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「きぼう」を支える有人技術
日本の実験棟モジュール内の宇宙放射線計測 PADLES

スペース・シャトルや国際宇宙ステーションが飛行する地上から400km前後の高度では、銀河宇宙線などのエネルギーが非常に高い粒子がいつも降り注いでいます。宇宙船の船壁や遮へい材によって、ある程度の宇宙放射線を遮ることはできますが、高いエネルギーの放射線はスペースシャトルや国際宇宙ステーションの船体をも突き抜けてきます。そのため、飛行中の宇宙飛行士や生物試料は、宇宙放射線による被ばくを避けることができません。

スペース・シャトルや国際宇宙ステーション船内の宇宙放射線環境は、搭載時期や遮へい条件によって大きく変化します。宇宙における生物の放射線影響を解明したり、人間が長期にわたって宇宙に滞在するためのリスク評価を行うためには、

「宇宙環境において、実際に宇宙放射線を計測する」こと

が必要です。軌道上で実施されるライフサイエンス宇宙実験では、生物試料に対する宇宙放射線影響を定量的に解明するには、生物学的指標(生物影響)と照らし合わせる物理的な環境パラメータのひとつとして、正確な宇宙放射線の被ばく量を把握することが重要です。

JAXA有人宇宙技術センターでは、ライフサイエンス宇宙実験のための受動積算型宇宙放射線計測技術 を開発し、2008年から「きぼう」日本実験棟の船内において、宇宙放射線計測を開始しました。

PADLESとは

PADLES線量計

宇宙放射線環境を測定するのに優れた2種類の線量計素子(固体飛跡検出器CR-39、熱蛍光線量計TLD-MSO)を組み合わせた受動型線量計と、その解析を自動高速で行うシステムを

PADLES:
Passive Dosimeter for Lifescience Experiments in Space

といいます。

線量計を組み立てて「きぼう」に搭載し、帰還後に地上(筑波宇宙センター)で線量解析をします。


「きぼう」船内の宇宙放射線計測

ライフサイエンス宇宙実験や日本人宇宙飛行士の放射線被ばく管理において重要な、「きぼう」日本実験棟船内の宇宙放射線計測、データの解析・提供を、JAXA有人宇宙技術センターが行います。JAXA有人宇宙技術センターでは、PADLES線量計を用いた、4つの宇宙放射線計測実験を実施します。

  1. Area PADLES
    「きぼう」船内の定点放射線環境モニタリング
  2. Bio PADLES
    ライフサイエンス実験で使用される生物試料の被ばく線量計測測
  3. Crew PADLES
    日本人宇宙飛行士の個人被ばく線量計測
  4. Dosimetric PADLES
    ISSパートナーと実施する国際協力線量計測実験