宇宙連詩 みんなで紡ごう、宇宙に流れる生命のメッセージ

背景画像の解説

<毎回、国立天文台天文情報センター長の渡部潤一さんが、宇宙連詩ギャラリーの画像解説をしてくださいます。>
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われわれからおおぐま座の方向、約1160万光年離れた距離にある渦巻き銀河M81のハッブル宇宙望遠鏡による画像。美しい渦巻き模様をなす星々の種類から、約6億年前から大規模な星形成が始まったと考えられる。すぐ近くにM82という銀河があり、その銀河と接近遭遇を起こした可能性が指摘されている。


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きりん座の方向、約26億光年の距離にある銀河団、MS0735.6+7421のX線、可視光、電波による合成画像。ハッブル宇宙望遠鏡による撮影で、多数の銀河が集まっている銀河団の様子と、X線天文衛星チャンドラによって青色に着色されたX線を発するガスの分布、それに赤色に着色されたアメリカの電波望遠鏡で観測された電波が強い部分を重ねている。この青色の部分には、5000万度という高温のガスが存在する。


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すばる望遠鏡主焦点カメラによる、かに星雲 (M1=メシエ1) の画像。地球からの距離は約7200光年、大きさは約10光年ある超新星残骸で、今からおよそ1000年前の1054年に起こった超新星爆発の名残である。日本では、藤原定家の書いた日記「明月記」にもその現象が残されている。爆発した恒星は、その中心部に中性子星を残し、これが「かにパルサー」となって、電波やX線を放射している。


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すばる望遠鏡主焦点カメラが発見した、かみのけ座銀河団D100付近にのびる不思議な水素ガス。我々からおよそ3億光年離れたかみのけ座銀河団に属する銀河の一つ(D100)から、水素の電離ガスが細くまっすぐに約20万光年の長さに伸びている。太さは、約6000光年と細く、どのようにして、このような構造ができあがったのか謎である。


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南半球の夜空にたなびくマックノート彗星。Robert McNaught氏によって2006年8月に発見された彗星は、2007年初めに太陽に接近し、マイナス等級の明るさになり、昼でも見えるほどになった。その後、離れていっても、この画像のように大きな扇形の尾をたなびかせ、南半球の夕方の夜空を飾る大彗星となったが、残念ながら日本からは見えなかった。


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われわれからりょうけん座の方向、約1300万光年離れた距離にある矮小不規則銀河NGC4449のハッブル宇宙望遠鏡による画像。全体に活発な星形成が起きており、その様子が点在する赤い星雲の存在からもよくわかる。材料となるガス雲の状況から判断すると、星形成はかなり長続きする可能性がある。


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南天の大マゼラン雲にある散光星雲NGC2070「タランチュラ星雲(毒ぐも星雲)」。ヨーロッパ南天天文台(南米チリ)の口径2.2m望遠鏡の広視野カメラで撮影された。地球から17万光年の距離にあり、その大きさは1000光年を超える。星雲の中央には、若くて非常に高温の星々があり、そこから放射される強い紫外線を受けて、星雲中の水素原子や酸素イオンのガスが光ることで、美しい色を生み出している。


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われわれから7500光年の距離にあるりゅうこつ座η星(ηカリーナ)。ハッブル宇宙望遠鏡とチャンドラX線望遠鏡が捉えた、可視光(主に青)とX線(主に赤)の画像を合成している。もともとは太陽の150倍以上もある巨大な恒星だが、あまりに重いため、急激に核融合が進み、いつ爆発してもおかしくない状況といわれている。いまから150年ほど前にも爆発を起こし、明るく輝いたが、その時に放出したガスやちりで、いまは恒星そのものが見えなくなっている。


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ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられたはくちょう座の網状星雲。われわれから1500光年の彼方にある、超新星残骸である。この星雲は、超新星が爆発して作られた。爆風によって、星間物質がかき集められると共に、星間物質との衝突により、星雲の発光が維持されている。全体は大きく、天球上で3度、つまり満月6個分にも相当する大きさである。


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ヨーロッパ南天天文台(南米チリ)の口径8mLVT望遠鏡で撮影された美しい渦巻き銀河NGC1288。距離は2億光年の彼方にあると考えられている。銀河の中心核のすぐ左には、2006年7月に発見された超新星SN2006drがちょうど爆発した瞬間を捉えている。この超新星はIa型超新星と分類され、爆風は毎秒1万kmにも達する。


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2007年8月28日、月が地球の影に完全に入り赤銅色になる皆既月食が見られた。この画像は、その様子を撮影したもので、地球大気をかすめて月に届いた太陽光が、赤くなって月面を照らしているのがわかる。残念ながら、関東を始め多くの地域では雲が広がるあいにくの天気だったが、北海道、東北北部、九州地方などでは、月の色の変化などが観察できた。なお、次回の日本で見られる皆既月食は2010年12月21日となる。


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ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた球状星団NGC2808。3万光年の距離にある、われわれの銀河系内部で知られた約150の球状星団のうち、もっとも大きな球状星団のひつとで、100万以上の星が含まれている。他の小さな球状星団では、メンバーの星はいっぺんに生まれたと考えられているが、詳細な観測をしてみると、この星団の場合は三回ほど星形成時代にわかれていることがわかってきた。


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ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられたNGC3603。地球から約2万光年離れた距離にある星雲と散開星団のコンプレックスである。中央に生まれた、若い星々が、おぎゃーという産声を上げながら、自らを生み出した母親の星雲のガスを、その光と風によって吹き払いつつある姿。この領域に存在するチリやガスの総量は、われわれの太陽の質量の40万倍にも及んでいる。


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ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた I Zwicky 18。おおぐま座の方向、6000万光年の彼方にある若い星ばかりの銀河で、もともとは最近にしては珍しくできたばかりの銀河ではないか、と思われていた。ハッブル宇宙望遠鏡の観測で、銀河の中には古い星も含まれていることが判明した。


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アメリカのX線天文衛星チャンドラが捉えた超新星残骸 G292.0 +1.8 。約2万光年の彼方にあり、我々の銀河系では三つしかない酸素を大量に含む、珍しい超新星残骸である。急速に膨張する殻では、ネオンや珪素、マグネシウムなどが酸素と共に輝いている。


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アマチュア天文家・津村光則氏(和歌山)が捉えた、ホームズ彗星の姿。10月24日から25日にかけて、それまで17等だった彗星が、約3等にまで増光し、肉眼でも見えるようになった。大量に吹き出したちりとガスによって、まるでたこのような複雑な形状をしている。


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ヨーロッパ南天天文台の口径8.2m望遠鏡VLTが捉えた棒渦巻き銀河NGC134。ちょうこくしつ座の方向、約6000万光年の彼方にある。非常に弱い棒構造から伸びる渦巻きの腕の形態は、我々の天の川銀河系と非常によく似ていると考えられ、遠方から見ると、我々の銀河系は、このように見えるに違いない。


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ハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた Arp 87のダイナミックな姿。しし座の方向、約3億光年の彼方にある銀河。2つの銀河が接近し、お互いの重力で相互作用して、形状が崩れると同時に、それぞれの銀河の中で爆発的な星形成が起こっている。いずれこの二つの銀河は、合体すると考えられる。


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すばる望遠鏡が捉えた、しし座にあるわい小銀河Leo II の画像。われわれ銀河系が属する局部銀河群のメンバーの一つ。我々から76万光年の距離にあり、銀河内の星一つ一つが分解できる。この観測によって、この銀河はこれまでよりもずっと大きく広がっていることが明らかになった。


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ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた渦巻き銀河M74の姿。われわれから3200万光年の彼方、うお座の方向にあり、ちょうど銀河円盤が我々からの視線方向と垂直になっているため、渦巻きの構造がよくわかる。ところどころ赤く輝く塊が見えるのは、我々の銀河系のオリオン大星雲のように、若い星が生まれている領域である。


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ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、りゅうこつ座の方向の領域。われわれから7500光年の距離にある銀河系内の輝線星雲と暗黒星雲の入り交じった詳細な広い領域にわたる構造を、多数の画像でカバーしている。左側にある、塵雲で隠されたりゅうこつ座イータ星は銀河系の中でも屈指の大きさを誇る巨星で、莫大な質量を放出しつづけ、その一生の最後の段階にある。


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へび座の方向、われわれから14億光年の距離にあるクェーサー3C321付近の領域。銀河の群れの中で、衝突によって活発になったと思われる銀河中心のブラックホールから、ジェットが吹き出し、そのジェットがいままさに飲み込もうとしているもう一方の銀河の端を貫いて、銀河物質を吹き飛ばしている様子。アメリカのX線衛星チャンドラによるX線(紫)、ハッブル宇宙望遠鏡による紫外線(オレンジ〜赤色)、およびアメリカの電波干渉計による電波(青)の三つの異なる波長で観測したデータを合成している。


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ヨーロッパ南天天文台の8m望遠鏡VLTが捉えた銀河群HCG90。みなみのうお座の方向、約1億光年ほどの距離にあるNGC7173(上)、7174(右下)、7176(左下)の3つの銀河が接近している様子で、渦巻き銀河であるNGC7174からは、長くねじれた尾のような構造が伸びている。接近しているためにできた構造であり、お互いに相互作用を及ぼしている結果と思われる。数十億年にわたって、これらの銀河を見ていれば、3つの銀河がダンスを踊っているようにみえるかもしれない。


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 ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、いっかくじゅう座にある変光星V838周辺の星雲。2万光年の距離にあるこの変光星は、2002年1月、恒星の外層が爆発し、一時的に明るくなった。その後、もともと爆発以前から恒星が長期に渡って放出した物質が、一時的に輝いた星の光を受けて輝いている様子で、光のエコーと呼ばれる。従って、この星雲はどんどん形も明るさも変化する。


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