微小重力環境の「ライナスの毛布」 -Security Blanket-
[ <<  TOP ] [ < Previous | Next > ]	Page: | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |

4-1-a 「箱型」ツールのデザイン、制作、提案

「箱型」ツールは、硬質な外殻状の形態をしているツールの内部に柔軟な身体を「詰め込む」ことにより成立する。 微小重力体験飛行での段ボール箱を用いた実験をもとに、「箱」の内部にしゃがみ込み、「ふんばる」体勢で使用するという想定で、実験により得られた感覚の船内環境での再現を主眼とした試作品の製作を行った。

微小重力体験飛行での実験に用いた段ボール箱によって得られた感覚を再現することを念頭に、実験に用いた段ボール箱と同じサイズ(W360mm x D540mm x H500mm)、同じ形状(左右の上蓋が外に開いた状態の箱形)とした。 実験に用いた段ボール箱と同等の強度、形態保持性があること、可搬性、収納性に優れ、かつ組み立てが容易である点に考慮し、各面がポケット状になっている帆布製の箱の各ポケットに芯となるポリカーボネートプレートを差し入れて組み立てる方式を選択した。 なお、実験に用いたダンボール箱は4枚のプレートが組み合わさった底面形状であったが、変更による影響がないと思われたのでプレート1枚の底面形状に簡素化した。また、実験に用いた段ボール箱の形状のうち、上面左右部分のプレートは両腕のホールドに用いられる可能性があったので残し、前後のプレートは省略した。 素材:     ポリカーボネート (厚さ 3mm)     帆布     ベルクロテープ サイズ:     W360mm x D540mm x H500mm 収納時: 底面および前後側面のポリカーボネートプレートはあらかじめ差し込んだ状態で折り畳んでおく。 左右側面および上左右面のポリカーボネートプレートは収納用別袋に収納。 折り畳んだ状態の本体と収納用別袋はベルクロテープおよびベルトで固定。 組み立て: 1. 本体左右側面のポケットの上蓋(ベルクロテープ)を開く。       収納用別袋からポリカーボネートプレートを取り出し、ポケットに差し入れる。       ポケットの上蓋(ベルクロテープ)を閉じる。 2. 本体上左右面のポケットの上蓋(ベルクロテープ)を開く。       収納用別袋からポリカーボネートプレートを取り出し、ポケットに差し入れる。       ポケットの上蓋(ベルクロテープ)を閉じる。 3. ベルトは、本体が組み立てられた後、取り付ける位置を付け替えることで簡易グリップとなる。 * これらの作業は複数で行った方がよい。 使用時: 両膝を立てた状態で、箱にしゃがみ込む。(体育座り) 箱の内壁に体を押しつけ密着させる。箱の内側から体でテンションをかけるイメージで姿勢を安定させる。 両腕は、上左右面のプレートをワキに抱える体勢、ベルトの簡易グリップを握る、あるいはフリー。 留意点: 縫製の強度の問題や、組み立て方式も含む構造の改善などが考えられる。また、使用者の体格に合わせたサイズを用意する必要がある。

[ <<  TOP ] [ < Previous | Next > ]	Page: | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |