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シンポジウム・ワークショップ

国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウム

開催結果について

最終更新日:2019年2月28日

国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウム
~拡がる「きぼう」利用の未来~

『国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウム』を2月12日~13日の2日間にわたって開催し、併せて「JAXA/NASA共同ワークショップ」を開催しました。2日間を通して、著名な先生方や国内外の企業トップの方々、NASAからの参加を得て、多岐の視点から「きぼう」の利用について議論しました。

日程 2019年2月12日(火) 13:00~18:30、13日(水) 10:00~18:00
場所 LINK-J(Life Science Innovation Network Japan)
(東京都中央区日本橋室町1-5-5室町ちばぎん三井ビルディング8階
(COREDO室町3))
開催概要(プログラム・登壇者プロフィール)

1日目は、白須賀貴樹文部科学大臣政務官にご挨拶を頂いた後、JAXAより有人宇宙活動計画や「きぼう」利用の概要を報告しました。その後、著名な先生方や企業トップの方々に登壇いただき、パネルディスカッション形式で、「きぼう」利用の状況、最新の成果、「きぼう」を利用する上でのメリット・デメリット、JAXAへの期待、今後の展望等を討議いただきました。

オープニング(白須賀貴樹文部科学大臣政務官)

オープニング
【白須賀 貴樹氏 (文部科学大臣政務官)】

  • 今年「きぼう」は、完成から10年を迎え、大学や公的機関にとどまらず、この10年で民間企業や海外(新興国)による利用も増加し、我々の生活の向上にもつながっている。さらに、超小型衛星放出事業について、民間企業に利用機会を提供(事業化)したこと等、大きな成果と言える。
  • また、今年はアポロ11号の月面着陸から50周年の記念すべき年でもあり、今、世界は再び月を目指そうとしている。米露を中心とした主要国は多くの月面探査ミッションを計画しており、また、米国は月近傍の有人拠点(Gateway)を構想し、各国に参画を呼び掛けている。我が国も小型月着陸実証機(SLIM)により月面ピンポイント着陸を目指すとともに、Gatewayに関する国際調整や技術検討を実施している。
  • このような状況において、政府としては、今後、「きぼう」の利用と月を中心とした宇宙探査を効果的・効率的に両立させていくことが重要であり、特に、ISSや「きぼう」が宇宙探査に必要な技術の実証の場として、また宇宙飛行士の訓練の場としても活用されていくことが必要であると考えている。今後、「きぼう」利用がさらなる拡がりをもつべく、政府としても検討を進めて参りたいと考えている。

有人宇宙活動の現状と将来展望(若田理事)

基調講演「「きぼう」における研究成果と今後の展望、国際協力の重要性」
【若田 光一(JAXA/理事)】

  • 有人宇宙開発の歴史(米ソ競争の時代~国際協力の時代)及び「きぼう」日本実験棟やHTV/HTV-X等のJAXAにおける有人宇宙開発の歴史の紹介。
  • JAXAにおける有人宇宙活動の取り組み状況として、民間による有償利用なども含めた「きぼう」利用の拡大状況、超小型衛星放出などの機会を活用したアジア等への国際貢献の状況、有人宇宙滞在技術・宇宙機システム技術等の技術実証の状況などについて紹介。
  • 地球低軌道(LEO)における民間による商業活動が活発化している状況や宇宙機関による新たな活動として、月・火星をターゲットとした深宇宙探査に関する取り組みの全体像。宇宙探査イノベーションハブや宇宙探査イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)等の新たな取り組みについて紹介。

きぼう利用の最新状況(小川センター長)

ステータスレポート「「きぼう」利用の中核を担う4つの柱を支える研究開発基盤」
【小川 志保(JAXA/きぼう利用センター長)】

  • 「きぼう」利用が掲げる当面の5つの目標や4つの利用の柱である、新薬設計支援プラットフォーム(PF)、加齢研究支援PF、小型衛星放出PF、船外利用PF等の「きぼう」利用戦略について紹介。
  • 利便性・多様性を創出するプラットフォーム化を進めていること及び各プラットフォームにおける取組状況や成果の紹介。小型衛星放出PFの民間事業移管や船外利用を通じたビジネス利用等の状況について紹介。
  • 研究開発基盤向上としての新たな機器開発の状況や「きぼう」を活用した深宇宙探査に向けた技術実証ミッションなどの取り組み状況について紹介。

