宇宙連詩 みんなで紡ごう、宇宙に流れる生命のメッセージ

背景画像の解説

私たちは、宇宙創生から約137億年目、太陽系や地球誕生から約46億年目、生命誕生から約40億年目の、今日を、ここで生きています。宇宙連詩はそうした広大で雄大な宇宙のなかで、どのように生きたのかを言葉にする活動ともいえるかもしれません。

そのことを実感頂くために、宇宙科学が解き明かす、広大で雄大な宇宙の画像を、宇宙連詩ギャラリーの画像としてご覧頂いております。毎回、自然科学研究機構国立天文台天文情報センター長の渡部潤一さんに、宇宙連詩ギャラリーの画像の選定と解説をして頂いております。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、散開星団NGC2074と、それをとりまく星雲の画像。銀河系の隣にある小さな伴銀河・大マゼラン雲の中にある。かじき座の方向約17万光年の距離にあり、日本からは見えない。1990年4月に望遠鏡が宇宙に投入されてから、米国東部夏時間で2008年8月11日午前7時42分(日本時間午後8時42分、以下同)に周回数が10万に達したが、この画像は、その前日の8月10日に撮影されたものである。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したペルセウス座の方向、2億3千万光年の彼方にある特異銀河NGC1275の画像。ペルセウス座銀河団の中心に位置する楕円銀河で、まわりを取り巻く、切り裂かれたようなフィラメント構造は、銀河中心に存在する巨大なブラックホールによって生み出された強力な磁場にトラップされたガスの発する光。強力な電波も発している。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、宇宙の絹糸のようなガスの造形。西暦1006年におおかみ座に出現した超新星SN1006によって、吹き飛ばされた残骸の一部。現在は、地球から見ると満月ほどの直径、実際には60光年ほどの直径をもつ、円形の残骸に見えるが、この画像はそのごく一部である。


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すばる望遠鏡が撮影した超新星残骸カシオペヤA付近の画像。17世紀の過去の文献には爆発時の明確な記録が残っていないため、その性質はよくわかっていないが、もとになった超新星爆発の光が、中央付近の星間物質を照らし出している「光のこだま」を捉えたもの。この光の分析から、超新星爆発を起こした星は赤色超巨星で、IIb型と呼ばれる種類の超新星爆発であったことがわかった。


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ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、ちょうこくしつ座の方向にある銀河。視線方向にふたつの銀河が重なっているという珍しい例。われわれから約7億8千万光年の距離にある銀河で、前景の銀河は、それよりも地球に近いはずだが、その距離はよくわかっていない。全体に恒星が散らばっているのは、さらに近傍の銀河NGC253に属する星で、本体は視野の外にはみ出している。


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「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた宇宙の幽霊?」
ハッブル宇宙望遠鏡により撮影されたプレアデス星団の中にあるメローぺ星雲。明るさ4等星のメローペ星は画像からわずかにはずれた右上方向にあり、カラフルな光の筋は星の光によるゴースト(望遠鏡内部の反射光)。左下から右上に伸びるはっきりとした平行な筋は実在する塵の流れである。


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「渦巻き銀河M83」
ヨーロッパ南天天文台のESO/MPG2.2メートル望遠鏡で撮影された渦巻き銀河M83。約1500万光年の距離にある銀河で、渦巻きの腕の部分で新しい星が集団で生まれ、その紫外線を受けて水素が電離し、赤い特有の光を発し、無数のルビーを散りばめたように見える。


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すばる望遠鏡が捉えた、かみのけ座銀河団の中で光る火の玉の群れ。右端の銀河RB199から左方向に、いくつかの赤い電離ガスの「火の玉」が、青いフィラメントを伴って直線状に飛び出しているように見える。淡いガスの雲まで含めた「火の玉」構造のサイズは約26万光年と、我々の銀河系がすっぽり収まるサイズである。


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「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた星形成領域の風景」
ハッブル宇宙望遠鏡により撮影された、りゅうこつ座にある星形成領域NGC 3324。画面の上の方には生まれたばかりの若い星があって、そこからの強い紫外線と恒星風により、画面下方にある冷たい暗黒星雲を吹き払いつつある。地球から約7200光年彼方の宇宙の風景である。


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ハッブル宇宙望遠鏡により、2008年5月に撮影された、木星の大赤斑。そばに小さな斑点と中規模の斑点があり、それぞれ中赤斑、小赤斑などとよばれていたが、最も小さいものは7月に大赤斑に飲み込まれるのが観測されている。大赤斑は、少なくとも数百年間も存続しているという謎を持つ、地球が2個入るほど巨大な高気圧性の渦である。


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チリにあるヨーロッパ南天天文台の口径2.2m広視野カメラが捉えた散光星雲Gum29の姿。約2万6千光年の彼方、その中心部にはウェスタールンド2という年齢100-200万年ほどの生まれたての若い星団が輝いている。


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「10の文字に見える銀河のペア」
ハッブル宇宙望遠鏡により、2008年10月に撮影された特異銀河アープ147。くじら座の方向、約4億4千万光年の彼方にあるふたつの銀河が、重力的に相互作用しているため、奇妙な形になっている。よく見ると、まるで数字の「10」のようにも見える。1の方はそれほどでもないが、0の方の銀河は、星形成が起こって、リング状に青白い星が卓越している。


