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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

STS-88 ステータスレポート #9
1998年12月 7日(月)午前 3時00分(米国中部標準時間)
1998年12月 7日(月)午後 6時00分(日本時間)

 エンデバー号のクルーは、ランデブが完璧に行われ、さらにザーリャの把持もスムーズに行われた後引き続き、シャトルのペイロードベイ(貨物室)の中で日曜日の午後まで、ロシアが製造したザーリャと米国が製造したユニティを結合するという国際宇宙ステーション(ISS)組立の作業を続けました。

 シャトルの50フィート(15m)のロボットアームを使ってナンシー・カリー宇宙飛行士はザーリャを軌道からつかみ取りました。米国中部時間日曜日6日午後5時47分(日本時間7日午前8時47分)、新しいISSの最初の構成要素としてザーリャがロシアのプロトンロケットでカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられて以来16日以上が経過したときのことでした。ゆっくりと注意深く、ザーリャとユニティの与圧結合アダプタ-1(PMA-1)双方のドッキングシステムの位置を合わせてから、コマンダーのボブ・カバナがエンデバー号の下向きのジェットを午後8時7分に噴射して、2つの巨大なモジュールを結合させました。

シャトルのロボットアームがザーリャのグラプルフィクスチャを把持する瞬間

 シャトルのロボットアームがザーリャのグラプルフィクスチャ(ロボットアームで把持するための突起状の部分)を把持している間にユニティと固く結合させようとしたのですが、これは不成功に終わりました。しかし、カリーが把持を解除したあとで午後8時48分にザーリャとユニティ間のフックと掛けがねが咬みあってしっかりと結合し、重さ35トン、7階建てのビルと同じサイズの76フィート(22.8m)の構造物がエンデバー号のペイロードベイ上に構築されました。

 カリーはロボットアームのカメラで、遠隔操作(TORU)マニュアルドッキングシステムの一部である2つのアンテナを中心に、ザーリャを詳しく調べました。このアンテナは11月20日の打上げに続いて行われた伸展に失敗していました。フライトコントローラーはアンテナを保持していた火工品のピンは作動したが、アンテナは予定どおりには伸展しなかったものと結論付けています。

 これらのアンテナはバックアップ航法システムの一部分ですが、不完全な伸展状態でそれなりの強度の電波を放射しており、将来のステーションの運用に問題が生ずることはありません。しかしフライトコントローラーは、ジェリー・ロスとジム・ニューマンが月曜の夜に実施する第1回目の船外活動の際、ジェリーロスがシャトルのロボットアームの先端に乗っている間に、アンテナをより詳しく検査させることを検討中です。ミッションマネジャーはロスとニューマンに今後の船外活動の中でアンテナを手で伸展させるかどうかは決めていません。

 米国中部時間で本日午後4時30分(日本時間火曜日8日午前7時30分)頃開始する予定の第1回目の船外活動は、ロスとニューマンがエンデバー号の外付けのエアロックの減圧の準備が予定よりも早くできるならば、早めに開始するかも知れません。6時間の予定の船外活動の中で、ロスとニューマンはザーリャとユニティの間の電力ケーブルとコネクターを接続して、米国のコンポーネントであるユニティに初めて電力を供給します。これによりユニティの航法システム、コンピュータ、ヒーターが起動され、米宇国が製造する実験モジュール、デスティニーが、2000年の2月に接続されたとき、ISSのコマンド、制御、発電機能をロシアのコンポーネントから米国のコンポーネントへと恒久的に移管することができるようになります。

 ロシアと米国のフライトコントローラーはザーリャの6基のバッテリの内、1基の疑わしい部品の交換について検討を続けています。このバッテリは自動モードでの放電がうまくできない状態ですが、ミッションマネジャーの許可があれば、交換ユニットを取り付けることができます。このバッテリは稼働しており、現在のままでも将来のISSの運用に支障をきたすことはありません。

 クルーは米国中部時間午前3時36分(日本時間午後6時36分)に8時間の睡眠に入り、午前11時36分(日本時間8日午前2時36分)に起床して今回の飛行で最初の船外活動の準備にかかります。

 エンデバー号とISSは240マイル(約386km)の高度を飛行中で、全システムの状態は良好です。




最終更新日:1998年 12月 9日

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