健康に暮らす社会に向けた宇宙の活用

はじめに、パネラーとしてご登壇頂いた、先生方や企業代表者の方々より、各機関の研究や事業を紹介して頂きました。その後、坂田 亮太郎氏(日経バイオテク/副編集長)をモデレータとして、ISS・「きぼう」日本実験棟における環境が健康長寿社会へどのような価値を与えたのか、「きぼう」で実験することの魅力や実験成果の地上への還元、今後の在り方などについての議論が行われました。

発言概要

  • 宇宙に打ち上げた小動物をリアルタイムで行動解析出来る点やJAXAの支援体制、小動物を生存帰還させることができる点など、「きぼう」ならではの機能が加齢研究に大きな成果をもたらす可能性がある。
  • 宇宙での実験成果は世界の人々に共有されるべきであり、次のステップとしては、実験データをデータベース化して、今までにない新たな切り口で解析され、新たな成果が創出されていくべきである。
  • 薬の効果を確認する場として宇宙は有用であり、ターゲットタンパクが分かれば、宇宙での実験を通じ、地上で老化を防ぐ薬などが出来るかもしれない。
  • サイエンスとは、誰も成し遂げなかったものを成し遂げるものであり、若い人たちと一緒に夢を見て取り組むことが大事である。その到達点として「きぼう」があるが、宇宙での実験には時間がかかるため、次世代を育てながら実施していく必要がある。
  • 今後は、地上での優れた成果を宇宙に上げ、その研究や地上へのフィードバックを促進できるよう、人材育成、インフラ整備を含め、JAXAと企業が連携していくことが重要である。

パネルディスカッション「健康に暮らす社会に向けた宇宙の活用 -基礎研究や民間の取組み」
【写真左下:坂田 亮太郎氏(日経バイオテク/副編集長)、左上:永井 良三氏(自治医科大学/学長 ) 、中央上:瀬原 淳子氏(京都大学/教授)、右上:細井 純一氏(株式会社資生堂/研究員)、右下:山本 雅之氏(東北大学東北メディカル・メガバンク機構/機構長)】

宇宙を新薬設計に役立てる

はじめに、パネラーとしてご登壇頂いた、先生方や企業代表者の方々より、研究や事業紹介を頂きました。その後、西島 和三氏(持田製薬株式会社/フェロー)をモデレータとして、ISS・「きぼう」日本実験棟における環境が創薬実験にどのような価値を与えたのか、創薬研究において宇宙を使う事のインパクト、「きぼう」の使い勝手や今後の在り方などについての議論が行われました。

発言概要

  • 打上げ回数の増加やJAXAの支援体制の強化、低コスト化など、高品質タンパク質結晶生成実験の簡便さがこの数年間で大幅に向上している。
  • 高品質タンパク質結晶生成実験のメリットは、品質の高い高解像度の結晶や共結晶などが取得(違う結晶形を含む)できること。創薬へ与えるインパクトとして非常に大きいのは、地上では生成できない2Å以下の高品質なタンパク質結晶を入手出来ること。
  • 「きぼう」での実験を通じて、人材育成のモチベーション向上や研究者間のつながりを獲得できることは大きなメリットである。
  • 今後のJAXAへの期待として、包括的な企業利用増加に向け、ノウハウを企業と共有し、更なる成果の獲得を目指すこと。また、高品質タンパク質結晶生成実験に対し敷居を感じている企業等のためにサポートを継続していくことを期待する。

パネルディスカッション「宇宙を新薬設計に役立てる -基礎研究から民間利用への拡がり」
【右上:西島 和三氏(持田製薬株式会社/フェロー)、中央上:舛屋 圭一氏(ペプチドリーム株式会社/取締役副社長)、左上:細田 雅人氏 (インタープロテイン株式会社/社長)、左下:阪本 泰光氏(岩手医科大学/准教授)、右下:善光 龍哉氏(日本医療研究開発機構(AMED)/調査役)】

活動領域を拡げる実践場としての宇宙空間

はじめに、パネラーとしてご登壇頂いた、企業代表者の方々より、研究や事業紹介を頂きました。その後、中道 理氏(日経BP総研クリーンテックラボ/上級研究員リアル開発会議/編集長)をモデレータとして、ISS・「きぼう」日本実験棟における船外環境が民間の事業にどのような価値を与えたのか、活動領域を宇宙へ拡げる事業化への取組みについて企業の考え方や、JAXAへの期待などについて議論が行われました。

