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シンポジウム・ワークショップ

国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用成果シンポジウム

体内リズム研究の成果と意義

最終更新日:2012年11月 5日

宇宙と地上の暮らしに役立つ「宇宙医学」

(出典:JAXA)

大塚邦明(東京女子医科大学教授)

私達の身体は24時間のサーカディアンリズム(「約1日のリズム」の意味)で変動しています。この24時間のリズムは脳の視床下部にある中枢時計(親時計)が作っています。この親時計の中には、時を刻む遺伝子があります。実は、身体の全ての細胞に、この遺伝子時計があることがわかりました。

親時計の針を調整する(身体のリズムを整える)重要な要素は三つあります。一つ目は朝の光、二つ目は朝の食事、三つ目は深く寝ることによって出るメラトニンというホルモンです。メラトニンは早く睡眠につける効果もあります。体内時計の針が狂うとどうなるでしょうか? 寿命が短くなる、癌になりやすくなる、骨折しやすくなる、アルコール依存症になる、老化が早く進む等、大変だということがわかってきました。私達は自分の体内時計の時刻を知りたいわけですが、1回採血をすると身体の色々な細胞の時計がわかることがつい最近わかりました。生体リズムが狂っている場合、不規則な生活リズムを直すと病気も治ることもわかってきました。

それでは宇宙ではどうなるのでしょうか? 体内時計は狂ってしまうというのが私達の予想でした。ところが心臓や血管を調整する自律神経と体内時計を調べたところ、驚いたことに、一時(宇宙へ行ってすぐ)は乱れますが、6ケ月間滞在するとリズムは良くなるという結果が得られました。自律神経の影響も一時的に悪くなりますが、その後は宇宙に行く前より改善されました。この理由は、ISSでの規則正しい生活リズムにあります。具体的には、一つ目は規則正しい明暗条件、二つ目は規則正しい朝の食事、三つ目は睡眠の質が良くなったこと(メラトニンが良く出る)が考えられます。このような宇宙生活の技術を、一般市民の健康増進に役立てたいと考えています。

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モデレータ:宇山恵子(医療ジャーナリスト)、向井千秋
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閉会挨拶
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