NASA MS認定(米国時間2006年2月10日)の日本人宇宙飛行士コメント
NASAミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)に認定された日本人宇宙飛行士のコメントをご紹介します。
古川宇宙飛行士
このたび、NASAにおける1年8ヶ月の訓練を修了してスペースシャトルの搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト)に認定され、嬉しい気持ちで一杯です。訓練中は勉強量が大変多く、毎日夜遅くまで予習復習を繰り返したため、ときどき自らの受験生時代を思い出しました。それだけに、認定直前の、スペースシャトルの打上げ、帰還に関する最終評価シミュレーションに、仲間とのチームで合格したときには、天にも昇る気持ちでした。
今後は、今まで身につけた国際宇宙ステーション(ISS)やソユーズ、スペースシャトルの知識・技能をさらに向上させるとともに、ロボットアーム操作や船外活動(宇宙遊泳)の技能も高めてゆきたいです。
2007-8年頃には、「きぼう」日本実験棟が打ち上げられてISSに組みつけられ、日本人のISS長期滞在も始まる予定です。その成功に向け、全力を尽くしたいと考えています。
星出宇宙飛行士
偉大な諸先輩方と同じNASAミッションスペシャリスト資格を取得できたことを素直にうれしく、光栄に思い、また関係者の方々のご支援に感謝いたします。同時に、苦労を共にしてきた同期の14人の仲間という、かけがえのない財産を得ることができたことを幸運に思います。
これで古川・山崎両飛行士とともに国際宇宙ステーション、ソユーズ宇宙船、スペースシャトルという、現在運用されている主な有人宇宙機の運用に携わることができるわけですが、「きぼう」日本実験棟および宇宙ステーション補給機の成功、また国際宇宙ステーションのみならずその先にある有人月・火星ミッションにも貢献していきたいと考えています。
山崎宇宙飛行士
NASAのMS資格を取得するにあたり、お世話になった皆様、応援してくださった皆様に感謝申し上げます。
NASA宇宙飛行士第19期生クラスの中で、計14名のクラスメートと共にお互い切磋琢磨した経験は、とても貴重だったと思います。
今後も米国ヒューストンを拠点として、ロボットアーム操作や船外活動の訓練などを続けつつ、数年後に控えている「きぼう」日本実験棟の打上げを全力で支援していく予定です。
そして、ロシアのソユーズ宇宙船、及び米国のスペースシャトルの両方の宇宙機について学んだ経験を、いつかは日本の宇宙機で飛行することを願いつつ、今後の日本の有人宇宙開発にも是非生かしていきたいと思います。
また、私が訓練を継続できるようにと会社を退職せざるを得なかった主人の、国際宇宙ステーション地上管制官になるという夢も含め、まだまだいろいろな意味で困難な道ですが、周囲の理解を得つつ努力していきたいと思います。
今後とも精一杯取り組んでいきますので、お見守り頂ければ幸いです。
最終更新日:2006年2月16日
|