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「銀河の海」
チリにあるヨーロッパ南天天文台の口径8m望遠鏡(VLT)が捉えた深宇宙の姿。補助的には口径2.2mで得られたデータを用いて合成されている。合計55時間も露出をかけて撮影されており、地上観測では、これまでで最も深い画像となっている。大小、色とりどりのさまざまな銀河が散見される。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したきりん座の方向、約1100万光年の彼方にある銀河NGC1569の中心部分。この領域では非常に活発に星形成が起こっており、その星の生まれる割合は、我々の銀河系に比較すると、ざっと100倍も多い。赤色に輝いているのは、生まれたばかりの若い星の紫外線によって励起された電離ガスである。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したりゅうこつ座の方向、約7500光年の彼方にあるふたつの巨大な星の輝き。特に中心にあるウォルフ・ライエ星は、太陽の50倍もあると思われる巨大な星で、銀河系の中でも最大級である。これらの恒星からの光と風は、この星を取り巻く星雲を吹き払いつつある。


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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したヘルクレス座の球状星団M13の中心部。約2万5千光年の彼方にあり、北天では最も明るく大きな球状星団で、天文ファンに人気がある天体の一つである。古い星が多い中で、青白く輝く、一見すると若くみえる「青色はぐれ星」が散見される。


Copyright(c)X-ray: NASA/CXC/CfA/S.Wolk et al; IR: NASA/JPL-Caltech

チャンドラX線望遠鏡とスピッツアー赤外線宇宙望遠鏡が撮影したさいだん座にある星形成領域RCW108。地球から4000光年の彼方にある深い星間分子雲に埋もれた星形成領域で、X線と赤外線によって、その雲の内部の若い星たちが輝いている。


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チリにあるヨーロッパ南天天文台の口径2.2m望遠鏡の広視野カメラが捉えた星形成領域NGC2264。いっかくじゅう座の方向、2600光年の彼方にある星雲で、生まれたての若い星が青白く輝いている。下の方にみえる三角形の暗黒星雲は、クリスマスツリーのように見えることで有名である。


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「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた高速で移動する若い星とガス」
ハッブル宇宙望遠鏡により撮影された、高速で濃い星間ガスの中を通過する星。周りのガスが、まるで湖の中を動く船が作る模様のように、弓形の波紋を形成しているのがわかる。これは恒星からの風と、まわりの星間ガスの相互作用でできたものである。


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「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた惑星状星雲」
ハッブル宇宙望遠鏡により撮影された、惑星状星雲NGC2818の姿。この惑星状星雲は、らしんばん座の方向、約1万光年ほど彼方の散開星団NGC2818Aの中にある。太陽程度の星が最終段階を迎え、星から離れていった外層のガスを、白色矮星となる星の芯が照らし出している。赤が窒素、緑が水素、青が酸素ガスを示している。


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「すばる望遠鏡が撮影したさんかく座の銀河M33」
さんかく座の渦巻き銀河M33は、我々銀河系が属する局部銀河群に属し、アンドロメダ銀河、われわれの銀河系に次いで大きな渦巻き銀河である。その距離は約250万光年で、ほぼ真正面を向いているため、渦巻銀河の構造を調べることができる。すばる望遠鏡が得意とする広視野を生かして、満月8個分程度の広さ、実際には9万光年×6万光年の大きさに相当する詳細な画像を得たが、これだけの解像度と深さで観測した例はない。


Copyright(c) NASA/JPL/Space Science Institute All Rights Reserved.

「探査機カッシーニが捉えた太陽を背景にした土星」
土星を周回しながら、土星本体や環、そして衛星の観測を続けているカッシーニ探査機が、2006年9月15日に土星の後ろ側に回り込み、太陽の光を隠して撮影した画像。紫外線、赤外線および可視光の画像を組み合わせた合成カラー画像には、かすかな土星の環までくっきりと浮かび上がっている。


Copyright(c) NASA, ESA and K. Cook (Lawrence Livermore National Laboratory, USA). All Rights Reserved.

「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた渦巻き銀河と遠方の銀河たち」
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた渦巻き銀河NGC4921の姿。この渦巻き銀河そのものは、かみのけ座銀河団に属し、われわれから3億2千万光年ほどの距離にあるが、その背景にさらに遠方にある、様々な色や形の銀河の群れが浮かび上がっている。


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「欧州南天天文台の望遠鏡が捉えたカリーナ星雲」
チリにある欧州南天天文台の口径2.2m望遠鏡の広視野カメラが捉えた、距離7500光年にある、りゅうこつ座にあるカリーナ星雲。りゅうこつ座エータ星のように太陽の50倍から100倍もある巨大な星たちから吹き出すガスや、紫外線によって、100光年の大きさの星雲が複雑に輝いている。


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「欧州南天天文台の望遠鏡が捉えた銀河のワルツ」
チリにある欧州南天天文台の口径1.5m望遠鏡が捉えた、距離7000万光年の銀河NGC1531とNGC1532。エリダヌス座にある銀河で、2つの銀河が接近し、まるでダンスをしているように相互作用している様子が、円盤から持ち上がり、ゆがんだ渦巻の腕からわかる。


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「欧州南天天文台の望遠鏡が捉えたカリーナ星雲」
チリにある欧州南天天文台の口径2.2m望遠鏡の広視野カメラが捉えた、距離700光年にある、みずがめ座にあるらせん星雲。年老いた恒星の外層部が宇宙空間に放出されているもので、そのガスが中心部の白色わい星の紫外線によって光っている惑星状星雲という種類である。近距離にあるために、満月の4分の1ほどの大きさがある。


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「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた3つの銀河が集う姿」
ハッブル宇宙望遠鏡は、世界天文年を記念して、ファン投票で選ばれた天体を撮影するというイベントを行った。その第1位に選ばれたのが、3つの銀河が集う姿が不思議なアープ274。おとめ座の方向、約4億光年の彼方にある銀河の群れである。


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