PMA-1、2)および、ザーリャとの間の電力ケーブルとコンピュータの通信ケーブルを接続します。ロスとニューマンは合計約40箇所の接続作業を実施します。これによりユニティに軌道上で初めて電力が供給され、ユニティの電子機器、コンピュータ、ヒーターが起動されることになります。
ロスとニューマンは、まずペイロードベイで作業準備をすることから本日の船外活動を開始します。次に、ロスがシャトルのロボットアームに乗り、ユニティに電力を供給するための接続プラグ、ジャンパーケーブルを取付けます。一方ニューマンは打上げ時の安全のためユニティとエンデバー号の間の与圧結合アダプター(PMA-2)に固定してあったケーブルを取り出します。ロスとニューマンはケーブルを定位置に差し込んで固定し、さらに接続部に断熱カバーを取り付ける作業を開始します。続いてISSの外壁に安全用のスライドワイヤを取付けます。これはモジュール間のケーブル接続作業を実施する際、安全を確保するために腰に取り付けたテザー(命綱)を取り付けるためのものです。
次に2人は同じ手順を繰り返して、ユニティとザーリャおよび両者を結合している与圧結合アダプター(PMA-1)の間のケーブルを接続します。最後にPMA-1に取付けた信号多重化装置-多重化信号解読装置(MDMs)と呼ばれる2台のコンピュータの断熱カバーを取外します。
ケーブルの接続が完了すると、ロシアの地上管制官がザーリャにコマンドを送信してユニティへの電力供給を開始し、ユニティの外部に取付けられたコンピュータに電力が供給されます。続いてコマンダーのボブ・カバナとミッションスペシャリストのセルゲイ・クリカレフがこれらのコンピュータにコマンドを送信し、ユニティに搭載された各システムが起動されます。
船外活動を終了してエンデバー号のエアロックに戻る前に、時間的余裕があれば、ロスとニューマンはザーリャ・モジュール上の遠隔操作マニュアルドッキングシステム(TORU)を詳細にチェックします。フライトコントローラーはTORUのアンテナを固定していた火工品で外される固定ピンは予定どおり作動したと確信していますが、11月20日の打上げ後に実施したアンテナ伸展作業では2つのアンテナは予定どおりには伸展しませんでした。これらのアンテナはバックアップのランデブシステムの一部で、現在の不完全な状態でもそれなりの強度の電波を放射していますので将来のステーションの運用には問題はありません。今のところロスとニューマンに今後の船外活動で手動でアンテナを伸展させるという計画はありません。
今朝早く、ロシアと米国のフライトコントローラーは、ザーリャに搭載された動作が不調なバッテリ電流変換ユニットの交換を、クリカレフに実施させることにしました。交換用のユニットはエンデバー号に搭載してあります。クリカレフは過去に同じ様な作業をミール宇宙ステーション滞在中に実施したことがあり、今回の交換作業は木曜日にクルーがザーリャ内に入った際実施します。
エンデバー号とISSは約240マイル(約386km)の高度を飛行中で、全システムの状況は良好です。
最終更新日:1998年 12月 9日
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