発言概要

  • 衛星利用による地上の課題解決など、今後「衛星」に関連する様々な事業が生まれることが期待できる。「きぼう」には目的に応じて各種センサを搭載した超小型衛星を放出できる環境があり、技術実証を通じて数年以内に事業化につなげたい。
  • 宇宙のビジネス拡大に向け、様々なリスクを企業がマネジメント出来るよう、法整備や安全ガイドラインの統一基準の整備、保険制度の規模拡大などを期待する。
  • 新しいことに挑戦するにあたり、「きぼう」のような実験プラットフォームが宇宙にあることがありがたかった。
  • 米国のスタートアップ企業による技術開発のスピードは、日本に比べて圧倒的な差がある。何故そのような差が起きているかを勉強する必要がある。意思決定のスピードだけの問題ではないと考える。

パネルディスカッション「活動領域を広げる実践場としての宇宙空間 -民間利用の成果と事業化への取組み」
【写真中央下:中道 理氏(日経BP総研クリーンテックラボ/上級研究員、リアル開発会議/編集長)、左:渕田 安浩氏(株式会社大林組/主任研究員)、中央上:岩本 匡平氏(株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所)、右上:大山 洋平氏(三井物産株式会社 航空・交通事業部 航空事業室/室長)、右下:島村 秀樹氏(株式会社パスコ/社長)】

LEOの技術革新が社会にもたらす価値について

2日目のプログラムは盛り沢山で、フリーアナウンサーの登坂 淳一氏を進行役として、脳科学者の茂木 健一郎氏、慶應義塾大学の岸 博幸教授、元JAXA宇宙飛行士の山崎 直子氏の3名に対談していただくという、何とも贅沢な初めての対談イベントを行いました。地球低軌道(LEO)の技術革新という固いテーマでしたが、テレビさながら大いに盛り上げてくださいました。

発言概要

  • LEOは最も近い宇宙として、科学・産業・防衛など様々な観点から重要な基盤であり、各国が重要視している。LEOがECOシステムとして成熟している中、ベンチャー企業が日本の得意とするロボット等の先端技術を活用し、政府の積極的な資金的援助の下で新たな価値を創出する宇宙ビジネスを展開できる環境作りが大事である。
  • 日本ではベンチャー企業の参入はまだ少ないが、政府の支援や規制緩和のもとで、日本の強みを生かすようなビジネスを進めてほしい。
  • 脳科学の観点から宇宙での生活を経験した人が増えれば社会は変わる。また実験機会が多いことが科学の進歩には必要であり、引き続き宇宙施設を維持することが大事である。
  • 防衛の観点から宇宙はサイバー空間とならんでフロンティア。産業、ビジネス利用の観点でもフロンティア。サイバー空間は20年で開拓が進んだ。日本ではこのフロンティアでの安全保障や産業利用が遅れた印象。日本にとっては正念場であり、数少ないフロンティア空間でどういうビジネス、産業を作るかがポイント。「きぼう」をECOシステムとして使うか、いかにプラットフォームとして、ベンチャー企業の活動を取り込むかが大事である。
  • 宇宙ベンチャー企業の活動拡大にはPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:官民連携)が大事。ファンディングだけでなく、政府支援・規制緩和などが必要である。厚労省の認可がおりず介護ロボットのベンチャー企業が進まない例があった。民間企業だけではリスクをおえないため、政策投資銀行等の政府のリスクマネーを活用してほしい。
  • 宇宙への興味を掘り起こすためには、夢を掻き立てるイベントや、夢を与えるストーリーテリングが重要。また、Moonshotが必要であり、月へのロケットや月面に宇宙船を送ること、これらに日本の波及効果のある技術でチャレンジしていき、失敗を恐れずにチャレンジすることが大事である。

対談「LEOの技術革新が社会にもたらす価値」
【写真右下:登坂 淳一氏(フリーアナウンサー)、左下:岸 博幸氏(慶應義塾大学大学院/教授)、左上:茂木 健一郎氏(脳科学者)、右上:山崎 直子氏(元JAXA宇宙飛行士)】

JAXA/NASA共同ワークショップ

日米双方の研究者・技術者から、日米協力(JP-US OP3)に基づくNASAとJAXAの具体的な協力の取組み内容や今後の計画について説明し、国際協力により具体的に成果拡大につながっていることを報告しました。

JP-US-OP3は、2024年までのISS運用延長に関する新たな協力枠組みとして、2015年12月に日米両国政府が締結しました。

報告概要

  • 加齢研究のセッションでは、日米の実験装置の相互利用や得られたサンプル解析の協力・データを共有し、更なる生命科学の成果創出を試みている状況やJAXAが開発した可変人工重力環境の研究プラットフォーム(MARS)を活用したパーシャルg環境下での生体変化の研究などについて紹介。
    μgと1gの間の重力環境
  • ロボティクス技術のセッションでは、日米双方が協力し、軌道上にあるロボットを活用したロボットコンテストを通じて宇宙ロボット技術の向上に努めていること。また、地上のロボット技術を低重力の宇宙活動や有人宇宙活動のサポートへ活用し、進化した技術を地上へフィードバックする取組みなどについて紹介。
  • 材料研究のセッションでは、日米の研究者がチームとなり、両国の地上設備を活用しながら成果創出に取り組んでいること。また、日本の大型研究施設をフル活用すると共に、「きぼう」の静電浮遊炉 を用いた質の高い材料特性の取得を行うことで両国の研究に貢献していることなどについて紹介。

