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国際宇宙ステーションの打上げ:基本機能モジュール(FGB)

国際宇宙ステーションの建設、11月20日にスタート!

FGB打上げの様子
(Real Video)
 国際宇宙ステーション、それはいわば宇宙に浮かぶ巨大な研究所。それはサッカー場のフィールドにぴったり収まるほどの大きさで、重さは415トンもある巨大な構造物です。
 40数回のフライトによって国際宇宙ステーションの構成要素は打ち上げられ宇宙空間で組み立てられて行きます。このフライトには米国のスペースシャトルや、ロシアのプロトン、ソユーズロケットが使用されます。5年の歳月を経て2004年に完成する予定です。
 国際宇宙ステーションの最初の構成要素”FGB”が、11月20日午後3時40分(日本時間)にロシアより打ち上げられました。
基本機能モジュール(FGB)フォトアルバム
国際宇宙ステーションNASAステータスレポート
”INTERNATIONAL SPACE STATION STATUS REPORT”を仮訳したものです。

打上げの様子を街頭ビジョンで放送!

当日の街の様子(渋谷)
 打上げ当日の11月20日3:30pmに、渋谷、札幌、名古屋、福岡の街頭ビジョンで打上げ特別番組の放映を行いました。

 PR画像を放映中の街頭ビジョン(渋谷駅、ハチ公前)
109フォーラムビジョンスーパーライザ渋谷PR映像




ザーリャ(ロシア語で日の出)という愛称のFGB
基本機能モジュール(FGB)
 基本機能モジュール(FGB)は、アメリカが提供する構成要素です。アメリカが資金を出し、ロシアが製作を行いました。FGBは推進、通信、電力、熱制御等の機能を有している1気圧に与圧された宇宙機で、プロトンロケットによりカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から無人で打ち上げられます。FGBにはロシア語で日の出を表す”ザーリャ”という愛称が付けられています。

FGBの機能
 FGBは、ロシアのセグメントとアメリカのセグメント間を橋渡しするインターフェース部となります。国際宇宙ステーションの組立初期に軌道上で必要となる宇宙機としての機能(軌道制御、姿勢制御、地上との通信、電力供給、熱制御等)を有します。
 1999年7月に打ち上げられる予定のサービスモジュールとドッキングした後は、上記の機能はサービスモジュールに引き継がれ、FGBは主に推進剤の貯蔵、荷物の保管、米国のモジュールから十分な電力の供給が可能となるまでロシアのエレメントへ電力供給等に利用されます。

FGBの主要諸元
重量約20,040kg
全長12.99m
4.1m(最大部)、2.9m(胴体中央部)
太陽電池パドルの全幅24.4m
軌道上寿命15年以上
太陽電池の発生電力平均3kw
投入予定軌道遠地点高度353.9km
近地点高度185.1km
軌道傾斜角51.62度
軌道周期89.6分
バッテリ-6個のNiCd電池(各90AH)を搭載

打上げ実績
 FGBは、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から、プロトンロケットで打ち上げられました。    
ロシアの宇宙基地の所在地バイコヌール宇宙基地(333-L発射台)

  • 打上げ日時
    1998年11月20日  9:40am(モスクワ時間)
    11月20日 11:40am(バイコヌール現時時間)
    11月20日  3:40pm(日本時間)

  • 打上げシーケンス



  • バイコヌール宇宙基地とは
     バイコヌール宇宙基地は、カザフスタン共和国に位置(モスクワから南東に約2,100km離れたところに位置)します。世界初の人工衛星スプートニク1の打上げに使われたほか、世界初の宇宙飛行士ガガーリンの打上げ以降、全ての有人宇宙船の打上げに使用されています。また、プロトン、ゼニットロケット等の大型ロケットの打上げにも使用されてきました。
     プロトンの発射設備は国際的な打上げ用と軍用の2つがあり、それぞれ2つの発射台を備えています。FGBの打上げには333-L発射台が使用されます。
     バイコヌール宇宙基地の年間の平均気温は13度です(季節により-45度~40度まで変化します)。

プロトンロケット

プロトンロケットは、1965年以来240機以上打ち上げられたロケットです。低軌道に20,000kgの衛星を投入可能です。これまでにもロシアの宇宙ステーション、サリュート、ミールを打上げています。



主要諸元
段数3
全長約55m
直径(最大)約7.3m
重量(燃料充填時)約700t


FGBの運用
 FGBは予定された地球周回軌道に到達すると、地上からのコマンドによりロケットから分離し、事前にプログラムされたコマンドにより太陽電池パネルとアンテナが自動的に展開されます。電力、データ処理、能動的熱制御、通信及び追跡、航法及び誘導制御、生命維持の各サブシステムが起動され、正常であることが地上から確認されると、姿勢及び軌道上の位置決定が行われます。その後、エンジンを噴射して約2週間後に打ち上げられるノード1とのランデブドッキングを行う高度350kmの地球周回軌道に移動します。
 FGBの運用はモスクワのツープ(TsUP)管制センターから行われます。
 FGB打上げの約2週間後には、国際宇宙ステーション組立の第2陣となるノード1と呼ばれる接続用のモジュールがスペースシャトルによって打ち上げられ、軌道上でFGBとドッキングします。

  • パドル展開




  • 打上げ後のFGB飛行スケジュール

飛行日日付内容備考
111/20打上げ、軌道投入、ソーラーアレイ展開、装置類の初期チェック軌道高度:
184×362km
211/21近地点引き上げ、装置類のテスト軌道高度:
252×364km
311/22予備日 
411/23ランデブ軌道への移動、装置類のテスト軌道高度:
313×400km
511/24ランデブ軌道への移動完了軌道高度:
385×404km
6以降11/25
以降
(ランデブ軌道で待機) 


NASA Facts (1998年 10月) 訳


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最終更新日:2000年 7月 19日

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