成果報告「JP-US OP3の取組みと今後の期待」
【写真左上:芝 大(JAXA/きぼう利用センター主幹(小動物飼育ミッション))、左下: Dr. Frances Donovan(NASA/ARC(Space Biology))、中央上:土井 忍(JAXA/有人宇宙技術センター主幹(ロボティクス))、中央下: Mr. Andres Martinez(NASA/HQ(Advanced Exploration Systems))、右上:小原 真司氏(NIMS/ELF PI)、右下:Dr. Doug Matson(ELF PI) 】

また、有人宇宙活動の今後の展望について、JAXA若田理事とNASAシミーミISS部長との対談を行いました。NASAからは、ISSをいつまで運用するかについて、技術的には2030年頃まで可能であること、政策的な観点では現在米国議会において2030年までの運用についての法案が審議中であることが述べられました。また、ISSをいつまで運用するかは、政府だけでは決められなく、民間企業の意見、彼らのコミットメントにも期待しており、そのためにもLEOの利用機会を益々活性化し参加者を増やしていくことが大事である等の発言がありました。

対談「ISS利用の今後の展望」および、基調講演
【写真右下:上森 規光(JAXA/有人宇宙技術部門事業推進部長)、左上:若田 光一(JAXA/理事)、右上:Mr. Sam Scimemi(NASA/ISS Director)、左下:Ms. Marybeth Edeen(NASA/OZ Manager)】

基調講演「ISSが拓く地球低軌道(LEO)の経済 -LEO市場の創出と拡大」
【Mr. Jeffrey Manber(NanoRacks/CEO)】

さらに、米国や欧州、日本でISSの商業利用を推進している企業のトップの方々による基調講演やパネルディスカッションを行いました。ここでは、宇宙ビジネスの開拓には政府が民間企業を様々な面で支援し、ベンチャー企業が宇宙ビジネスを展開できる環境(ECOシステム)作りが大事であること、宇宙ビジネスはまだ競争する時代ではなく、まずは成功することが大事であること、LEOで成熟した技術を民間企業からサービス調達することや、民間セクターと政府のパートナーシップ(PPP)の必要性などが述べられました。

パネルディスカッション「2025年以降の地球低軌道活動への期待ー民間の視点から」
【写真左上:横山 哲朗氏(有人宇宙システム株式会社(JAMSS)/元 JAXA ISSプログラムマネージャー)、右上(左)Mr. Andrew Rush(Made In Space, Inc./CEO)・(右)Mr. John Vellinger(Techshot, Inc./CEO)、左下:(左)Mr. Mike Lewis(NanoRacks/Chief Innovation Officer)・(右)Mr. Twyman Clemens(Space Tango, Inc./President and CEO)、右下:(左)Dr. Per Christian Steimle (Airbus/Bartolomeo Program Manager)・(右)永崎 将利氏(Space BD株式会社/CEO)】

展示

  • 「きぼう」利用に関する活動状況及び成果発信を目的に、本シンポジウムでの登壇企業・大学を中心とした展示も会場内のホワイエエリアで実施しました。特に今回、きぼう利用戦略の4つのプラットフォームについては、利用者や事業者と連携した展示と説明を実施したことで、利用サービスから成果まで効果的・効率的に発信できました。
  • 本シンポジウムのテーマに沿った展示構想にすることで、登壇者のプレゼンテーションやディスカッションで理解できなかった点など、より詳細な情報を知りたいユーザーが、セッション終了後に展示ブースに情報収集に来ていたため、ユーザーの理解促進やより具体的な情報発信を効率的に実施できたと考えています。
  • 米国からは、NASAが代表して、米国登壇企業(NanoRacks、Techshot、Made In Sapce、Space Tango)をはじめ、Sierra Nevada Corporationなど事業紹介を実施しました。

謝辞

2日間のシンポジウムを通じ、大学・研究機関、電気・機械系、バイオ・医療、情報通信、コンサルなど、600名近くの幅広い層の方々に来場いただきました。どうもありがとうございました。

 

 
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